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第十話 誰かこの暴君を殴ってくれ!
09
しおりを挟むオレンジ照明が付けられた寝室のベッドの上で、虫のように仰向けで転がり、キョトンと目を丸くする。
(? ……んん? んんー……?)
仰向けに倒れたままの俺は、天井を見つめながら、首を傾げた。
三初は無言のままでエアコンをつけ、おもちゃ箱を取り出し、ローションボトルのストックから三本も封を切っている。
体が熱い。アルコールのせいだ。
眠気は飛んだが、代わりに甘えたい欲望と触りたい願望、それらをされたい邪心で胸がいっぱいだ。
三初は、なにをしたいんだ?
俺は、なにをしたらいい?
よくわからないけど、引きはがされたのは嫌だ。抱きしめてほしい。
そんな俺の甘ったれた思考回路を知ってか知らずか、三初は俺のすぐそばにジャラジャラガシャガシャとあらゆるオモチャのフルコースを放り投げる。
「あ……どこ、みはじめ、触ら、ね……?」
「先輩」
「っう、ぁッ」
三初の気配を追いかけて起き上がろうとした俺の足の間──その奥を、グリッ、とはだしの足が踏みつけた。
按摩と苦痛の境目という絶妙な力加減。
驚いておそるおそる視線を上げると、シャツのボタンを片手で外しながら、手で顔を扇ぐ三初が俺を見下ろしている。
その表情は、ちっとも笑っていない。
本気度がマックスの瞳が、俺と言う獲物を逃がすまいと語っているのだ。
「ひぃぇ……っ」
引きつった悲鳴と共に、ビクッ、と肩が跳ねた。
(こ、怖いぜ、三初ぇ……!)
怒ってる? わけじゃないけど、身の危険を感じた脳が全力で警鐘を鳴らしているのは確かだ。まずい。
「みはじめ、ふ、踏むの嫌だ、お、俺はなにもしてね、よ? なんか、怒って、んのか、うっ……っ」
「んー……俺ね、さっきから異常にヤりたくて、ですね、ふっ……」
「んっ、ぐりぐり、嫌、ぁっ」
「このままだと床に引き倒してダイニングで犯しそうだったから、誕生日にそれはアレだな、と思ってですね」
「い、っい、勃つから、これいや、いやだ、ひ……ッ」
「余裕なフリは十八番だったんで我慢したんですけど……変だなぁ。秒ももたずに、こう、ブチッと」
「ふ、あぅ……っ」
話しながらも足はどけられず、巧みに指が動き、ジーンズの中の俺の陰部をグッグッと踏み弄ぶ。
三初の呼吸が荒い。
(興奮、してる? 俺の計画、成功……した、のか?)
三初が俺に激しく欲情しているような気配を感じて、にへらと頬を緩ませた。
熱の篭った声がエロくて、煽られる。
けれど笑う俺の股間を踏む力が強くなり、俺は「ぃ、あッ」と悲鳴をあげて刺激に追い詰められてしまった。
痛い、の、痛い、けど、俺は感じてしまうから、困る。躾の成果だ。
逃げ場のないネズミのような哀れな瞳で見つめると、ボタンをはずし終えて肌を晒す三初の口元が、ニンマリと弧を描く。
紅潮した頬や胸元に浮かぶ玉のような汗がゆっくりと伝う様子が、鮮麗に見える。
「まー……つまり明日世界が滅ぶとしても、今の俺はあんたのメ✕穴を生チ✕ポでぶっ壊れるまでブチ犯して、俺のザー✕✕を喉とケツで吐くほど飲ませた後、ア✕ル擦り切れるくらい粘膜擦り上げてヒィヒィ鳴かせることしか、考えられないみたいです」
「ヒッ……」
──それはそれは色っぽい美形が、艶姿で笑みを浮かべながら低く甘い砂糖菓子のような声で紡ぐ言葉。
本人史上最も規制音だらけの、エロ同人のような最低な宣言をした。
俺の心は天国と地獄だ。
ドキ、と胸が高鳴ってしまう光景で熱を帯びる目と、ドキ、と恐怖と絶望で高鳴ってしまった鼓動で冷えあがっていく耳。
高低差がありすぎた。
眉を垂らして股間を踏まれながら、俺の目尻にはジワリと涙が浮かんだ。
暴君お墨付きの超強力媚薬を規定量以上投与した時の効果は──三初 要の余裕を、ワンパンで崩せる程度らしい。
シャツを脱ぎ捨てる三初が俺の顎を掴み、正気を失った目で笑った。
「ギリギリ喋れてる間に、さっさと脱いでくれませんかねぇ。──俺の前で息してるとか、誘ってんの……?」
ハッピーなバースデーの夜は、まだまだ長いのだ。
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