今日もその手を…

榊󠄀ダダ

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第2章

第17話 本能

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 私達は何も言わずにシンクの前でキスをし続けた。


 唇が離れればすぐにどちらからともなく求め合った。口づけをしている時だけが酸素を補給出来るみたいに必死だった。まるで、固く契りあった恋人同士の十数年ぶりの再会のようだった。


 彼女は目が合うたびにどこか悲しそうな切ない表情を浮かべた。私は今のこの現実だけを見てほしくて、彼女の中へと舌を滑り込ませた。すると、その瞬間、彼女は全身で反応を示した。


 一瞬で順応した彼女は、私を受け入れながら私にも自分を与えてくれた。それだけで私たちはもう、声を出さずにはいられなくなっていた。


 さっきまで見え隠れしていた恥ずかしさは、彼女の中からもう消えているようだった。それよりも欲望に素直になっている。その証拠に、キスをしながら彼女の手は次のものをおねだりするかのように、私の体をいやらしく撫でていた。


「……次は?何が欲しいの……?」


 私は彼女が口にしやすいよう、優しく頭を撫でながら甘やかして聞いた。


「……ここが……欲しい……」


 すると彼女は甘えた声で答えてくれた。その視線は、服の下にある胸元に向けられていた。


「いいよ……今あげるね……」


 邪魔なジャケットを脱ぎ床に落とすと、白いシャツのボタンを一つづつ、わざとゆっくりと外していった。そうすれば、焦らされて息が上がっていく彼女を見ることが出来ると思った。


 谷間が見え始めたところで彼女は早々に手を伸ばそうとする。


「まだだめでしょ?」


 私はそれを優しく強くたしなめた。
 叱られた彼女は苦しそうにしながらも、ギリギリのところでその手を止めた。ちゃんと私の言うことを聞いて我慢するところも可愛くて、そんな彼女を見てるだけで私の体の奥は、音が鳴りそうなほどにうずいた。


 時間をかけてようやく全てのボタンを外すと、


「あっち行こ……」


 と、ラグの敷いてある場所まで彼女の手を引いて連れていった。そこで手を後ろに回しブラジャーのホックを外す。すると、それを見届けた彼女は急かすように私を仰向けに寝かせ、自分は私の太ももの辺りに股がって座った。


 私を見下ろしながら彼女がニヤリと笑う。その顔で形勢が完全に逆転したことに気づいたけど、なんの異論もなかった。
 今すぐにこの体を彼女の好きなようにしてほしかった。自由を奪われるように半ば乱暴にされたキスにも、私は悦びを感じていた。


 嬉しそうな顔をして上体を起こした彼女は、ただ乗っている状態のブラジャーをめくると息を飲んだ。


 そして、いたずらっ子のように一本の指だけで左の胸の先をクニクニと回すようにいじる。指先の小さな動きに合わせて私の体が何度も反応するのを楽しそうに見下ろし、それにうっとりと感じた顔をする。


 さっき焦らされた仕返しをしてるのか、ずっと同じところをいじり続けて次にいってくれない。そのままもう少し続けられたらおかしくなりそうだった。


「……もう……それやめて……」

「中谷さんてここ異様に感じちゃいますよね?こないだ気づいたんです、ここを責めてあげると体中がビクビクしちゃうこと……」


 彼女はそう話している最中も、ずっと同じ動きを続けた。やめてと言ったくせに、いじられ続けて別の段階へいってしまった私は、もうやめて欲しくなくなっていた。
 そんな私を彼女は視線をそらさずに凝視する。


「可哀想だからいい加減やめてあげようかな?」


 吐息混じりに耳元でそうささやき、さらに苛《いじ》めてくる。


「あと5秒でやめますね。5……4……3……2……」

「……やだ、やめちゃやだ……」

「あれ?やめてほしいんじゃないんですか?」

「…………やめないで……お願い」

「わがままだなぁ……」


 恥ずかしさに腕で顔を隠すと、すぐにその腕を外された。


「指だけでいいんですか?本当はもっと好きなことあるでしょ?」


 彼女の意地悪が止まらない。操られてることすら気持ちよくて、思考能力がどんどん低下してゆく……


「……お願いだから、焦らさないで早く……してよぉ……」

「なにをしてほしいんですか?ちゃんと言わなきゃ、してほしいこと」

「こないだの……あの舌の感覚が忘れられないの……あれ……してほしい……」


 あの夜みたいに、今すぐにその小さな口を私の胸でいっぱいにして欲しくてたたまらかった。


 彼女は私の懇願を聞くと、見せつけるように舌を出し、その舌先をゆっくりゆっくり胸の先へ向かって下ろしていった。


 視界の下にはブラジャーが邪魔をしていて、最後のタイミングが見えない……もどかしさに苛立った次の瞬間、濡れた感触を胸に感じた。


 どんなふうに動かしてるのか想像がつかないくらい色んな角度から色んな力とスピードで、もうすでに敏感になり過ぎた私の一部分を、これでもかとしつこく愛でてくる。   
 一心不乱に舐め続ける彼女を、いつまでもいつまでも見ていたいと心底思った。


「……おいしい?」


 彼女は舐めることをやめないまま


「おいしい……すごくおいしいから、もっと、もっと下さい……」


 と切望した。


 左の胸ばかり延々と舐められ続けて私は壊れそうになっていた。それでも、本当においしそうに嬉しそうに舐めている彼女を見ていると、気が済むまであげたくなってしまう。


 私の体は慣れることを知らず、彼女の行為に快感は増していくばかりだった。
 10分前より5分前の方が、5分前より今の方が感じている。


 私の胸に顔を埋める彼女の後頭部を、何度も何度も愛おしく撫でていた。その時だった……今まで無防備だった右の胸に、突然電撃が走るような感覚を覚えた。


 許され過ぎた彼女は、左の胸を味わい続けながら、勝手に右の胸の先まで指でいじり始めていた。


「あッ!りょ、……両方はだめっ!!」


 持ちこたえられない快感に思わず反抗の言葉を口した。すると、


「中谷さん、何でもくれるって言ったじゃないですか」


 悪びれもしないで彼女は私を責めるように言った。


「それは……そうだけど……」

「ダメですよ、大人なんだからちゃんと約束は守らないと」


 冷たい瞳で睨まれてゾクッとした私のその隙を逃さず、彼女は左胸を舐めていた舌を首元へと移した。
 下から上へと首筋に添って舐め上げられる間も、両方の胸の先の絶妙な指の動きは止まらない。首に感じるのと、胸で感じるのと、別の感覚が同時にぶつかるように襲ってきて、思わず声が出てしまった。


「あぁッ……!!三、三ツ矢さんっ!!」


 声を漏らさないように噛んでいた唇が開くのを見て、彼女は満足そうに笑った。そして、何かのご褒美を与えるように再び優しいキスをくれた。
 ……そう思ったのも束の間、いまだ漏れ続ける声を止めるように、散々私の体を弄んだ舌が強引に入り込んできて口を塞がれた。


 息が出来なくて苦しい……それなのに、まだ指一つ触れられていない下半身は、ラグに染みるほど恥ずかしいくらいに濡れていた。

  
 欲しい……欲しい……
 彼女に自制の鍵を壊された私は、今までで一番純粋に、一番わがままになってしまった。


 おもむろに彼女の右手を取ると、その手をスカート越しに太ももの上に乗せて滑らせ、彼女の目をじっと見つめた。言葉で言わなくても伝わる確信があった。


 すると、それまで意気揚々と好き勝手に動いていた彼女の手は電源が切れたように意思を無くし、私の意のままに動かされる物のようになった。


 私はそれでも構わずに続けた。重くなった
彼女の手をスカートの裾まで下ろした後、今度は上ではなく中へと導いた。


 彼女の目に動揺が走る。そしてその指先が私の下着に触れる直前、彼女は瞬時に指を折り曲げてそれを避けた。


「……ここは触りたくない?」

「………そうゆうわけじゃないんですけど……」


 あんなにも強気だった彼女が弱々しくなっている。私は体勢を変えて、煮え切らない彼女を押し倒した。


「分かった。我慢するから、その代わり私にさせて」

「えっ……?」


 突然仰向けにされ動揺したままの彼女を放って、私は下へと降りていった。しっかりとした作りの革ベルトに手をかけ、急いでそれを外す。あっとゆう間に制服のズボンを下ろされたことに呆気に取られた彼女は、


「待っ、待ってくださいっ!中谷さんっ!」


 と、いつになく慌てて私を止めようとした。だけど、その時にはもう遅かった。起こしかけていた彼女の体は再びラグの上に倒れた。私が下着の間から指を侵入させて、小さな突起をいじったからだ。


 彼女は予期していなかった快感に息を止めて抗っている。指にまとわりつく温かいぬるぬるをゆっくりかき回しながら


「三ツ矢さんがしてた方なのに、どうしてこんなに濡れてるの?」


 と彼女に尋ねた。そこはもう水の中みたいで、指が溺れてしまいそうなほどだった。


 私の問いにぎゅっと目をつぶり、顔を背けてやり過ごそうとしている卑怯な彼女を見ていると、乱暴をしたくてたまらない狂暴な気持ちがじわじわと生まれてきた。


「私のことを責めながらこんなに感じてくれてたんだ……うれしいな……」


 口元を甲で抑え耐える素振りを見せながら、彼女は私の与える快感を堪能せずにはいられない様子だった。
 そんな気なんてないのなら、私のことなんて簡単に押しのけられるはず。
 それなのに彼女は、体の力を抜き私の指の動きに合わせて腰を浮かせ、より気持ちよくなろうとしている。


 しばらくいろんないじり方をしてみると、彼女が一番反応する場所と触り方が分かった。


 ぷっくりと立った部分を指が当たるか当たらないかくらいの優しさで、速くこすってあげる。そうすると、あんなに恥ずかしがっていた彼女は部屋に響くほどの大きな声を出して感じてくれた。
 その声が可愛くて何度も何度も繰り返す。


「もう……だめです……それ続けられたら私……」

「まだもう少しだけ大丈夫だよ」


 やめたくない私は自分よがりに彼女の言葉を遮った。私がいじっていたところがさらに固く大きくなっている。


 もっともっと感じて壊れる姿を見たくて、彼女が反抗する力を失っているうちにと、ついに下着まで下ろした。


「中谷さんっ!」


 現れた茂みに鼻先を当てると、封印されていた彼女の匂いが私の中に入り込んだ。
 その香りに一気に興奮が上昇する。


「な……中谷さん!私、今日一日走り回って仕事してたんです! 汗もいっぱいかいたし、 だから!それだけは絶対にだめです!!」


 彼女は脱力しきった体をなんとか起こして、今日一番の抵抗を見せた。


 でも不憫なことに、抵抗されればされるほど、私はそんな彼女からあの声を出させたくなる。


「そうなんだね……じゃあすごくおいしそう……」

「な……なに言ってるんですか?!」


 彼女の青ざめた顔がさらに私を高揚させてしまった。本当においしそうなその部分を指で開いた時、彼女の必死な抵抗の言葉はもう私の耳には入ってこなくなっていた。


「あ……」


 目の前で甘そうな蜜がゆっくり垂れていくのが見えた。


 その大切な蜜がこぼれ落ちてしまう前に、私は舌を差し出した……





















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