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第16章 そして、パーティーが始まる
324★おバカな子は何度言っても理解しません…後編
しおりを挟むそれでも、聖女であるエリカをアルファードの婚約者として認めたく無いので、キャサリンはエリカの名前を口にしない。
聖女様というコトにしている。
それは、エリカの容姿が、キャサリンにとって不細工としか思えなかったから………。
それでも、何かと美味しいものを色々と送ってくれるエリカを嫌いではなかった。
でも、アルファードの隣りに立つ者として認められなかった。
また、母からエリカをアルファード達が溺愛しているトコも聞いていたので、保身の為にもエリカの悪口を一切口にしていなかった。
ついでに、自分の取り巻き達にも、エリカの悪口を言わないように命令していたのだった。
その命令に、取り巻き達は素直に従っていたりする。
キャサリンは、カリスマ性のあるアルファード達の妹だったというコトである。
そんなキャサリンの目の前で、サンディーヌが自分なりに兄が帰ってくる方法を考えて口にする。
「だったら
ロマーナ王国の騎士達に
送ってもらえば良いのじゃ…
お祖母様の祖国なのだから………」
その答えに、キャサリンはとても可哀想な子を見るような表情でサンディーヌを見てから、かなり面倒くさそうに説明する。
「アンタって、何考えているの?
いくらお祖母様の祖国だって
そんなに大勢の騎士を
貸してくれるはず無いでしょ
もし、ロマーナ王国の王が
帝国に帰る護衛の騎士を
貸してくれるってなったら
それは、帝国が借りを
作ったコトになるの
その借りを返せって言われたら
どんな無理難題を言われるか
わからないのよ」
せっかく自分で考えて口にした答えにダメだしされたサンディーヌは、堂々巡りの言葉を口にする。
「だったら、借りを作らぬように
直ぐに迎え………」
サンディーヌが皇帝の思惑を全く理解出来ていないので、不安そうでムスっした顔をしていた。
そして、ブランジェも同じような表情をしているのを見て、キャサリンは嫌そう吐き捨てるように言う。
「何度、言えば
理解するのかしらね
グリフォンは
聖女様の守護獣だって………」
自分が散々不細工と馬鹿にした聖女エリカに頼む以外に、兄をロマーナ王国から連れて帰る手段が無いコトを、そこでやっとサンディーヌは認める。
その為に、何も言えなくなり唇を無意識で噛み締めるのだった。
「くっ………」
その姿を見てキャサリンは、勝ち誇ったようにあでやかな笑顔を見せて言う。
「くすくす………
これでわかったでしょ
聖女様と懇意にしている
お兄様が皇太子だって………
塩ババアのアンジェロは問題外
アンタの兄も問題外よ
ついでに、ブランジェ
アンタの2人の兄も問題外ね」
「………」
「これからは、口を慎むのね
私の母上が皇妃になるのよ
そして
私のアルファード兄上が
皇太子よ
皇女としての地位は
私が一番上よ
アンタ達は、皇女から降嫁したら
皇族扱いされないわよ」
「なんですって、アンタだって
伯爵家に降下するのに………」
「いやぁ~ねぇ~………
カンパネラ伯爵の長男は
聖女様の守護騎士
次男と三男は、魔法騎士団の
騎士兼グリフォン騎士団の騎士よ
ちなみに、跡取りの三男が
私の婚約者よ
それと全員、元は
近衛騎士だったのよ
その辺りは覚えているでしょ」
「姫様、こちらの皇女殿下達は
カンパネラ伯爵家の兄弟に何かと
我儘を行っておりましたわ…きっと………」
「姫様、きっと
姫様の婚約者が実力のある騎士で
伯爵家も裕福で
どの方も美形なコトが
気に入らないんでしょう」
「それに
聖女様の守護騎士になるんでしたら
伯爵家がもう一つ爵位を上げる
可能性もありますわ」
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