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第16章 そして、パーティーが始まる

325★夢か現実か……で、現実感を実感です

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 3人の皇女と、その取り巻き達のケンカごしの会話は、エリカ達の耳にも聞こえてきた。
 勿論、その前の貴族令嬢達の嫌がらせに満ちた会話も………。
 それに対して、エリカが言った感想は、誰もが予想する遥か彼方の言葉だった。

 「あらやだ、懐かしい言葉の
  オンパレードねぇ~………」

 そののほほんとした言いかたに、周りに居た聖女候補の少女達を呆れさせる。

 「エリカちゃん
  あんなに酷いコト言われたのに
  怒らないの?」

 「って言うか…エリカちゃんは
  不細工じゃないよ

  可愛いよぉ~……
  あんな女達よりさ」

 「うんうん……だよねぇ~…
  団長様がカッコイイから

  羨ましくて、エリカちゃんを
  不細工だって言っているのよ

  エリカちゃんは、可愛いのに」

 色々と優しい言葉を口にする美少女達にエリカは、にっこり笑ってあさっての答えを言う。

 「ううん…私が不細工なの
  確かだもの

  でも、アルの妹姫が
  そのコトをね

  一切口にしないコトに
  驚いたわ」

 その言葉に、美少女達は、皇女や貴族令嬢達の会話に耳を澄ます。

 「そうね…エリカちゃんを
  聖女様って
  何度も言っていたよね」

 「ユーチューブのコトメには
  なりそうにないよね
  ねっエリカちゃん」

 エリカとアルファードが恋人同士だと知っている美少女達は、キャサリンの発言に対して、色々と思っているコトを口にする。
 それに対して、別の美少女達が、エリカの容姿を可愛いと口々に言いだす。

 「いやぁ~だ…
  なに妙にリアルなコト
  言っているのぉ~

  今は、エリカちゃんが
  可愛いって話でしょ」

 「えっとぉ~……
  エリカちゃんのコト
  私は可愛いと思ってるよ」

 「あっ私も、私も
  エリカちゃんが
  美味しいモノを食べて

  にっこりしているのって
  癒されるもの」

 「うんうん私もぉ~」

 「エリカちゃんの笑顔って
  最高よ」

 自分の容姿を、口々に可愛いと言い出す美少女達に、エリカは苦笑する。
 エリカは、自分のコトをデブス…いやいや、モブのぽっちゃりと思っているので、何を言われても気にならなかった。

 今までも、散々言われていたので聞き飽きているとも言う。

 どちらかというと、アルファードやオスカー達が、自分をとにかく可愛いお姫様扱いをしてくれるコトに、実はちょっと苦悩する時もあったので………かえって、悪意ある言葉を聞いてほっとしていた。

 ここって、無料小説サイトにある女の子だけ美醜逆転の世界では無いとわかって、ほっとしているエリカだったりする。

 綺麗な騎士様達に、傅かれちやほやされているのは夢なのかも知れないと疑っていたのだ。
 特に、エリカを溺愛するアルファードは、乙女ゲームのまさに攻略者の皇子様そのものだったから………。

 だから、エリカは、この世界が本当の意味で現実だと思えるので、この悪意に溢れた言葉を楽しんでいたりする。

 「くすくす…みんな
  あの程度の言葉なんて

  日常茶飯事だったよ

  かえって、ひねりが無くて
  つまらないわよね

  って思うほどには
  慣れているから
  気にしないで」

 「えっ…だって
  私は可愛いと思っているよ」

 「うん」

 父や兄達と暮らし始めてから、友達がいなかったエリカは美少女達の言葉に実は感動していた。
 私の為に、慰めの言葉やアルの妹さんの会話にも気を配ってくれる優しい美少女達に出会えたコトをエリカは、こころから嬉しいと思っていたりする。

 アルファードやオスカー、マクルーファ達は、エリカとって胃袋を掴んで無理やり好意を持たせた相手のようなものと思っていたから………完全に人間不信で自己評価の低いもう1人のエリカと、何時もこころの中で一緒だったから………。

 これは、エリカのこころの中に、ちょっことある闇の部分である。

 原因は母親と姉と周りのこころ無い人々の悪意の籠った言葉を聞き続けて出来た暗い闇………。
 それが、ほとんど表面に出て来ないのは、以前は、曾祖父と曾祖母がエリカを溺愛していたし、今は父と兄が………現在はアルファード達がエリカを溺愛しているから………。
 エリカの闇は、エリカを溺愛している者達の言葉で、こころの奥底に封印されている。
 それに、きらきらした鎖を改めて巻き付けてくれたのは、聖女候補の美少女達だった。
 








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