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第16章 そして、パーティーが始まる
333★これは決定事項です
しおりを挟むアルファードの提案に、その場に居た者達はこくこくと、嬉しそうに頷いた。
アルファードは、エスメラルダの性格や資質が一国の王妃としてやっていけるかどうかは、ぎりぎりだと評価している。
が、故国サラディール王国の力(岩塩)をもとに、我儘放題にしていた、今は亡き公妃(サラディール王国出身)がいたドラバニア公国(ほぼ属国状態)なら、多少の我儘ならどうというコトも無いだろうと思っていた。
そして、ドラバニア公国の公妃という立場は、エスメラルダのプライドが傷つかない立場でもあったので、自分から問題を起こしたりしないとも思ったのだ。
また、大嫌いな元皇妃リリアーナと違い、きちんと嫁ぎ先を用意されたのだからと、エスメラルダは納得するはずだった。
また、既に元が付くコトが決まった、元皇妃リリアーナの祖国サラディール王国に嫌がらせをするのも確実なので、ドラゴニア帝国としては直接、手を出さないで済むからだ。
ようするに、代理戦争をさせても良いと思ってもいた。
そして、その考えはその場に居た全員の考えでもあった。
これによって、皇帝アルフレッドの7人いた妃達は、それぞれの立場やおこないに相応しい地位に置かれるコトになった。
皇帝アルフレッドは、その場にいた者達に冷酷に嗤って言う。
「半刻もしたなら
キャロラインを除いた
元妃達が来るだろう」
「父上、母上は
今日のパーティーに
参加しないのですか?」
首を傾げながら質問するアルファードに、アルフレッドは人の悪い顔でにっこり笑って答える。
「全ての妃達が揃ったら
私がキャロラインを
連れて(=唯一の妃)来る
そして、その時から
キャロラインが
私の皇妃になる」
皇帝の言葉に、アルファードはにっこり笑って言う。
「正式な発表を
今日するのですね」
西の妃キャロラインを愛しているのに、皇妃リリアーナの手前、他の側妃と同等の扱いしかできなかった皇帝アルフレッドが、アルファードに向かって嬉しそうに笑って宣言する。
「既に、皇女達の婚約は
滞り無く済んでいる
ついでに
皇妃リリアーナとの離婚と
皇太子アンジェロの廃嫡も
発表する」
母が皇妃として正式に発表されるなら、自分も皇太子として発表されるのでは………。
それは、エリカの手前ちょっといやかなり困ると、アルファードはあせって言う。
「父上、私は………」
普段は、冷静沈着な魔法騎士団の団長として全ての騎士達の長として君臨しているアルファードが、年相応な顔であせる姿に皇帝アルフレッドは目を細める。
「アルファード
お前を皇太子とするという話は
全ての聖女候補が守護獣を得て
聖女になってから発表する
それまでは、のんびりしておれ
そして、聖女殿と
もっと親密になるが良い」
エリカとの恋愛を、楽しみもっと仲良くなれ、と言う父アルフレッドにアルファードは、にっこり笑って礼を言う。
「ありがとうございます」
最愛の女キャロラインが生んだアルファードに、やさしく話していたアルフレッドは、打ち合わせた手順通りに全てを行うようにと指示を、弟であるルーセア大公アスランに命じる。
「アスラン、全てはお前に任せる」
「はっ」
アルフレッドの命令に、騎士の礼をとったアスランが短く答える。
そして、皇族の証である紺色のマントを翻し、アスランは後宮へと去って行った。
全ての妃達を連れて来るために………。
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