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第16章 そして、パーティーが始まる
342★【子宝結晶石】になんて興味ない
しおりを挟むその言葉に続けて、宰相ザイトリッツにマクルーファが尋ねる。
「それは、現在どこにあるんですか?」
宰相ザイトリッツは、感情を見せずに淡々と事実を言う。
「サラディール王国に
魔術師エルダールが
持って帰ったそうだ
皇妃は、皇女も皇子も生んだから
もう必要無いと言ったそうだ」
それに、キデオンが、はっきりと酷いコトを言う。
「塩ババアが馬鹿で本当に良かったですね」
その魔力中和の宝玉【子宝結晶石】を使って、皇帝の色を持った子を、なんとしても産もうと、父上に強請られなくて助かった………と、言外に言う。
下手をしたら、皇帝が無理をさせられすぎて、その命を失っていた可能性だとてあるのだから………。
「「「「「………」」」」」
キデオンの発言に、賛成というように、無言で頷く者達がかなりいたりする。
その様子を見て、宰相ザイトリッツは、皇妃の守護騎士長ピョートルから聞いていたコトを補足説明として言う。
「いや、【子宝結晶石】を
一定期間以上使い続けると
母体や子供に障害が出るそうだ
その結果が、病弱な子供時代を
過ごした原因らしい
それと、あの覇気の無い性格も………
ついでに皇太子の魔力量が
皇族としてぎりぎりなのは
【子宝結晶石】を使い
作った子供だかららしい
どうやら【子宝結晶石】を
使って子供を作ると
最大の魔力量は、陛下と皇妃の
魔力量を足して2で割った
魔力量だそうです
それでいくと、廃皇太子アンジェロは
最大の魔力量を受け継いだと言えるでしょう
皇女リリアンが、皇族としての
魔力量を持っていなかったコトは
公然の秘密となっていましたからね」
宰相ザイトリッツの説明に、レギオンが吐き捨てるように言う。
アルファードと常に行動を共にしているので、皇妃リリアーナや皇女リリアナには、色々とむかつくコトをされたので、2人を嫌いぬいていたから………。
「皇女は、魔力量も無いし
我らと同程度の寿命も無い
それ故にサラディール王国に
返品したのだろうよ
あの国の人間として生きて
一緒に老いて行くのだから………
塩ババアもさっさと逝ってくれるだろう」
レギオンの言葉に苦笑しながら、宰相ザイトリッツは、人の悪い笑顔で爽やかに言う。
「皇太子は【子宝結晶石】の
副作用が酷いから
子供が出来る確立は
ほとんど無いに等しいらしいのです」
それに対して、マクルーファが尋ねる。
「では、皇女はどうなのですか?」
宰相ザイトリッツは、ちょっと残念そうな顔でそれに応える。
「ほとんど問題は無いらしいが
皇女の魔力量の半分と
相手の男の魔力量の半分を
足したよりちょっと多いか?
程度の魔力量になるらしい
それでも、サラディール王国の者達より
かなり多い魔力量になるそうです」
宰相ザイトリッツの説明に、アルファードはさらりと言う。
アルファードは、魔力量の釣り合うエリカと結婚する予定なので、【子宝結晶石】にまったく興味がなかったから………。
「そうか【子宝結晶石】とは
あまり役に立たないものなのだな」
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