私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第4章 魔法騎士団の団長のもとへ

021★魔法騎士団の団長はどこでしょう?1

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 だから、恵里花は困っているのは瘴気の方よねと言う意味を言外に込めて、確認するように言う。

 「そう…そんなに…瘴気が酷い状態で…
 浄化を必要としているんですね

 そう言えば…あの場所には…
 各騎士団の団長様が居たのでしょうか?」

 恵里花の問い掛けに、丁寧に答えるようにと、マイケルに対して、視線でオスカー副団長が命令する。
 その視線の強さに内心でひびりながら、マイケルは思考する。

 〔オスカー副団長酷いですぅ~…
 俺は…隊長になったばかりの
 ペーペーなんですよぉ~………

 いくら、あの慈愛の聖女の子孫の
 血を引くって言っても………

 なんで…こんな運の無い
 勤務になってるんでしょうか?

 我が祖先の聖女様……
 哀れな末裔に愛の手を……〕

 何度も、各騎士団の正式名称を口にするのは面倒臭いと思いながら、丁寧に詳しくと心の中で呪文のように唱えながら、マイケルは説明する。

 「近衛騎士団と帝都騎士団と魔法師団と
 神聖魔法師団の団長と隊長達が
 数名づつ居ました

 東域騎士団と西域騎士団と南域騎士団と
 北域騎士団と中央騎士団は副団長と
 隊長達が数名づつ居ました

 魔法騎士団は、ここにおります
 副団長のオスカー殿と隊長が
 数名おりました」

 マイケルの説明に恵里花は首を傾げる。

 「んっ? あれ?
 王城内に本部がある騎士団は隊長が
 参加するのではないでしょうか?

 何かあったんですか?」

 恵里花の鋭い質問に、マイケルはどう答えたら良いか?と視線をオスカー副団長に向ける。
 視線を向けられたオスカー副団長は、内心で色々と思考する。

 〔団長からは…………
 未だに魔物討伐完了の連絡が無い

 偶(たま)に連絡するのを面倒くさいと
 サボるコトは有ったが………

 聖女《召還》が、何時されるか
 判らない状況になってからは………

 定時連絡までするようになったのに……
 かなり不味い状況になっているのでは………

 団長のテンションが上がるように………
 今すぐにだって………

 団長の好み(姿)と理想(性格)を
 体現した姫君を連れて行きたい…

 心優しい姫君を守る為にも………〕

 オスカー副団長は、恵里花を聖女として、自分の主と定めた団長の下へ連れて行こうと決心していた。
 そう、既にこの時点で、オスカー副団長及び、神官や魔法使い、騎士達にとって、恵里花は聖女候補ではなく、聖女だった。
 そう認識されていると知らないのは、本人だけである。

 そして、オスカー副団長は、目的を果たす為に、人の命は何者にも勝るという主義を持つ恵里花を煽るコトにした。
 オスカー副団長は、嘘は言っていないが、真実を告げてもいないという高等技術を駆使するのだった。

 「姫君、魔法騎士団の団長は
 中央騎士団の要請により

 魔物討伐に出撃したまま
 定時連絡も無く………

 我々も、今どのような状況なのか
 はっきり言ってわかっておりません

 ただ、団長の《魔力》も側近達の《魔力》も
 途切れずに戦っているのは

 サーチの得意な魔法師団の者達が
 確認しているという状態です

 私としては、1分隊を連れて
 確認と応援に行きたいと思っています

 出来れば、姫君の協力を仰ぎたいと
 思っております」

 オスカー副団長の沈痛な表情と説明で、恵里花は、魔法騎士団の騎士達と・それを率いる団長が、かなり不味い状況にあることを理解した。
 そして、恵里花は黙って考え込む。

 〔超エリート集団の団長様って
 どんな人なんだろう?

 なんかすごぉーく気になるなぁ~……

 ここにいる甲冑を着た集団の騎士様達って
 容姿も入団基準なの?って思う程
 整った容姿しているから………

 眼の保養って感じだしねぇ~………

 じゃない、現実逃避してどうするの恵里花

 最強の武闘集団である魔法騎士団が
 不味い状況にあるってコトは………

 この国の最終防衛ラインが
 機能不全になる可能性が有るって
 コトでしょう………

 はっ…あれ? もしかしなくても………
 聖女候補の《召還》で、援軍というか
 補給? 交代? 用の余裕の人員が
 ここに留め置かれているってコトよね

 それに、王城や帝都、もしかしたら……
 国自体の《結界》にあちらこちらに穴が

 あの・超常現象のシンクホールのように
 開いている可能性も有るしねぇ~……

 ってコトは、魔法師団と神聖魔法師団は
 《結界》の補修、または、張り直しに
 駆り出しされるはず………

 魔法騎士団への援護は無いに等しくなるわ
 ここは、最初から数に入っていない恵里花が
 オスカーさんの言う通り、援護に行く方が
 イイわねぇ……

 一応《召還》されたことによる
 チート能力が有るみたいだし……

 食料の補給も、私の荷物の中身を
 使えばイイんだし………

 良し…団長様に会いに行きましょう……
 って、ことでオスカーさんと相談ね〕

 熟考した恵里花は、決意を込めた視線で、オスカー副団長を真っ直ぐに見る。

 「それじゃ、私の持ってきた食料を持って
 騎馬で、団長さん達の応援に行きましょう」

 それは、もしもし、相談はどこに行った?……と、いうような堅い決意で………宣言したのだった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

なんとか、今日じゅうに団長さんと合流できそうです。
魔法騎士団の団長が、どんなタイプか想像してみて下さい(笑)

気が付けば、お気に入りが400人を突破しておりました。
とても、嬉しいです。
読んでいただき、ありがとうございます。

第10回恋愛小説大賞に参加中です。
 もし、よろしければ、投票よろしくお願いします。

お気に入り、500人を超えたら恵里花のパパとお兄ちゃんのエピソードを、閑話として載せたいと思っております。






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