私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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閑話

 ◆エリカのお願いは叶えられるか5◆

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 エリカの素朴な質問に、アルファードは答えて良いモノかと思い、オスカーへと視線を向ける。
 視線を受けたオスカーは、良いと思いますよと頷く。
 それを確認したアルファードは、エリカに答える。

 「俺の下には、9人の弟がいる
 それに、姉が1人と妹が4人だ」

 〔へぇ~……アル込みで15人も居るんだ
 少子かの日本じゃ考えられないわ……
 うん? あれ? 名前の音………〕

 「あれ? アルの弟なのに
 ギデオンさんとレギオンさんは
 名前にアが付かないのはどうしてなの?

 今言った名前に、アの字付きいるのに?
 なんで?」

 エリカの疑問に、ギデオンが苦笑しながら答える。

 「俺達には、皇位継承権が無いからです
 継承権は男子のみで、8人までなんです

 それに、この瞳と髪の色じゃ
 意味無しですからね」

 〔ふ~ん…8人も継承者必要なんだ
 皇太子の予備に、1人じゃ足りないんだ

 そういえば、こっちの異世界には
 魔物なんてモノのが存在していて
 討伐が必要だし…………

 瘴気なんてモノも湧くから………
 命を落とす人が多いのかな?
 なんか、イヤだなぁ……

 頑張って、エリカは聖女になろう
 性女(娼婦)になるのはイヤだし

 なにより、アル達の手助けしたい
 エリカがここ(魔法騎士団)に
 居て良いって確証も欲しいし………

 他の聖女候補の6人とも仲良くして
 学校に行って、いっぱい色々と習うんだ〕

 エリカがそんなコトを考えているなど知らないアルファードは、うなだれる弟達、ギデオンとレギオンに、長男として優しい言葉を掛けていた。

 「そんなことは関係ない
 皇家の色をまとっているのは
 俺と父上だけだ、気にするな

 それに色をまとっていなくても
 皇太子になっている者もいるからな」

 サラリと重要なコトを言うアルファードに、エリカはもっとも重要?なことを聞く。

 「そう言えば、アルのお父さんって
 皇帝?ってことでイイのよね
 もしかして、何人もお妃様が居るの?」

 自分の地位がエリカに判ってしまったなぁ…と思いながら、アルファードは父親のことを突っ込まれないのをイイことに、ソコをスルーして答える。

 「正妃とか皇妃とか呼ばれる正室が1人
 側妃とか側室とか姫君と呼ばれる者達が4人
 妾妃と呼ばれる者が2人の合計7人だ」

 〔うわぁ~…ここでも7の字が付いてまわる…
 そっか、奥さん7人も居るんだ………
 なんか、大変そう

 パパなんて、ママひとりでも辟易していたのに
 やっぱり、皇帝の義務ってヤツかな?
 なんか凄く可哀想かも………

 まっ…アルやギデオンさんにレギオンさんの
 容姿を見れば、美丈夫だろうことは判るし
 一夫多妻が当たり前な世界みたいだから……
 押し切られたのかな?〕

 そんなコトを考えているなどチラリととも見せず、エリカは単純に思ったコトを口にする。

 「随分と多い感じがする」

 そのエリカの言葉に、アルファードは首を振る。

 「仕方が無いんだ
 祖父が亡くなった時、皇妃のみで
 子供は、男児2人と女児1人だったんだ

 皇家が途絶える寸前だったから……
 父上は、頑張ったんだ

 そのかいあって
 15人の子供が生まれた

 男児は10人だ

 だから、叔父上には含むところが
 あるって感じかな」

 〔叔父って聞こえたから、皇帝の弟よね
 アルがそんなこと言うなんて
 何か有るのかな?〕

 「含むところって、聞いても良いの?」

 「今は、言えない」

 「ん、判った聞かない」

 アルファードの表情によぎったモノを感じたエリカは、あっさりと追求しないことを口にする。
 そのエリカの引き際の良さに、オスカーが不思議そうに聞く。

 「良いんですか姫君?」

 聞かれたエリカは、ちょっと肩を竦めて言う。

 「アルが今は言えないって言うんなら
 ソレは、きっと、聖女に関する
 何か不味いコトなんでしょう?

 だったら、私にとっても
 今は必要ない情報になるからいいの……」

 まだ、もう少し皇家について聞いて欲しいんですけどねぇ…と思ったオスカーは、とりあえずの予備知識として言う。

 「団長は、言いませんでしたが
 先帝は、50才ならずに崩御しました

 子供は、現陛下と、他国に嫁いだ姫と
 現大公です」

 オスカーが事実として淡々と言うのて、その異常さが強調される。

 「えっ…たったそれだけ?
 皇家として不味いんじゃないの?
 それじゃ、途絶える寸前でしょう?」

 びっくりしたエリカの発言に、アルファード苦い表情で言う。

 「だから、7人の妃ってことだ」

 そんなアルファードの言葉に、エリカは改めて聞く。

 「アルの同母の弟って何人なの?」

 エリカの質問に、アルファードは淡々と答える。

 「同母は、妹と弟が1人づつだ
 ギデオンとレギオンは
 妾妃の2人が産んだ弟だ」

 そう言われて、成長や容姿が違うのは、母親違いだからかぁ…と、エリカは納得する。

 「仲が良いんだねぇ…ってコトは
 兄弟全員が仲が良いのかな………」

 エリカの言葉に、アルファードは少し含みのある口調で応える。

 「ああ…まぁ大体は、俺に逆らったりしない」

 〔あっ…そうだ…お父さんが皇帝なら……
 長子のアルが後継者なのかな?
 できれば、違う人…弟さんだったら良いなぁ…


 アルが、時期皇帝……皇太子だったら……
 一緒に居られる時間が、確実に
 他の聖女候補より少なくなりそうだもん

 きちんと、ズバリを聞いておかないとね〕

 「皇太子って、アルなの?」

 「いや、俺は、皇位継承権は3位だから」

 「そうなの?」

 〔3番目かぁ………あっ…でも…さっき
 皇家の色まとっているのって皇帝と……
 アルだけって言ってなかったっけ?

 うわぁ~…なんか、ドロドロありそう
 兄弟がソレを望まなくても………

 皇帝の奥さん達はモメてるよね…きっと
 ママに絡まれるパパの7倍…可哀想かも〕

 「まっ…現在の団長の立場は……
 今だけでも自由に生きて良いっていう
 陛下の親心に胡坐をかいているだけですよ…」

 言わなくて良いことをと思いながら、アルファードはさらりと言う。

 「皇妃の子が継ぐのが普通だろう」

 現皇帝の子の中で、皇家の色をまとって生まれたのが、唯一自分だけと判っていても、悪あがきだと思いつつ、アルファードはついつい言ってしまう。
 オスカーに口で勝てるはずが無いというコトも判っているが…………。
 案の定、オスカーは呆れ口調で言う。
 そう、現皇太子なんて認めていないという口調で…………。

 「金茶の髪に茶色の瞳の皇帝なんて
 存在したコトが、今までに一度も
 有りませんでしたよ
 人生、諦めが肝心ですよ…団長」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
結局、終わらなかった(涙)
もう1話追加です。

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