私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第8章 エリカは聖女候補達と一緒に学校に通いたい

100★異世界でも、イジメはありそうです

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 だんだんと室内の雰囲気が重くなり、息苦しさを感じ始めたエリカは、なんとなくピンっとくるモノを感じて、オスカーとその直ぐ側にいるマクルーファの2人をジト目で見て言う。

 「オスカーさん、マクルーファさん
 正直に言って下さいね」

 唐突なエリカの言葉に、2人以外の騎士達と6人の聖女候補達はぎょっとする。
 が、言われた当の2人、特にやオスカーはシレッとしている。

 「なにがですか? 姫君」

 オスカーの言葉に、エリカは言う。

 「アルをイジメたでしょう」

 端的に言われて、オスカーはそ知らぬ顔で首を傾げるが、イジメとは思わないが、面倒ごと(パーティーの出席)をサボった自覚のあるマクルーファはちょっと微妙な表情をするが、言い訳を口にする。

 「姫君、私はイジメなんてしてません
 それに、アルファード様は団長ですよ
 私は、副団長ですから………」

 そういうマクルーファの言葉で、エリカはなるほどという表情をする。

 「そう、ようするに、自分が出なくても
 団長のアルが出ればイイとか言って
 アルだけポイッてしたわけね」

 完全に断定するエリカに、流石のオスカーも苦笑いをする。

 「ちなみに、姫君、どこからソレが出て
 きたんですか?」

 オスカーの質問に、エリカは肩を竦める。

 「アルのお母さんが妹さんの教育失敗した
 って言っていたけど………

 それって一般的な貴族の姫として、普通に
 育てられたんじゃないかと思って………

 なんか、えらい勘違いしてハズレの聖女様の
 置き土産のアレやコレみたいな………

 神官のアルベルトさんも、寵愛の聖女様の
 話しをしている時に、ハズレの聖女様の
 行動について言葉を濁すようなことあったし…

 アルやその弟のバードさんにレギオンさん
 それに、ギデオンさんもすっごい拒絶してた

 ってことは、そんな偏った知識を持った
 ご令嬢方がいる場所に、アルをポイして
 自分達は副団長でお仕事があるから………

 とかをやったって、容易にわかるわよ
 面倒だったとか、アルと意見が衝突したとか
 何度もやって、アルがドツボに入って失敗

 で、いまだに、その後遺症が残ってしまって
 何かの引き金で、迷宮の奥深くまで
 落ち込むってところじゃないかな?

 オスカーさんの言動と、アルの行動や言動を
 よぉーく観察していればわかるわよ」

 エリカの言葉に、鈴蘭が重ねるように言う。

 「言われてみれば、団長さんなのに
 副団長さん達の顔色を窺がうところが
 結構あったかも………」

 「うん、特に、オスカーさんの言動とか
 仕草を気にしていたように見えた」

 他の聖女候補の追随(追撃)に、オスカーは苦笑いを浮かべる。

 「確かに、団長と意見が衝突して
 仕事がはかどらなくて…………

 団長だけ、パーティーに出てもらう
 ようなことはありましたけど………
 イジメる目的はありませんでしたよ」

 シレッとそう言うオスカーに、エリカは溜め息を吐いて言う。

 「それって、イジメをしている側の
 言い分だから、信憑性ないよ

 どうせ、少しパーティーで勘違いな
 姫君達に絡まれて苦労しなさい

 なんて、思ってポイッしたんでしょう
 そういうのって、イジメをする輩は
 敏感に感じ取ってイジメるのよ

 オスカーさんが増長させた結果
 アルはこうなっちゃったんだ」

 自分を抱き締めたまま、深遠に精神を持っていかれているアルファードは、非常に微妙な会話をしていても、浮上することはなかった。

 〔あのシオババアの増長は、私のセイ
 ……と、いうことですか?

 そう言えば、私が忙しくてパーティーに
 出席しない時を狙って、団長に絡んでる
 って、報告をうけていたが………〕

 ちょっと、自分の行動の責任を感じたオスカーは、エリカや他の聖女候補達を見て、少し小首を傾げて沈黙する。

 〔落ち込んだ団長の精神を復活させて
 姫君の希望を叶えるのは………ふむ……

 私達(魔法騎士団)だけが、苦労するのは
 なんか不条理ですから………

 ここは、他の聖女候補達と、各騎士団にも
 同じ苦労をしてもらいましょう

 異世界から《召還》された聖女候補の
 姫君達は、この世界の理も常識も
 歴史も知らないんですから…………

 文字だってわからない可能性があります
 というか、理解(わか)らないでしょう

 だったら、魔法学園で学ぶというのも
 選択肢のひとつですね

 その側に団長が居るなら良いでしょう
 どうせ、他の聖女候補の世話係り達も
 一緒に学園に行かせる予定ですし

 私やマクルーファが付いて行けない時は
 フェリックスとジャスティーに付いて
 行ってもらえば良いでしょう

 これで、姫君の機嫌がとれるなら
 安いモノです〕

 オスカーは、思考をまとめると、エリカと他の聖女候補6人へと視線を向けて、にっこりと笑って言う。

 「姫君達は、やっぱり魔法学園に
 通いたいですか?」

 オスカーの問い掛けに、素直なエリカはその心情のままに頷く。

 「はい、アルと《召還》されたみんなと
 一緒に魔法学校に通いたいです」

 エリカに続いて、6人は声をハモらせて言う。

 「「「「「「はい、私達も魔法学園に
 通いたいです」」」」」」

 オスカーは、そんなエリカを含めた聖女候補達に、にぃ~っこりと笑って言う。

 「良いですよ、皆さんが魔法学園に
 通えるように、各騎士団に通達を
 入れておきましょう

 ただし、入学までに、ある程度の
 こちらの文字の読み書きとか

 簡単なマナーなどを、各騎士団で
 習ってからになりますが………」

 エリカは、それでも許可がもらえて嬉しいので、つい重ねて要求してしまう。

 「オスカーさんやマクルーファさんや
 ギデオンさんやレギオンさんも
 一緒だったらもっと嬉しいな」 

 可愛く無自覚にお強請りするエリカに、オスカーは快諾する。

 「くすくす…良いですよ
 その方が姫君を、守護しやすいですから

 勿論、そちらの聖女候補の姫君達も
 選ばれた守護騎士達を連れてとなりますが
 それで宜しいですか?」






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