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第8章 エリカは聖女候補達と一緒に学校に通いたい
106★塩田の説明は大変です
しおりを挟む輸入している岩塩の代わりになる塩を手に入れる方法を考えていたエリカは、はっとする。
〔あっ…良いこと思いついちゃった……
一応、オスカーさん…アルと一緒に
学校に通うの許してくれたけど
確約してもらってないから……
それに、これ以上その岩塩の為に
アルに不当なことされたくないし〕
「う~ん、もっと簡単に塩を手に入れる
方法を考えて見れば良いのかな?」
そう、小首を傾げて言うエリカの表情と言葉に、何度も何度も皇妃リリアーナからの嫌がらせを受けて、さんざん厭な思いをしてきたアルファードが食い付く。
「エリカ…何か良い考えがあるのか?
あのシオババアの故国の岩塩に
もう頼らなくても良い方法」
アルファードの食い付きに、エリカは悪戯っ子な表情で笑う。
オスカーとしても、皇妃リリアーナのやりたい放題にどうにか対処しなければと思っていたので、もしエリカに良い智慧があるなら聞きたかった。
「もし、それで輸入している岩塩の代わりに
塩が手に入るなら、私は労を惜しみませんよ
岩塩の買取価格もかなり値を吊り上げられて
財政的にも、きつい思いをしているのに……
そんなことお構いなしで散財する皇妃の為の
出費に、財務の者達が泣いていましたからね
シオババアの好き勝手を押さえ込む為の塩が
手に入るなら、どんなことでもしますよ
ええ、聖女候補の姫君達の学校に通う為の
補助からなにから…………
なんなら、ウチ(魔法騎士団)の騎士を
聖女候補の姫君達への貸与もしますよ」
エリカは、オスカーのそのセリフを聞いて、ここまでおっ詰められていたんだと心底思った。
いや、エリカだけじゃ無い。
その部屋に来ていた、聖女候補達全員が思った、そのシオババアと呼ばれる皇妃は、今までどんだけ酷いことしていたんだ?と。
「とりあえず、帝国内に塩水湖があるなら
そこから、まず塩を生成してみない?
大きな魔物が出現しようと、いちいち
討伐しなくても良いと思うの
少し離れたところから、塩水湖の水を
風魔法で空中に吸い上げて……
そう、竜巻で巻き上げるようにして……
塩水を水魔法で集めて水球にするの
それを調理の要領で火と風の魔法を
使って、水分だけを蒸発させれば……
塩だけが残るから……
なるべく魔物は巻き込まないように
そうやって、塩を作ってみない?
もし、まかり間違って魔物を巻き上げて
作っちゃった場合は、魔物も混じるかも
しれないけど、試す価値はあると思うの
それに、この方法だと沢山の良質な栄養を
含んだ塩が1回で取れるんだ
それじゃなかったら、塩田を作る?」
エリカの言葉に、聖女候補達は頷く。
が、塩田という言葉を聞いたことのないアルファードやオスカー達が首を傾げる。
「エリカ、塩田って?」
アルファードの言葉に、エリカはそういう単語が無いことを知る。
「うん、その名の通りのモノよ
ようするに…って、こっちには田んぼって
存在している?」
その言葉に、わりと過去の聖女について博識のオスカーも首を傾げて聞く。
「姫君、すみませんが、田んぼというモノは
過去の聖女様の記録の中に存在していません
それは、どういったモノなんでしょうか?」
そう聞かれた瞬間、聖女候補達は、エリカも含めてハモって言う。
「「「「「「「えっ…もしかして…
お米無いの?」」」」」」」
その事実に、エリカのみならず、聖女候補の6人もびっくりする。
「うわぁ~炊き立てほかほかのごはんも
お握りもないってことぉ~…………」
そうエリカが叫べば子、和食が好きな撫子と牡丹ががっくりとうなだれる。
鈴蘭に百合に桔梗に蘭の4人は、無くても大丈夫…というか、パンがメインの食事が多かったのでそこまで悲愴感は無い。
アルファードは、エリカや撫子や牡丹の様子から、美味しいモノだと認識して聞く。
「なぁ~…そのお米って美味しいのか?
俺も食べてみたいな」
アルファードの言葉に、エリカはハッとする。
〔あっ…アルお米食べてみたいって…って
そう言えば、無洗米の袋を買ったっけ……
スーツケースの中に、確か5㎏が2つに
1kgキロのもち米と500gの古代米が
いや、まって…あれには、バケツ栽培用の
おまけがで付いていたじゃない
小学生の夏休みの課題にってやつで色々と
うふっ……色々な種類の種籾あるんだから
後で栽培してみようかな?
じゃなくて、ここは塩を優先しないとね〕
エリカの沈黙から、お米というモノは無いと判断したアルファードは、オスカーを何とはなしに見てしまう。
視線を向けられたオスカーは、確認の為にエリカに聞く。
「姫君、そのお米というモノと田んぼと塩田
とかいうモノの説明をお願いできますか?」
そう聞かれたエリカは、にっこりと笑って言う。
「ああ、ごめんなさい
ちょっと考え事をしていたから…………
アル、お米ならあるから、後で炊いて
食べさせてあげるね」
「「「「「「えっあるの?」」」」」」
聖女候補達にも、エリカは頷く。
「うん、スーツケースん中に入っているよ
ってことで、お米は後でね
オスカーさんの質問に答えますね
お米とは私達の主食の1つで穀類と
呼ばれるモノです
で、そのお米を育てる場所を、田んぼと
言います、陸稲と呼ばれる畑のモノと
瑞穂と呼ばれる、水を張って作る
水耕栽培のモノがあります
それは、四角、または、長方形に
地面の土を削り取って水を張ります
それと同じように、地面を浅く掘って
海水を入れて自然に水分を蒸発させて
塩を作る方法があるんです
私達は、それを塩田と呼びます
だから、塩水湖から少し離れた場所に
塩水を入れる場所を作って、そこで
塩を作るという方法があります
塩田に必要なモノは、水魔法が使える者と
塩水湖の水を濃縮させる場所と、それを
管理する人手か必要ですけど……
やってみる価値はあると思います」
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