私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第9章 魔法騎士団本部にて

116★何故か、婚活の話しへと流れてしまいました

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 アルファードの言葉に、オスカーはなぜか痛むこめかみをグリグリする。
 そんなオスカーに、エリカは自分が作って座っている温水球クッションを指差しながら言う。

 「オスカーさん、このクッションを使って
 馬車での移動だったら、身体への負担が
 ほぼない状態になれるので、直ぐに
 みんなと一緒に、塩水湖に行けますよね?」

 確認するように言うエリカに、オスカーはちょっと可哀相な子を見る視線で言う。

 「残念ですが、姫君が思っているほどは
 早く行けませんよ」

 オスカーからのセリフに、エリカは小首を傾げる。

 「えっ?」

 〔馬車での移動の衝撃を解消する為の
 温水球クッション作るだけじゃダメなの?〕

 その思いが表情に出ていたので、オスカーは肩を竦めるようにして言う。

 「聖女候補全員の移動なんです
 各騎士団が精鋭の騎士達を出して来ます
 それを、こちらも拒否する気はありません」

 その言葉に、エリカは自分達か身軽に動けないという現実を思い出す。

 〔そうだ、エリカ達は《召還》された
 聖女候補だったっけ……〕

 そんなオスカーの言葉を、マクルーファが補正するように言う。

 「警護とか警備をする都合上
 訓練は必要なんです」

 2人の副団長のセリフに、エリカは納得して聞く。

 「確かに、訓練は必要ですね
 では、オスカーさん、その訓練は
 どのぐらいの期間が掛かりますか?」

 エリカの質問に、オスカーは顎を撫でるようにしながら、少し考えて言う。

 「そうですねぇ…まず、騎士達の選抜と
 騎士団内での訓練をしないとなりません

 それが終了したら、この魔法騎士団本部での
 合同訓練をしませんと…………

 次に聖女候補を担当した騎士団の騎士が
 警護して移動する訓練をします

 私達は、魔物討伐が基本なんです
 人間の警護を専門とするのは
 近衛騎士団だけなんですよ

 帝都騎士団は、帝都の治安維持が専門
 なので、聖女候補の皆さんを警護するには
 ある程度訓練しないといけないんです

 勿論、東域騎士団、西域騎士団、南域騎士団、
 北域騎士団、中央騎士団も魔物討伐が基本です

 その他に街道の巡回、各都市の治安維持の
 手伝いという勤務をこなしていますので

 今回、聖女候補の守護騎士を出すことも
 訓練を担当するのも始めてなんです

 不慣れなことが多いので、皆さんにも
 協力をお願いします

 ということで、最終訓練を合同でします
 その都合上、聖女候補の皆さんも訓練に
 参加してもらいますから…………」

 オスカーのセリフに、牡丹が聖女候補6人組の代表として言う。
 エリカは別格なので…………。

 「確かに、私達の訓練は必要ですね」

 納得し、頷く聖女候補達に、オスカーが続けて言う。

 「ええ、聖女候補の皆さんは
 警護を担当する騎士達全員と会話して
 その日の警護を担当する騎士達が
 誰かを確認する必要もあります

 まぁその前に、守護騎士を決めなければ
 なりませんから…………」

 オスカーの説明にエリカが質問する。

 「オスカーさん、私の守護騎士は
 アルなんですか?」

 エリカの問い掛けに、オスカーは頷いて言う。

 「はい、団長です
 ただし、団長の手が空いて無いときは
 私かマクルーファが担当します

 キデオン様やレギオン様は、他の聖女候補の
 皆さんの守護騎士に成るかもしれませんが」

 エリカとオスカーの会話に出て来た名前に、聖女候補の少女達は、顔を見合わせる。
 鈴蘭が期待を込めた声音で、聖女候補のみんな(エリカを抜いた)に言う。

 「ねぇ~今の名前の人って
 あの2人かな?」

 蘭もちらっと2人を見て頷く。

 「たぶん、そうだよね」

 ユリが嬉しそうに、両手を合わせるようにして言う。

 「それより、エリカちゃんの例でいくと
 ラノベの法則で、初めて優しく自分を
 守ってくれた人と…ってことで
 守護騎士=だんな様かな?」

 その言葉に、撫子が小首を傾げて言う。

 「ってことは、守護騎士を選ぶコトが
 私達の婚活?」

 そう撫子が言えば、桔梗は頬に手をあてて言う。

 「聖女の婚活って、半径何メートルぐらい
 なのかしら?」

 その言葉、牡丹が溜め息混じりに言う。

 「下手したら、1m以内かも」

 不安を滲ませる言葉に、桔梗が言う。

 「そうね、エリカちゃん達を見ていると
 そう思う」

 撫子は困ったような表情で、落ち込む雰囲気をすくうように言う。
 
 「でも、婚活っていうなら……
 メインの他にサブが2人は付くってコトで……
 候補は、3人はいるって思って
 良いんじゃないかな?」

 撫子の言葉に、牡丹が肩を竦めつつ言う。

 「そうなら、少しは気が楽になるね」

 エリカが口を挟めない話題で盛り上がる聖女候補達だった。







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