上 下
33 / 85

033★ある意味で、私が住んでいた世界より進んでいる?

しおりを挟む


 書類はわかるけど、《魔石》って何の為に提出するの?
 これは、ちゃんと聞くしかないわね。

 「あのね《魔石》って、どうして提出するの?」

 どうして坊や状態に突入した私に、ウォルは続けて説明してくれる。

 「魔法で《魔石》中に、今回、帝都に行く人間達の
  《魔力跡》が登録されているんだ

  それを特殊な魔法の掛かった《魔石》で確認すると
  簡単に本人確認が出来る

  2つの《魔石》を全員にかざして確認するから
  不正はできないよ

  帝都から出る時も、その《魔石》で確認するんだよ

  こっちの提出した《魔石跡》の入れてある《魔石》は
  返品してもらうけどね

  これは【エトランジェ】が考えたのを元に
  ウチの祖先が開発した、魔法と方法なんだよ

  こういう便利な知識を与えてくれるから、好まれるんだよ
  《魔力量》の多い子供を産んでくれる他に………」

 うわぁ~い、ラノベあるあるの内政チートもどきですか。
 入国管理局に近いと思ったら、それを元にして開発された方法なんですね。
 個人を特定できる《魔石跡》が、パスポート代わりですね。

 それも、スマホをかざすと航空機のチケットが確認されるって、アレに近いですね。
 滞在先や滞在の目的とか、売買用の荷物は、書類で提出するってコトですね。

 書類を元に確認するのは、荷物だけってコトですかぁ~………。
 《魔石》関係は、魔法使いさん達が確認するって感じかな?

 荷物関係は、商人出身の兵士達が確認するなら早いですよね。
 でも、私は、《魔石》に触っていませんけど? 
 思わずエドに質問しました。

 「アスタール伯爵家の人達も?」

 「お祖父様やお祖母様、俺達は貴族年鑑で確認できるから
  《魔力跡》は提出しない
  これは、《魔力後》を使ってする呪いや索敵への対策でもあるんだ

  貴族年鑑で確認できない者達が《魔石》に
  《魔力跡》を登録するんだ」

 予想の斜め向こう側の答えが返ってきました。
 貴族年鑑って、ラノベあるあるというよりは、悪役令嬢モノのあるあるのアレですよね。

 なんか個人情報を隠すって、個人保護法に近いものを感じます。
 肖像画って?私は肖像画を描いてもらっていないわ。
 それってどういうコトなの?

 「えっ、私の肖像画も貴族年鑑に入っているんですか?」

 「当然だろう…マリエは…こんなに小さくて…華奢なんだよ
  大切に保護しないと…ちょっとした油断で直ぐに弱って死ぬ
  【エトランジェ】なんだよ

  それに誘拐された時の為に、マリエの肖像画はこういう場所に
  提出されているんだ」

 私の質問にウォルが、苦笑しながら説明してくれた。
 それでも、気になる私は問いかける。

 「そうなの………ウォル達もなの?」

 「勿論、貴族年鑑に掲載されているよ
  俺達は、アスタール伯爵家が持っている子爵でもあるからね」

 あれ?って顔で、ウォルが答えてくれる。
 その情報は当たり前過ぎて、私に言うコトを忘れていたコトですね。

 伯爵家筆頭で、公爵家に匹敵するアスタール伯爵家の御曹司が平民扱いになるはず無いわよね。
 それを思いつかなかった私が抜けていんだわ。

 なんかがっくりしちゃうわ。
 ラノベでも悪役令嬢でも、高位貴族は幾つも爵位を持っているって知識があったのに………。









しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ある公爵令嬢の生涯

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:4,987pt お気に入り:16,125

婚約破棄されましたが、幼馴染の彼は諦めませんでした。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,201pt お気に入り:281

婚約破棄って、貴方誰ですか?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:7,233

貴方へ愛を伝え続けてきましたが、もう限界です。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:5,117pt お気に入り:3,807

最初に私を蔑ろにしたのは殿下の方でしょう?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:17,916pt お気に入り:1,963

処理中です...