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0034★嶺鳥《れいちょう》の卵を買いに行こう
しおりを挟む数時間後、ビャクヤは重い溜め息を吐いていた。
何度も何度も 読み返してみたが…………
【転生術】をもちいて誕生した者が
どれくらい 生存したかわからない
そして 誕生に成功した者が
そのあと どうなったか?
どういう生涯を終えたかが無い
やはり この【転生術】は
未完成の術ということか?
だが もはや それを
検証するだけの時間は無い
あとは 私自身が【転生術】を
実行するしかない
転生する為に必要な 新鮮な卵
これは 街中で売っているような
嶺鳥の卵で充分
それと 私を護り育てる
【守護者】となる者を見出さなければ
こちらの方が 探すのは大変だな
まず 嶺鳥の卵を手に入れ
この魔道書に書かれたことを実行しよう
ビャクヤは、禁断のと付く、ずっと持ち歩いていた魔術書と、その家に置いておいた私物を、やはり《小結界》に包み全て灰燼とした。
最後の隠れ家の私物も処分し、自分という痕跡を綺麗に消したビャクヤは、【転生術】に必要な嶺鳥の卵を手に入れるために、街へと出た。
もう、この隠れ家に今生で来ることは無いので、なんの未練もなく後にした。
お陰で、ビャクヤはかなり大きな袋を背負っての行動となった。
そう、自分を護り育てる【守護者】に手渡す為の金貨や銀貨を入れている為に…………。
ちなみに、ぶどう酒は綺麗さっぱりと、ビャクヤ自身で消費し終わっていた。
街へと出たビャクヤは、目的の嶺鳥の卵を探すコトにした。
嶺鳥の卵は、その名の通り、わりと高めの山に生息する鳥の卵だ。
滋養強壮の効果があり、ハンターギルドに属する狩人がよく依頼されるモノなのだ。
さて ここらへんの店にはなさそうだな
ふむ ハンターギルド直属の店にいって
嶺鳥の卵はあるだろか?
そう思いながら、ビャクヤは、この《封印》されし【竜ケ峰】の麓にある竜ケ崎という大きな町のハンターギルドへと向かう。
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