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0173★砂漠の中にある街道を目指そう

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 ホタルの言葉に、神護は頷いてから、改めて山積みされた獲物達を見詰める。

 えぇ~とぉ…見た目が、ウマやシカに近いヤツにイノシシもどきに
 …うわぁぁ~……でっけーウサギ………あんなモンが
 この樹海もどきン中にいたのかよ?

 じゃなくて、どの獲物もとにかく大きいな、つーか…もしかして…
 卵が孵化した時を考えて、大きいのを狙って狩ったのか?

 なんとなくだが、大きいモノを中心に獲ったとわかる獲物の山に、神護は素直に腕輪を外して翳した。
 流石に、1頭ずつ入れる労力を考えると、横着したくなるのは人情である。

 「ホタル…お前も腕輪ン中に戻るか?」

 腕輪を元の位置に戻しながらの問いに、十分に獲物を獲ったホタルは素直に頷く。

 「はい 今日は十分獲れましたので……」

 そう言って、腕の定位置に落ち着いた腕輪に、スゥーと吸い込まれるようにきえるのだった。

 腕輪の中にホタルが入ったのを確認し、神護も眠りに入る為に、膝に乗せている白夜を抱えなおし、リオウに寄りかかるようにして、双眸を閉じた。

 ゆっくりと忍び込むように訪れた睡魔に身を任せ、神護も暫しの休憩をするのだった。

 そして、翌朝、日の出と共に起床した神護は、とても清々しい気持ちで目覚め、ゆっくりと辺りを見回す。


 昨日は、暗かったから、あまりはっきり認識できなかったが
 樹海もどきの稜線は、微妙な具合で日光が入るお陰で
 あっちこっちに、雑草が生えているな

 ゆっくりと確認するようにしながら歩けば、生姜の他にもなにか
 香辛料になりそうなモノがあるかも……………

 などと、神護が思った頃、腕の中の白夜が目を覚ます。
 少しもぞもぞしてから………。

 「おはようございます 父上」

 上機嫌で、にこにこしながらの挨拶に、神護も優しく答える。

 「ああ、おはよう白夜…よく眠れたか?」

 神護からの問い掛けに、すっきりとしている白夜は嬉しそうに頷く。

 「はい とっても気持ち良く眠れました」

 「そうか、良かったな、白夜」

 そう言って頭を撫でてから、神護は言う。

 「昨夜、白夜が眠った後に、ホタルを《召喚》したんだ
  俺達の現在地を確認するためにな………したらよぉ~

  どうやら、俺達は【竜ケ峰りゅうがみね】の裾野にある街と
   真反対の位置に、降りちまったらしいことが判ったんだ」

 神護の説明に、白夜は愛らしく小首を傾げる。

 「真反対ですか」

 「ああ、だから…このまま樹海もどきの稜線を延々と歩いて
  真反対のふもとの街まで行くよりも…………

 砂漠の中にある街道を目指そうと思うんだ、あっち側の街には
 俺達の敵がものすごく居そうだったからな

 ここは、別の離れた街を目指した方が良いと思うんだ」

 「そうですね 私も 【転生】の前に 敵に襲われましたから
  その方が良いです」

 「んじゃ、それで決まりな」

 こうして、今後の行動はあっさりと決まったのだった。






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