異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

文字の大きさ
30 / 140

031★美少女で有ろうと、容赦はありませんでした

しおりを挟む


 私は、内心で盛大に溜め息を吐く。

 チンクシャな私は、女扱いする必要も無いってコトですか?
 やっぱり、私は、巻き込まれの召喚者なんですね………。
 いや、わかってましたけどねぇ……えぇ…わかってましたとも………。

 それでも、ハルト君とジーク君と離れる必要は無いから、良しとしましょう。
 なんと言っても、安全第一ですもんね。
 ついでに、あの美少女達とは別々に生活するんだからって思えば、まっいっか。
 比べられるのわかりきってるモン。

 なんて思ってほっとしていたら、美少女達が、悲痛な表情で神官様に質問していた。

 「「「私達は、どこに住むんですか?」」」

 美少女達の質問に、神官様はさらりと答える。

 「貴女達は、神殿にある聖女専用の棟にて生活(くらし)ていただきます。食事は、朝食と夕食を聖女専用棟で、昼食は神殿内の食堂にて食べていただきます」

 あぁ…私と違って、聖女専用の建物に滞在するんですねぇ~………。
 やっばり美少女は、待遇が良いですねぇ~………。
 静かで穏やかな神官様達との生活と修行ですか?
 食事も静かでしょうねぇ~………。

 聖女専用の浴室もありそうですね。
 私が入る宿舎は、魔法使いの男ばっかりな感じがしますから………。
 トイレも浴室も困ると思います。
 宿舎に行ったら、絶対に確認しなきゃいけませんね。

 その上で私は、脳筋でゴツイ、ムサイ、その上で汗臭い騎士様達と一緒の昼食。
 それと、変人でたぶん異臭有り、汚い格好で、自分の世界に入っていてブツブツと独り言を言うが、無言で暗いとか、突然奇声をあげる魔法使いとの朝食と夕食が………。

 でも、ハルト君とジーク君が一緒だからイイんですけどね………。
 いっそわがままを言って、材料と場所を提供してもらって、自分で作るのもイイかな?
 それを、ハルト君とジーク君と一緒に食べるの………。

 でもって、アルス君やダリューン君を巻き込めば、確実に、自分で作ったごはんを食べられそうな気がします。
 せめて、自分で作った(安全と感じられる)モノが食べたいわ。

 なんて、自分の世界に入っていたら、別の意味(私と違って、一緒に召喚された男達と引き離されているから、何か有った時、相談する相手も助けてと縋る相手も居ない)で切実な美少女達が、神官様に質問していた。

 そうね、少しでもハルト君達と接点を持っていたいよね。
 うんうん、わかるわかるわぁ~………。

 同じ世界の人間で常識が一緒で、色々と出来る頼りになる男達と一緒に居たいよねぇ~。
 でも、正規に召喚された聖女なんですもの。
 豪華で快適な聖女専用の建物内で、大勢の侍女に傅かれる運命なのよ………。

 たとえ、トイレやお風呂で苦労しようと、ハルト君達と一緒にいれる私は、別の意味で運が良かったわねぇ………くすくす。

 「「「一般常識とかの授業は、一緒に受けるんですか?」」」

 美少女達の縋るような視線と声を、神官様は完璧にスルーして微笑む。
 そして、取り付く島も無い言い方で切って捨てる。

 「聖女殿達は、全て神殿にて受講していただきます」

 神官様に突き放されても、ここで、諦めたら終わりだという表情で、アンネローゼさんが質問する。

 あざとくも、瞳に涙を溜めてウルウルさせて、その上で泣きそうなのを堪えています私ってば健気なのって感じを前面に出していたりする。

 この辺は、男を手玉に取ってしまう演技力の賜物でしょうねぇ~………。
 それが、神官様に通じるかは別ですが………。

 「武器の扱いとか乗馬も別なんですか?」

 神官様は、彼女に無駄な希望を与えない方が親切だと思っているのでしょうか?
 またしても、冷たく合理的な答えを口にする。

 「住む場所が違いますので、全て別です」

 神官様は、にべも無い? 取り付く島も無い? と、いう言葉が相応しいぐらい………。
 まさしく、断崖絶壁のような残酷さでもって断言してくれました。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

処理中です...