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031★美少女で有ろうと、容赦はありませんでした
しおりを挟む私は、内心で盛大に溜め息を吐く。
チンクシャな私は、女扱いする必要も無いってコトですか?
やっぱり、私は、巻き込まれの召喚者なんですね………。
いや、わかってましたけどねぇ……えぇ…わかってましたとも………。
それでも、ハルト君とジーク君と離れる必要は無いから、良しとしましょう。
なんと言っても、安全第一ですもんね。
ついでに、あの美少女達とは別々に生活するんだからって思えば、まっいっか。
比べられるのわかりきってるモン。
なんて思ってほっとしていたら、美少女達が、悲痛な表情で神官様に質問していた。
「「「私達は、どこに住むんですか?」」」
美少女達の質問に、神官様はさらりと答える。
「貴女達は、神殿にある聖女専用の棟にて生活(くらし)ていただきます。食事は、朝食と夕食を聖女専用棟で、昼食は神殿内の食堂にて食べていただきます」
あぁ…私と違って、聖女専用の建物に滞在するんですねぇ~………。
やっばり美少女は、待遇が良いですねぇ~………。
静かで穏やかな神官様達との生活と修行ですか?
食事も静かでしょうねぇ~………。
聖女専用の浴室もありそうですね。
私が入る宿舎は、魔法使いの男ばっかりな感じがしますから………。
トイレも浴室も困ると思います。
宿舎に行ったら、絶対に確認しなきゃいけませんね。
その上で私は、脳筋でゴツイ、ムサイ、その上で汗臭い騎士様達と一緒の昼食。
それと、変人でたぶん異臭有り、汚い格好で、自分の世界に入っていてブツブツと独り言を言うが、無言で暗いとか、突然奇声をあげる魔法使いとの朝食と夕食が………。
でも、ハルト君とジーク君が一緒だからイイんですけどね………。
いっそわがままを言って、材料と場所を提供してもらって、自分で作るのもイイかな?
それを、ハルト君とジーク君と一緒に食べるの………。
でもって、アルス君やダリューン君を巻き込めば、確実に、自分で作ったごはんを食べられそうな気がします。
せめて、自分で作った(安全と感じられる)モノが食べたいわ。
なんて、自分の世界に入っていたら、別の意味(私と違って、一緒に召喚された男達と引き離されているから、何か有った時、相談する相手も助けてと縋る相手も居ない)で切実な美少女達が、神官様に質問していた。
そうね、少しでもハルト君達と接点を持っていたいよね。
うんうん、わかるわかるわぁ~………。
同じ世界の人間で常識が一緒で、色々と出来る頼りになる男達と一緒に居たいよねぇ~。
でも、正規に召喚された聖女なんですもの。
豪華で快適な聖女専用の建物内で、大勢の侍女に傅かれる運命なのよ………。
たとえ、トイレやお風呂で苦労しようと、ハルト君達と一緒にいれる私は、別の意味で運が良かったわねぇ………くすくす。
「「「一般常識とかの授業は、一緒に受けるんですか?」」」
美少女達の縋るような視線と声を、神官様は完璧にスルーして微笑む。
そして、取り付く島も無い言い方で切って捨てる。
「聖女殿達は、全て神殿にて受講していただきます」
神官様に突き放されても、ここで、諦めたら終わりだという表情で、アンネローゼさんが質問する。
あざとくも、瞳に涙を溜めてウルウルさせて、その上で泣きそうなのを堪えています私ってば健気なのって感じを前面に出していたりする。
この辺は、男を手玉に取ってしまう演技力の賜物でしょうねぇ~………。
それが、神官様に通じるかは別ですが………。
「武器の扱いとか乗馬も別なんですか?」
神官様は、彼女に無駄な希望を与えない方が親切だと思っているのでしょうか?
またしても、冷たく合理的な答えを口にする。
「住む場所が違いますので、全て別です」
神官様は、にべも無い? 取り付く島も無い? と、いう言葉が相応しいぐらい………。
まさしく、断崖絶壁のような残酷さでもって断言してくれました。
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