異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

文字の大きさ
46 / 140

048★勇者はみぃ~んなフェチだった

しおりを挟む


 どうやら、私は寝落ちしたらしいです。
 気が付いた私は、何故かベッドに寝ていました。

 うっわぁぁぁぁ~………恥ずかしいよぉぉぉぉぉ~………。
 そっと、ベッドに運ぶなんてしないで、その場で叩き起こして欲しかった。
 羞恥心で、軽く2回は死ねると思った私です。

 真っ赤になって悶絶している私に、優しくジーク君が話しかけてくれます。

 「アリアの気配が、なんか薄くなったから、慌てて浴室に入ったら………」

 その時の状況を想像し、一応は確認の為に聞く。

 「私が寝落ちしていたと………」

 と、全然平気な表情で頷いて、どういう状態だったかを教えてくれました。

 「うん、タオルを頭に巻いていたお陰で、辛うじて浴槽の縁に引っかかっていたって状態だったよ」

 はうわぁぁぁ~………めっちゃ恥ずかしいぃぃぃ~………。

 「うっ…溺れる前に助けていただき、アリガトウゴザイマシタ」

 この貧相な身体を見られたかと思うと、恥ずかしくてカタコトの日本語で棒読みしているような御礼になってしまった。

 だっ…だって、恥ずかしいんだもの………。
 みっともない私の裸をお見せして、すみませんでしたって………。
 私は、その場で土下座したいのを、必死で我慢するのが大変だったわ。

 そんな私に、ハルト君達が笑って交互に言う。

 「いやいや、男として、アリアのを見させてもらって、おつりが来たよ」

 ハルト君、その発言は、ちょっと…っていうか………アウトです。

 「そうそう、長い髪を手入れしたいって、長年の思いもかなったしね」

 アルス君ってば、ロングヘアーフェチのヘンタイさんですか?
 長い髪って、そんなにレアじゃないと思うけど?
 いや、確かに、お尻の下よりありますけど………膝裏までは行ってないし………。
 背が低いから、とても長く見えるだけだと思うんだけど………。

 一度は、あのウサギさんツインテールしてみたいな。
 と、思いつつ、恥ずかしくて1度もやったことないけど。
 厨二病全開で、ポーズつけてやってみたいのが本音だけど………じゃない。
 現実逃避しても事態は変わらない、頑張れ私………何も出来ないけど。

 なんて、逃避している間も、ニコニコしながら会話している。

 「ウチの妹達の髪って、肩までしか無いからさ」

 ブルータス、お前もか?って言いたくなりますよ。
 ジーク君って、優しいシスコンもどきに、ロングヘアーフェチも混ざっていたんですね。
 そうですか、私に優しい男って、やっぱり特殊な趣味の人なんですね。

 ここで、責任取ってなんて言ったら…………。
 私の手を握って、『結婚しようね』なんて、言われそう。
 なんか別の意味でも怖くて、何も言えないわ。

 「俺の妹達も肩までだから、手入れするのも簡単でつまんなかったからさ」

 ハルト君、君はやっぱり、ジーク君の親友なんですね。
 特殊な趣味が一緒のある種のオタク仲間ですか?
 って、突っ込みたいけど、怖くて、黙ってしまう、小心者の私です。

 「姉達は、エクステでごまかすから、つまらないって思っていたしね」

 ハルト君とジーク君が、友達だって言っていたのは、特殊な趣味仲間って意味だったんですね。
 私に、優しい男って………。
 それでも、見目麗しいから………耐えるわ。

 「オレの姉貴達も、肩までの長さがあれば色々出来るからって……」

 はいはい、みんなと貴方も親友ですよね………。
 細やかな神経使いの優しいダリューン君も、同じ穴の狢さんでしたか。
 うふふ、異世界に来て、モテ期が来たのかな?
 なんて思っていた私を、殴ってやりたくなったわ。

 なんか予想の斜め上を超えた発言ばかりに、私は口をパクパクさせてしまう。
 勇者様は、全員がロングヘアーフェチだったんですね………。
 私の周りには、特殊な趣味の人しかいないの? なんて思っていたら………。
 そんな私に、彼らはもっと衝撃を与えてくれる。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...