異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

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056★自棄で結婚を口にしたら、エライことになりました6

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 子供は全員育つわけじゃないし、女性は男性よりも死ぬ危険が低い(外で魔物と戦う。国同士の戦争もあるなど)ってわけじゃないのね。
 
 「そっかぁ~子供が生まれても全員が育つわけじゃない。女性が出産で死ぬリスクも高いから……人口はそんなに増えない世界なんだね」

 私がつい思ったコトを口にすると、皮肉屋?のダリューン君がヘロリと言う。
 
 「出産回数を増やす為に、長い寿命なのかもね」

 うっ考えたく無いことを………言い返せないここは、黙っていよう。
 私が、口を噤んだので、苦笑してアルス君が話し出す。
 どうやら、別の話題にしてくれるつもりのようですね。

 「あの食堂で食べているのは、兵士から騎士になった者と騎士爵の子供達だから、一般市民よりは裕福だけどね……って存在なんだ」

 アルス君の説明に、私は首を傾げてしまう。
 勇者と聖女なのに、特別待遇は無しって感じだったけど………。
 本当に、一般市民よりちょいまし程度の扱いだったんですね。

 「えっ? どうして、私達は、そんな場所で食事をさせられるの?」

 私の疑問に、ハルト君とジーク君が答えてくれた。

 「旅先で食べられる食事ってコトらしいよ」

 「街中なら、それなりの宿に泊まれるからって………」

 「でも、これ以上の食事は、貴族の館で提供されるモノになるから、魔物討伐に行く僕らは、粗食に耐える方が、旅を楽に進められるだろうってさ」

 2人の説明に、私は、アレ? って思ってしまう。
 だって、それだとラノベ定番の無限収納庫…インベントリが存在していないってコトよね。
 インベントリがあるなら、美味しい料理を収納して、旅先で食べられるもの。
 だから、私は聞いてみた。

 「ねぇ…もしかして、この世界って、ラノベ定番のインベントリは無いの?」

 私の質問に、アルス君がさっきと同じ表情で言う。

 「今まで、召喚された勇者も聖女も、その設定を知らなかったから、開発も創造も出来ないでしょう。だから、無いんだよ。あっちのラノベには存在があっても、空間属性魔法による収納魔法のインベントリ、水属性魔法による浄化魔法のフレッシュ、クリーンなんてのは、最近出て来た魔法でしょう。だから、こっちにはないようだよ。オレ達の前に召喚されていた人達は、苦労して旅したんだろうね」

 その説明に、私は、思わずコブシを握って宣言する。

 「じゃー何が何でも、ソレ等(インベントリとフレッシュとクリーン)を造るわ。美味しいご飯を食べたいもの」

 私は、旅している間の食事が、硬い干し肉と固いパン、干した果物とナッツとチーズという内容に、嫌気がさして思わず叫んでいた。
 それに、旅で野宿して身体を洗えなかったり、洗濯が出来なくて着たきりスズメになりたくなかったから………。
 それに、そういう魔法が無いなら、作ってしまえば良いと思った。

 ついでに、さっきのプロポーズを無かったコトにして、うやむやにしてしまおうと思ったのだ。
 本当に、4人が私なんかと結婚したい言うのが、信じられなかったから………。
 だか、そんな私の浅はかな考えを、鬼畜な笑顔のダリューン君がさらりと戻してくれる。

 「って、ことで、諦めて、僕らと結婚しようね」

 あうぅぅぅぅ~…うやむやにしたかったのに………私は、思わず唸ってしまう。

 「…うぅ~………」

 そんな可愛くない私に、優しい声と笑顔でジーク君が言う。

 「とりあえずは、お互いに婚約している証しを、身に着けるってコトで許してあげるから……ねっ…我慢して」

 なんで婚約の証しを着けるで、許してあげるなの?
 まさか、逆らったら………強引にされちゃうの?
 自分の想像に怖くなって私は、思わず涙目になってしまう。

 「えっぇぇ~……」

 私は、無意識で身体を起こしてしまったらしい。
 お陰で、バスタオルが肌蹴てしまっていた。








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