異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

文字の大きさ
71 / 140

073★どうやら、過去の勇者と聖女は平行世界から来ていたようです

しおりを挟む


 こころからそう思って言った私の言葉を補足するように、ジーク君が言いました。

 「確か、人口比率でいうと、回教徒って世界総人口の3割を超えていたような?」

 すると、そういう世情に聡い? ダリューン君が、なるほどという表情で頷いて言う。

 「とすると、一婦一夫が7割弱で、一夫多妻が3割強ってコトになるか?」

 その言葉に、ハルト君が肩を竦めて言う。

 「そうなるなぁ~…いずれは、回教徒の人口が世界人口の半分を超えて……って、怖い予想もあるよな」

 「私の偏見かも知れないけど、自動車の運転免許すら取れない、留学も独りじゃ出来ない、スポーツも制限ばっかりで、娯楽も無い宗教に従った生活なんて、不自由過ぎて嫌だわ。ファッションも楽しめないなんて………冗談じゃないわ」

 「回教はちょっと……じゃなくて、たいていの国は、男女比率は一対一って」

 「赤の国は、若い世代が嫁不足だっよな?」

 「いや、だってあの国は、あとさき考えずに、出生直後に間引いいた結界じゃん」

 「うん、それで、慌てて他国からあの手この手で奪うって手段で、周りに迷惑かけるほどだから………」

 「一婦一夫制度って、世界の6割程度なのかも?」

 「うん、一夫多妻が4割弱か……いや、強ってコトかな?」

 「今後、回教徒の人口が爆発的に増えるって予測もあったよな?」

 「あった………じゃ、一夫多妻が主流化するかも?」

 「うえぇぇ~…それって、なんか嫌ぁぁ~……」

 思わず、そんな世界と化した故郷を想像し、私はゾッとしてしまう。

 「アリア、俺達には関係無いよ」

 「影響も無い」

 すっぱりとそう言われて、私は自分達が異世界に召喚されたことを思い出す。
 あまりにも、現在が非日常すぎて、認識の混乱を起こしていたらしい………。

 「そうだね。ここは異世界で、2度と帰れないんだから、もう、そんなことは私達には関係無いか」

 ハルト君達に宥められて、そう呟いた私を安心させる為か、ジーク君がセルディ様に問いかけていた。

 「今までの勇者や聖女の世界はどうだったのですか?」

 「一夫多妻に近い感じでしたね」

 「男女比は?」

 「男2人に女1人が1番多かったですね。男3人~1.5人に女1人という感じでしたね。ですから、女性は2人以上の夫を持つ義務があると言っていましたね」

 「えっ? そうすると、もしかして、一婦一夫って初めてですか?」

 「はい、初めて聞く言葉ですね」

 「男性が多く生まれる世界って、なんか過酷そうな気がする」

 「ああ、戦いが多い世界って感じがするな」

 ここで、私はいったん話しを棚上げすることを提案することにした。
 このままじゃ、いつまでたっても本来の話しが進まないから………。

 「えっとぉ~…この話しは長くなると思うので、彼女達との会話を優先しませんか?」

 「そうだな、あっちでどう過ごしたか気になるし……」

 「では、あちらと繋ぎます」

 そう言うとセルディ様は、胸元から細長い水晶を取り出して床の一箇所を軽くカツカツと蹴る。
 すると、床の一部がせりあがって来た。

 そこには、高さ130cmぐらいで直径60cm程の斜めに切られた円筒に、幾つも穴が開いたものが現われた。
 その穴に、セルディ様は、取り出した細長い水晶を鎖付きのままで差し込んだ。
 すると水晶が淡く輝き、より透き通り違う場所が見えた。

 マジですか? 
 セルディ様、呪文は無しなんですね? 
 俗に言う詠唱破棄でしょうか?







 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...