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073★どうやら、過去の勇者と聖女は平行世界から来ていたようです
しおりを挟むこころからそう思って言った私の言葉を補足するように、ジーク君が言いました。
「確か、人口比率でいうと、回教徒って世界総人口の3割を超えていたような?」
すると、そういう世情に聡い? ダリューン君が、なるほどという表情で頷いて言う。
「とすると、一婦一夫が7割弱で、一夫多妻が3割強ってコトになるか?」
その言葉に、ハルト君が肩を竦めて言う。
「そうなるなぁ~…いずれは、回教徒の人口が世界人口の半分を超えて……って、怖い予想もあるよな」
「私の偏見かも知れないけど、自動車の運転免許すら取れない、留学も独りじゃ出来ない、スポーツも制限ばっかりで、娯楽も無い宗教に従った生活なんて、不自由過ぎて嫌だわ。ファッションも楽しめないなんて………冗談じゃないわ」
「回教はちょっと……じゃなくて、たいていの国は、男女比率は一対一って」
「赤の国は、若い世代が嫁不足だっよな?」
「いや、だってあの国は、あとさき考えずに、出生直後に間引いいた結界じゃん」
「うん、それで、慌てて他国からあの手この手で奪うって手段で、周りに迷惑かけるほどだから………」
「一婦一夫制度って、世界の6割程度なのかも?」
「うん、一夫多妻が4割弱か……いや、強ってコトかな?」
「今後、回教徒の人口が爆発的に増えるって予測もあったよな?」
「あった………じゃ、一夫多妻が主流化するかも?」
「うえぇぇ~…それって、なんか嫌ぁぁ~……」
思わず、そんな世界と化した故郷を想像し、私はゾッとしてしまう。
「アリア、俺達には関係無いよ」
「影響も無い」
すっぱりとそう言われて、私は自分達が異世界に召喚されたことを思い出す。
あまりにも、現在が非日常すぎて、認識の混乱を起こしていたらしい………。
「そうだね。ここは異世界で、2度と帰れないんだから、もう、そんなことは私達には関係無いか」
ハルト君達に宥められて、そう呟いた私を安心させる為か、ジーク君がセルディ様に問いかけていた。
「今までの勇者や聖女の世界はどうだったのですか?」
「一夫多妻に近い感じでしたね」
「男女比は?」
「男2人に女1人が1番多かったですね。男3人~1.5人に女1人という感じでしたね。ですから、女性は2人以上の夫を持つ義務があると言っていましたね」
「えっ? そうすると、もしかして、一婦一夫って初めてですか?」
「はい、初めて聞く言葉ですね」
「男性が多く生まれる世界って、なんか過酷そうな気がする」
「ああ、戦いが多い世界って感じがするな」
ここで、私はいったん話しを棚上げすることを提案することにした。
このままじゃ、いつまでたっても本来の話しが進まないから………。
「えっとぉ~…この話しは長くなると思うので、彼女達との会話を優先しませんか?」
「そうだな、あっちでどう過ごしたか気になるし……」
「では、あちらと繋ぎます」
そう言うとセルディ様は、胸元から細長い水晶を取り出して床の一箇所を軽くカツカツと蹴る。
すると、床の一部がせりあがって来た。
そこには、高さ130cmぐらいで直径60cm程の斜めに切られた円筒に、幾つも穴が開いたものが現われた。
その穴に、セルディ様は、取り出した細長い水晶を鎖付きのままで差し込んだ。
すると水晶が淡く輝き、より透き通り違う場所が見えた。
マジですか?
セルディ様、呪文は無しなんですね?
俗に言う詠唱破棄でしょうか?
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