異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

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072★勇者達のこれからするべきこと?

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 セルディ様の説明に頷いたハルト君が、それでは自分達(勇者)は? と、首を傾げながら聞く。

 「それじゃ、俺達は?」

 「相応の修行をして、レベルが上がったら、冒険者ギルドに登録して、魔物討伐の依頼を受け、イベントをクリアしていただきます。その時に、他の冒険者パーティーと組んで連携する訓練もしていただきます。勿論、騎士達と行動を共にして、魔物討伐もしていただきます。勇者殿達は、どのような方達とパーティーを組んだら戦いやすいか? という確認をしていただきます。それによって、魔王討伐のメンバーを決めます」

 「俺達が、指名しても拒否されたら?」

 「現国王や、各神殿の大神官長及び大神官、魔術師の塔の各長とA級魔術師達は、指名できません。が、それ以外の者は、勇者殿の指名を拒否することは出来ません。たとえ、現宰相と言えども………」

 「それって………」

 「私達の都合により、無理やり異世界から勇者殿と聖女殿を召喚したんです。それぐらいの覚悟はしております」

 「たとえば、俺がある人物にカチンときて、コイツを指名して、魔物の盾にしようかな? なんてことを考えて、指名しても?」

 「はい、構いません。魔物の襲撃で人が死ぬのは当たり前のコトですから………勇者殿や聖女殿達の前で死ぬか? 民を守って死ぬか? の違いしかありませんので………」

 ええーとぉー……なんか、すっごく………酷いこと言ってますねぇ………。
 現宰相でも、ペッと出しちゃうんですか?
 じゃなくて、例えに現宰相が出されるってことは、セルディ様と仲が悪いってことなのかな?
 それにしても、ラノベのテンプレと違いすぎるんですが………。

 大体において、聖女は婚約者達や夫達に守られて魔王討伐ってところからして、変なんですが………。
 そういうの、疑問に思ったらいけないのでしょうか?
 いや、わが身大事にで、聞けませんけどね。

 そんな私の疑問と不信感の前で、セルディ様の言葉に、わりと生真面目系のアルス君が不可解そうな表情でオウムさんになる。

 「民の前で死ぬ?」

 そんなアルス君の反応を気にすることなく、セルディ様は言葉を続ける。

 「ええ…勇者殿や聖女殿と一緒に修行や訓練、魔物討伐をする者達は、民を守って戦う立場の者達のみです。この魔術師の塔の魔法使いも貴方達と行動を共にする者は、魔王討伐の旅に一緒に行く栄誉を受けたいと思っている者達のみですから………」

 「セルディ様は?」

 「ご指名と有らば、長を他の者に譲ってお供いたします」

 平然とそう言うセルディ様に、私は再度問いかけてみた。

 「よろしいんですか? まだ知り合っているのかな? 程度の私達に付き合うなんて……命の危険も有ると思いますけど………」

 そしたら、なんかものすごぉ~く嬉しそうに、セルディ様は答えてくれました。
 ええ、現在の重要な役職をポイッとすることを何とも思ってい無い口調で………。

 「いやいや、聖女殿のように思いやりに溢れた優しい女性の盾になるのでしたら、本望にございます。長くむさくるしい男しかいない場所で過ごしておりますので………最後だけでも、若く優しく愛いらしい聖女殿との旅をしたいものです」

 「………」

 そのセルディ様の言葉に、どう反応したら良いか迷った直後に、現在婚約者となった4人は力いっぱい言いました。

 「「「「アリアは、俺達(僕達)のものだから」」」」

 そのセリフに、セルディ様はにやぁ~っと笑って言いました。

 「ほう………では、勇者殿達の世界は、一妻多夫の世界だったのですね」

 ええ、幻聴が聞こえました………いや、副音声かな?

 『それでしたら、私も夫の1人に………』という恐ろしいモノが………。

 その瞬間、私は迷わずに答えた。
 だって、言質を取られて着け込まれるのはゴメンです。
 4人でも多いって思っているんだから………。
 逆ハーはビッチヒロインの夢であって、乙女の夢ではありませんよ。
 私は、ヒロインなんて無理ですからね。

 「いいえ、一婦一夫の世界です。宗教によっては、一夫多妻という国もあります。一部地域には、一妻多夫という婚姻もあります」








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