異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

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071★ラノベと違って、現実は魔王討伐の条件がキツイようです

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 なんて思っていた私の予想は、外れました。
 部屋の中央部に浮き上がってきたのは、巨大な水晶体でした。
 その周りには、ストーンヘンジのストーンサークルのように、水晶で出来た鳥居に近いものが4つありました。

 私の頭には???しか浮かびませんでした。
 ハルト君達も首を傾げていました。
 そんな私達にセルディ様は話しかけてきます。

 「この水晶を使って、神殿と会話します」

 「なんか大掛かりですね」

 「この水晶での会話は、この水晶に記録されます。その記録をもとに情報の確認をします。特に、異世界から召喚された勇者殿や聖女殿の会話には、我々の知らない有益な情報が多々内在しておりますので………」

 「この水晶に記録された内容はどうなるんですか?」

 「勿論、他の水晶に移しますよ。そして、文章にしましたら記録は消去されます」

 「どうして、こんなに厳重に隠されているんですか?」

 「情報の漏洩を防ぐ為です」

 「ここでは、そんなに機密情報を扱うんですか?」

 「通信魔法を使ってでも伝えたい情報というコトなんですよ」

 「ああそうですか」

 「…? …? …」

 「アリア、国境ラインに敵国の兵士が現われたとか、街に魔物が大挙して押し寄せてきたとか、一刻を争う情報を扱うってコト」

 「なるほど、そんな情報だから、色々な人に情報を正確に、そして確実に渡す渡す為に、通信用水晶自体に記録させるってコトね」

 「その通りです」

 「でも、日本から召喚された勇者と聖女ばかりなんだから、情報にそんな差異があると思えないんだけど?」

 「それは、今ここにいる勇者殿や聖女殿と同じ世界の日本から、先代の勇者殿や聖女殿達が、来たとは言い切れませんので………」

 「確かに、それってありだな」

 「「「ああ」」」

 「セルディ様、勇者や聖女ってどういう条件付けで召喚するんですか?」

 「破邪の力と神力と魔力を大量に有している、健康で体力のある柔軟で適応力や応用力を持つ頭脳明晰で正義感と責任感の強い少年、浄化の力と神力と魔力を大量に有している健康で柔軟な思考を持つ頭脳明晰な心優しい少女という設定で召喚します」

 「あれ? 聖女って、適応力や応用力は必須じゃないの?」

 「アリア、女性は、女性ってだけで、適応力や応用力は男性よりも高いんだよ」

 「アリアは、お嫁に行く予定だったよね?」

 「うん」

 「相手が、日本人だろうと外国人だろうと、相手に合わせた生活をする予定だよね」

 「うん、嫁ぐってコトは、相手の価値観に、自分の価値観を摺り合わせるコトでしょ? それって、大事でしょ?」

 「ということは、この国の常識その他に自然と合わせられるってことだ」

 「あっそうか……子育てするから、子供によって対応を変えたりもするよね………うん、確かに男性よりゆるい条件付けで構わないわね」

 「聖女殿は、女性ですから、ついて歩く婚約者や夫達が守りますから、本人は護身術ていどが出来れば良いです。女性を魔物と戦わせるなんてコトは致しません。体力が無いなら、婚約者や夫達が抱いて運べば良いだけです。もっとも重要な魔物と瘴気によって汚された大地を浄化する力があれば良いのですから………」

 「はぁ~そうですか? って…あれ? 婚約者や夫達って?」

 「魔王討伐及び浄化の為の旅に出るまでに、魔法その他の修行をしていただきます。そうしないと、何も始まりませんから………」

 「あのぉ~婚約者や夫達って?」

 「聖女としての修行を手伝っていた者達と、恋愛関係になって婚約または婚姻し、婚約者や夫に守られて旅をするというのが、歴代の聖女様達の旅のスタイルです」







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