異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

文字の大きさ
82 / 140

084★神官様から、こちらの現実を聞きます

しおりを挟む


 なんかわからない表現に、私は首を傾げてしまう。

 「文官の指って?」

 私の質問に、彼女は生温い微笑みを浮かべて言う。

 「騎士とかの肉体労働している人間の指は太いって言えばわかるか?」

 具体的な例を言われて、私にもその意味がわかった。
 思わず真っ赤になって言う。

 「……あっ…そ…そっかぁ~」

 「やれやれ、アリアは、初心だから言葉を尽くさないとわからないのよねぇ~」

 「もう少し教育的指導をしても良いんじゃないの?」

 「これ以上したら、許容量オーバーでアリアが寝込んでしまうから………出来ないな」

 「あらまぁ~純情なのねぇ~まっ良いわ。私達の邪魔にならないから」

 邪魔って、どういう意味かなぁ? 
 チンクシャな私は、最初っから、色鮮やかな美少女達のライバルになるはず無いでしょうに?

 「…?…?…」

 首を傾げている私に、彼女達は笑って言う。

 「「「魔力量って障害物があるからよ」」」

 「確かに、魔力格差は婚姻に重要な判断材料だよな」

 「でしょう………私も、寝てみて思ったけど、文官や侍従をしている弟達は、ちょっと物足りなかったわ。でも、伯爵達は気持ち良かったの。でも、1番良かったのは、騎士をしている弟だったわね」

 赤裸々過ぎます……その感想って、アレのことですよね………着いていけません。
 でも、ビッチが乙女に戻るんですね。
 異世界召喚って、本当に身体をいちから作り直すんですね。
 きっと、ビッチなこころと身体をチートとしてくれるんじゃないでしょうか?
 そうじゃなければ、オタクで喪女に一直線な私が、ハルト君達イケメン4人と婚約なんてするはず無いです。

 ええ…きっと…この世界に召喚されて改良されたんです。
 でも、この世界の結婚で、実際のところはどんな状態なんでしょうか?
 気になります……私にも身近な問題になりそうなので聞いてみようかな?
 どんな会話していても、誰も止めないんだからも聞いても良いよね。
 私は、彼女達に聞くという形をとってみた。

 「ここでの婚姻って、本当はどんな状態なんですか? …なんかここで聞いておかないと、後で気になっちゃうので、教えて欲しいです」

 私の質問に、にこやかに笑って神官様が答えてくれた。
 
 「では、少ない婚姻形態から説明します。まず、一婦一二夫制を選ぶ貴族は、爵位、領地、財産を長男のみに譲ります。ただし、スペアとしての次男は家に残り、長男と一緒に結婚もします。それ以外の三男以下の男子は、成人するときに一定の金額を与えられて独立します。本人は死ぬまで貴族籍がありますが、子供には貴族籍は与えられないので平民になります。長男と次男以外を必要としないと残りを切り捨てる方法です。この方法は、その長男と次男が子供を残さずに逝った場合、確実にもめますね。もっとも、これは、女子の出生率が今より良く、魔力格差の少なかった時代の遺物ですね。今は、ほとんどこの婚姻制度をとる貴族はありませんが………」

 「でも、彼女は、3つの伯爵家の兄弟と婚約しましたよね?」

 「今は、というか、このところ女児の死亡率が高いので、3家で1人の女性を娶るというのも珍しくありません」

 「そんなに減っているんですか?」

 「ええ、減っています。ただ、聖女殿との婚姻は、一般の貴族の婚姻とは違います」

 「多重婚を奨励されるのです」

 「どうして?」

 「聖女殿の膨大な魔力と、我々より女児の出生率の良い異世界より所管されていますので、女児の生まれる可能性を果実に上げるという祝不の為にです」

 「そっそうですか」

 「では、一番、多い婚姻制度って………」

 「一妻多夫制度です。この場合は、兄弟全員が1人の妻と婚姻します。その為、女性の魔力量が多くても子供を作ることが出来ます。ただ、女性の魔力量と合わない兄弟は、実際に婚姻するコトはありません。この婚姻は、長男以外も貴族として家に残れますし、領地経営などを兄弟で出来るメリットもあります。産まれた子供は、兄弟全員の子供として育てられますから、財産争いはほとんどありません。なんといっても、当主が逝ったときの代替わりが簡単に出来ますから………」







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

処理中です...