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084★神官様から、こちらの現実を聞きます
しおりを挟むなんかわからない表現に、私は首を傾げてしまう。
「文官の指って?」
私の質問に、彼女は生温い微笑みを浮かべて言う。
「騎士とかの肉体労働している人間の指は太いって言えばわかるか?」
具体的な例を言われて、私にもその意味がわかった。
思わず真っ赤になって言う。
「……あっ…そ…そっかぁ~」
「やれやれ、アリアは、初心だから言葉を尽くさないとわからないのよねぇ~」
「もう少し教育的指導をしても良いんじゃないの?」
「これ以上したら、許容量オーバーでアリアが寝込んでしまうから………出来ないな」
「あらまぁ~純情なのねぇ~まっ良いわ。私達の邪魔にならないから」
邪魔って、どういう意味かなぁ?
チンクシャな私は、最初っから、色鮮やかな美少女達のライバルになるはず無いでしょうに?
「…?…?…」
首を傾げている私に、彼女達は笑って言う。
「「「魔力量って障害物があるからよ」」」
「確かに、魔力格差は婚姻に重要な判断材料だよな」
「でしょう………私も、寝てみて思ったけど、文官や侍従をしている弟達は、ちょっと物足りなかったわ。でも、伯爵達は気持ち良かったの。でも、1番良かったのは、騎士をしている弟だったわね」
赤裸々過ぎます……その感想って、アレのことですよね………着いていけません。
でも、ビッチが乙女に戻るんですね。
異世界召喚って、本当に身体をいちから作り直すんですね。
きっと、ビッチなこころと身体をチートとしてくれるんじゃないでしょうか?
そうじゃなければ、オタクで喪女に一直線な私が、ハルト君達イケメン4人と婚約なんてするはず無いです。
ええ…きっと…この世界に召喚されて改良されたんです。
でも、この世界の結婚で、実際のところはどんな状態なんでしょうか?
気になります……私にも身近な問題になりそうなので聞いてみようかな?
どんな会話していても、誰も止めないんだからも聞いても良いよね。
私は、彼女達に聞くという形をとってみた。
「ここでの婚姻って、本当はどんな状態なんですか? …なんかここで聞いておかないと、後で気になっちゃうので、教えて欲しいです」
私の質問に、にこやかに笑って神官様が答えてくれた。
「では、少ない婚姻形態から説明します。まず、一婦一二夫制を選ぶ貴族は、爵位、領地、財産を長男のみに譲ります。ただし、スペアとしての次男は家に残り、長男と一緒に結婚もします。それ以外の三男以下の男子は、成人するときに一定の金額を与えられて独立します。本人は死ぬまで貴族籍がありますが、子供には貴族籍は与えられないので平民になります。長男と次男以外を必要としないと残りを切り捨てる方法です。この方法は、その長男と次男が子供を残さずに逝った場合、確実にもめますね。もっとも、これは、女子の出生率が今より良く、魔力格差の少なかった時代の遺物ですね。今は、ほとんどこの婚姻制度をとる貴族はありませんが………」
「でも、彼女は、3つの伯爵家の兄弟と婚約しましたよね?」
「今は、というか、このところ女児の死亡率が高いので、3家で1人の女性を娶るというのも珍しくありません」
「そんなに減っているんですか?」
「ええ、減っています。ただ、聖女殿との婚姻は、一般の貴族の婚姻とは違います」
「多重婚を奨励されるのです」
「どうして?」
「聖女殿の膨大な魔力と、我々より女児の出生率の良い異世界より所管されていますので、女児の生まれる可能性を果実に上げるという祝不の為にです」
「そっそうですか」
「では、一番、多い婚姻制度って………」
「一妻多夫制度です。この場合は、兄弟全員が1人の妻と婚姻します。その為、女性の魔力量が多くても子供を作ることが出来ます。ただ、女性の魔力量と合わない兄弟は、実際に婚姻するコトはありません。この婚姻は、長男以外も貴族として家に残れますし、領地経営などを兄弟で出来るメリットもあります。産まれた子供は、兄弟全員の子供として育てられますから、財産争いはほとんどありません。なんといっても、当主が逝ったときの代替わりが簡単に出来ますから………」
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