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096★何時の間にか、聖獣から婚約誓約証書に内容が変わってました
しおりを挟む私は、ついセルディ様に質問する。
「ウィングキャットは?」
「滅多に契約できません。あれらは、強い者に従う性質がありますので。グリフォンとウィングキャットの強さを比べるなら、ウィングキャットの方が上です。理由は、物理攻撃みのグリフォンと違って、エアカッターやエアブレードなどの魔法攻撃をしますので。グリフォンが上なのは、重いものを運べるという点だけですね」
こっちのウィングキャットって、ラノベと違って魔法能力を持っているんですね。
ここは、可愛くて戦闘能力のあるウィングキャットを手に入れたいです。
でも、グリフォンも捨てがたいです。
色々と運べるって便利ですね。
ファンタジー世界万歳です。
「セルディ様、ウィングキャットと契約した勇者様や聖女様は?」
「おりません」
私の質問に、セルディ様は、あっさりと答えてくれました。
「「「「「「「「えっえぇぇぇ~」」」」」」」」
その残念な答えに、私達は思わず声を出してしまいました。
どうして、歴代の勇者と聖女は、ウィングキャットと契約しなかったんでしょうか?
猫型なので爪で攻撃もできるし、小型だから同じ空を飛ぶグリフォンやペガサスよりも小回りが利くし、魔法まで使えるのに?
エサ代だって少なくて済むし、居場所だって人間と同じ部屋に入れるし、馬とかと一緒に馬小屋にだって入れる大きさなのに………。
首を傾げている私達に、苦笑しながらセルディ様が答えてくれました。
「ウィングキャットは、今までに召喚に成功したコトが無い聖獣なんです。歴代の勇者殿も聖女殿も召喚しようとしたのですが、非情に残念なのですが、1度も成功したコトが無かったんです」
そんなに契約することが困難な聖獣なんですか?
って、その前に、召喚できなかったってコトですよね。
何か足りなかったのでしょうか?
う~ん…ひじょうに気になります。
私の魔力量は多いってことですし、たぶん神力もあると思うんですけどねぇ………
もし、ウィングキャットの嗜好が、ユニコーンと同じように乙女好きだったら………。
今なら、引っ掛けられるかもしれないわ。
はぁ~………後どのぐらい乙女でいられるかわからないんだもの………。
それに、あっちから持ってきた試供品のキャットフードや試供品の猫缶とかが、使えないかな?
猫用のフード類と犬用のフード類も試供品もあるから試してみたいなぁ~………。
それと、マタタビやジャーキーも試してみたいなぁ~………。
などと、私は、ひたすらウィングキャットを捕まえるコトを考えていました。
その時、ハルト君達は、グリフォンやユニコーンペガサスなどの召喚について聞いていました。
呪陣の書き方やその時使うペンやインク、その場所について話していたらしい。
その材料と使い方、それと呪陣の見本ももらっていたのです。
召喚魔法って、呪陣を書いて呪文を唱えるという割と簡単なモノらしいんですよね。
セルディ様のお話しによると、本人の魔力に応じて、召喚できる聖獣や魔獣などが決まっているとのコトです。
自分の能力以上のものは召喚出来ないと決まっているそうです………残念。
あの某女神○生のように高位でも運が良ければ、手に入るということはないそうです。
でも、聖獣が好奇心で勝手に召喚されるって無いのかな? って思いました。
ラノベでもそういう設定があったし、ゲームの悪魔召喚(サモナー)系では、偶然自分のレベル以上が召喚されるってあったんだし…なんて思いました。
どうやら、指定されている場所で召喚するなら、勝手にやっても良いと言われたみたいです。
こちらの文字は、お約束の自動翻訳ではなく、純粋に日本語でした。
漢字とひらがなとカタカナ、それにアラビア数字が、使用されていました。
ローマ字などは使われていないみたいでした。
思考の海に浸かっていた私に、ハルト君が話しかけてくれました。
「アリア、婚約誓約証書を契約の女神ソルトアーナ神殿から、神官様が持って来てくれることになったよ」
何時の間に、そんなコトが決まったのでしょうか?
私ってば、また、みんなの会話を聞いていなかったようですね(涙)。
コミュ障の為、身内(家族とオタク仲間)以外と会話しないで生きてきた為に、私は、直ぐに、自分の思考に入って回りを遮断してしまうんです(号泣)。
きっと、今回も婚約誓約証書を書くことになった理由も聞き損ねたセイで、ロクな目にあわないコトが決定されましたね(泣)。
それでも、あざとく抵抗しますよ。
「えっ?」
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