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召喚されちゃいました

179★宮を運営しなくてはならないようです

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 ここは、白旗をあげてアラン様に頼ってしまいます。

 「うっ想像がつきません…無理です」

 「驚かせてしまいましたね
  大丈夫ですよ、静香

  私が、秘密の通路を使って
  こっそりと通いますから」

 いや、こっそりとかじゃなくてね………っていうか、それって別れて住む意味あります?
 やっぱり、私の時間を食い潰すのが目的といコトでしょうか?
 だから、私が言ったことに対して、明後日の方向の答えですよそれ。
 でも、私と離れたくないっていう欲望は、ガッツリとあるってわかりましたよ………なんか安心しました。

 「本当?」

 「静香を独りになんてさせませんよ

  でも、宮の管理は必須なので
  頑張りましょうね

  母の実家ロードライト公爵家の
  執事をしているクリスタ伯爵の息子

  クリスタ子爵ギュンター・エドアルド
  侍女長をしているクオーツ伯爵夫人の娘

  ローズクオーツ伯爵夫人
  エレイン・アリスという感じで

  ロードライト公爵家に使える
  家の者達だけで揃えますから
  安心して下さい

  静香の宮の警護をする者達は
  全て、私の帝都騎士団から
  近衛騎士団に移動させた

  魔法使いと騎士
  従騎士と兵士達に任せますから
  安心して下さい」

 アラン様って、私に対してはかなり甘い対応なんですね(嬉)。
 宮の管理を私にさせると言っても、肝心の執事などを既に決めているなんて………ありがとうアラン様。
 私は、アラン様の決めた人間に、宮の運営と管理と維持の全てを任せるだけで良いというコトですね?

 アラン様は、さらっと流していましたけどぉ~………。
 帝都騎士団の団員を、なんだかんだで数十名は、近衛騎士団に移動させてしまうコトになりますよね。

 もしかしなくても、アラン様って帝都騎士団を私物化していますよね。
 皇族が、騎士団に必ず入るのは、この私物化を貴族達にさせないという意味もあるのでしょうか?
 時間に余裕が出来たら、聞いてみたいですね。

 だって、権力の把握って感じがしてわくわくしますからぁ~………。
 でも、今は、宮の運営の方が気になりますから、先にそれを………。
 ここは、ちょっと聞いておきたいので言います。

 「ありがとうごさいます、アラン様

  でも、良いんですか?
  宮の管理って独りでするんでしょう?

  本来なら維持管理に必要な人員も
  私が募集して選ぶべきなんでしょう」

 私の問いかけに、アラン様は優しい表情で言います………うん、相も変わらず眼福です。
 その上で、ちょっとヤンデレで、立派な腹黒なんて………まるで、乙女ゲームの攻略者のようです。

 もしかして、この世界は、乙女ゲームの世界なんでしょうか?
 なんて、思っても、乙女ゲームをやったコトが無い私には、わかりませんけどね。
 
 もしも、そうなら、私はヒロインなんでしょうか?
 それとも、悪役令嬢?だって、現皇帝唯一の皇女ですから、その可能性の方が高いんですよねぇ~………。

 ただし、悪役令嬢が溺愛されて幸せになる方のラノベなのかな?とも思います。
 なんて、現実逃避しながらも、真面目にアラン様の説明は聞きますよ。
 情報が無いと判断出来ませんからね。

 「異世界からの花嫁に
  宮の管理なんて出来ないのが
  当たり前です

  だから、夫が全て用意するんですよ

  もっとも、執事や家令、侍女長を
  決めるだけで、あとはお任せなんです

  ただ私は、嫉妬深いので
  自分の信頼できる部下を
  貴女に付ける予定です

  私の乳兄弟の半分を予定しています」

 アラン様は真面目な表情をして説明していたけど………。
 途中から何時もの甘い顔になって言います。

 その言葉を聞いて、アラン様の表情を見て、私はちょっと嬉しくなってしまいます。
 やっぱり、アラン様は、私に甘いって………。
 が、それではアラン様の方が、優秀な人材を手放すコトになるので、大変になってしまうのではないでしょうか?
 だって、乳兄弟の方々って、アラン様の信頼できる側近の中の側近ですよね。
 取り敢えず、そこを聞いてみます………何事も、確認は大事ですもんね。

 「アラン様、帝都騎士団の人材が
  減って不自由しませんか?」

 私の質問に、私のコトを心配してくれるんですねと大書きした嬉しそうな表情でにこにこしながら言う………ああ、目の保養です。
 このスチルは、こころのシャッターを切って、脳内ファイルに保存しておきますね。

 アラン様のスチルを保存しておく魔法を創造したいと思います。
 スマホが使えるなら便利なんだけどぉ~………。
 後で、確認してみようかな? 
 確か、ソーラーパネル付きの充電器をリックに入れていたような?

 宮の運営なんかしたくなくって、私の脳は違うコトを考えてしまう。
 ここは、アラン様の顔と言葉に集中しよう。
 意識を切り替えて耳を澄ませて思うのは………内容はキツイことなのに、さらりと言ってくれるアラン様が男前なコトなんですよ、はい。

 「そこは大丈夫ですよ、静香

  減らした分だけ
  新しい人材を募集できます

  この帝国では、騎士になりたいという
  貴族の子弟は山ほどいます

  ですが全員が、騎士になれる
  というわけではありません」

 なんかラノベに良く出て来る次男以下は、貴族でいる為に騎士になるか、貴族の一人娘の婿に入るしかないっていう、きっつい設定のままなんですかぁ~………はぁ~…本当にあるんですね。
 文官では、貴族のままではいられないですよね。

 正確には、自分は貴族でも、子供は、平民になってしまうんですよね。
 そう考えると、騎士になるって大変だわぁ~………まさに、狭き門ですよね。
 何処の有名大学ですか?って感じです。
 そして、そういう人達の為になるんですね、コレは………うん、アラン様は優しいですね。

 「もしかして、帝都騎士団や
  皇宮騎士団それに近衛騎士団は

  帝都勤務が基本だから
  人気があるって思って良いですか?」

 「やはり、静香は賢いですね
  その通りです

  騎士としての地位など色々と
  優遇されますからね

  また、皇族や皇帝の近くに使えるので
  爵位や領地をもらえる
  可能性が高いんですよ」

 アラン様から私の予想とほぼ同じ答えが返ってきた。
 やっぱり、そういうモノらしいですね………はい、別の意味で、それはそれで大変ですよね。

 「それじゃー貴族の次男以下の方々から
  就職先に狙われますよね

  社交パーティーにも出れるし
  色々な貴族の令嬢との
  出会いの機会も多いですよね

  他の都市の騎士団、辺境の騎士団とは
  確かに立場が違いますね」

 「ですから、静香は宮を
  運営するべきなんですよ」










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