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召喚されちゃいました

297★騎士様達は、治癒魔法必須のようです

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 そんな説明を受けたら、飼育員達の為に魔法を掛けるしか無いじゃないですか。
 その為に、全員をこの場に呼び出したのは私ですけどね。

 ハイワイバーン達の厩舎は、これから用意するというか、建築するそうなので、当分はこの訓練場を占拠するそうです。
 その間は、飼育員の皆さんは、近くに天幕を張って生活しながら、お世話をするそうです。

 要するに、何時でもハイワイバーンのご機嫌次第で、彼らはキケンにさらされる状態だったのですよ。
 だから、私の隷属魔法は、ハイワイバーンの飼育員や下働き、従騎士達や見習い騎士達と従者達には感謝されました。

 やっぱりハイワイバーンで怪我するリスクに脅えていたそうです。

 彼らは、治癒魔法が使えないという事情があったから………。
 騎士様達は、上手い下手はあっても、基本は治癒魔法が使えるそうです。

 というか、治癒魔法は、騎士様に必須魔法のひとつだそうです。
 戦って怪我して動けなくなるのは、言語道断だというコトで………。

 ラノベあるあるよりも、ハードモードの騎士様達でした。
 そんなこんなで、私がハイワイバーンに隷属魔法を掛け捲っていたら、皇帝陛下をはじめとする皇族方は、執務があると文官達のお迎えが来て、慌しく去って行きました。

 これで、あの会話を聞かなくても済む、と思って私は溜め息を、そっと吐き出しましたよ。
 そして、ちょっと休憩となり、アラン様達とお茶しています。

 飼育係の人達は、休憩しませんかって声を掛けたんですがね、勤務中だと言ってばたばたと動いています。
 この辺は、結構いえかなり自由にしているアラン様達と違うって思いますよ。

 それよりも、この訓練場が使えないと、不自由するんじゃないかなぁ~って思ったので、聞いてみます。

 「アラン様、この訓練場が使えなくて不便なんじゃないですか?」

 「いいえ、ここがダメなら、私の宮に付いている
  訓練場を使いますから大丈夫ですよ

  騎士団付属訓練場が使えない時は
  皇子や皇女達の宮に付属する訓練場を使う様になっていますからね」

 アラン様は、にっこり笑って説明してくれました。
 そこで、私はちょっと宮のコトを思い出してみます。

 宮にも、騎士達の為の設備や訓練場が、確かにありましたね。
 たったひとりの皇子や皇女に仕える騎士達の為の設備にしては、かなり大掛かりなものだなって思いましたよ。

 でも、アラン様は、皇子で皇太子だから、特別に広い訓練場の付いている大きな宮に住んでいるからなのかな?って思いました。
 ても、ちょっと違うような気がします。

 「どうして、宮付属の訓練場を使うんですか?」

 「騎士団の団長に成る者は、皇子か皇族が多いんですよ
  だから、自分の宮付属の訓練場を使うのは、普通なんですよ」
 
 にこやかに笑って説明するアラン様の言葉に、ちょっと私は引っかかるものを感じています。
 だから、思い切って聞いてみます。

 「アラン様、ハイワイバーン達の厩舎を、この訓練場に作ったら
  移転するまでの間、宮の訓練場を使うつもりですか?」

 「勿論です
  私の宮の訓練場ですから、ゲートを作り訓練の時だけ
  開いて使う予定ですよ

  その間は、静香の宮で暮らす予定です
  ダメですか?」

 アラン様は、言葉の途中で寂しそうな表情を浮かべてくれましたよ。
 これって、私と一緒に居る時間を増やしたくてやっているってコトですよね。
 まさに、ラノベあるあるの竜人ですね。

 私としてもアラン様と一緒に居たいと思うので、ここは、にっこり笑って答えます。

 「アラン様と一緒に入れると嬉しいです
  それと、ハイワイバーンの厩舎は
  後どのくらいで作られるんですか?」









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