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召喚されちゃいました

299★もうヤケです

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 えっと思って、辺りを見回すと………。
 目前に体育館よりも巨大な建物が、もう既に存在しています。

 そして、ハイワイバーン達の姿がその中にちらちらと見えます。
 マジでやらかしたみたいですね(ヤバイ)。

 ハイワイバーンと騎士様達の隷属魔法は………うん、終わっています。
 飼育員さん達のハイワイバーン達への隷属魔法は、後3割から4割の人達が契約できていません(マズイ)。

 でも、今日の私のお仕事は、これで強制終了ですね(チーン)。
 アラン様の豊かなはずの表情が、能面の様に真っ黒なオーラを伴った微笑みしか浮かんでいませんからね(怖)。

 もう、ここまでしちゃったんなら、飼育員さん達と従者さん達や下働きの人達用の宿舎も建てておきます(ヤケ)。
 そして、私のヤケに気付いたアラン様が、慌てたという表情で言います。
 
 「静香、それ以上は《魔力》を使わないで下さい
  飼育員達の宿舎は、他の者達に建てさせます

  貴女は、どうしてそう考え無しに《魔力》を使おうとするんです
  それも、ハイワイバーン達なんかの厩舎に………」

 うっわぁ~い魔王モードのアラン様降臨寸前です。
 ここは、何としてでも誤魔化しますよ。

 私だって少しは学習するんです。
 アラン様にギューッて抱き付いて、涙の溜まったうるうるの瞳で、脅えたように声を震わせて言います。

 「アラン様、私のコト怒ったの?
  私のコト嫌いになるの?」

 すると、アラン様は、片手で顔を覆って言います。
 
 「静香は本当に小悪魔ですね
  私が貴女を嫌いになるなんてありえませんよ

  私が怒ったのは、貴女が《魔力量》を考えないで
  魔法を使ったコトだけですよ

  そんなに、脅えないで下さい
  宮に帰ってベッドに押し倒したくなりますからね」

 うっヤバ………このままでは、お仕置きフルコース一直線ですよ(号泣)。
 それは、何としても回避です。

 ここは、我が侭を言ってアラン様を振り回してみせます。
 気合と根性、そして、お祖父ちゃんの言っていた、成せばなる成さねば成らぬ何事もの精神ですよ。

 お米のご飯を食べたいを言い続けて、今日こそ日本人のソウルフードをゲットです。
 ついでに、いい加減自分で調理したものを食べたいんです。

 こっちの料理は、プロが作っているだけあって美味しいんですけどね。
 それでも、和食というか、家庭料理が食べたくなるんです。

 故郷の料理が恋しくなるんですよぉぉ~………。
 お味噌汁も恋しいです。

 お醤油を使った料理が食べたいんです。
 お醤油とみりんを使ったお野菜の煮物が食べたいんですよ。

 お醤油とお出汁であっさりと煮付けた大根が、食べたいんです。
 出し巻き卵、茶碗蒸し、オムレツ、目玉焼きも………。

 お寿司が食べたい、自分であげたてんぷらが食べたいんです。
 そして、私の作った料理をアラン様に食べてもらいたいんです。

 素朴なというか、手抜き料理でも良いから、何時もの料理でご飯が食べたいんです。
 もしかして、これって、ホームシックなんでしょうか?

 家族に未練は無いけど、オタク仲間兼友達が恋しいんです。
 イベントで知り合ったコスプレイヤーのお姉様達、同人誌サークルのお姉様達も恋しいです。

 こっちの世界でアラン様っていう恋人はできましたけど、お友達はいないから、ちょっといやかなり寂しいです。
 あっ何かどんどん暗くなってきちゃった。

 これって、マリッジブルーの一種かな?
 それとも、単なるホームシック?

 なんか思考が、定まらない感じがします。
 あれ………くらくらしてきます。

 もしかして、これが噂の《魔力枯渇》なんでしょうか?
 別の意味でわくわくします。








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