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召喚されちゃいました
344★考えれば考えるほど………
しおりを挟むアラン様も雰囲気を切り替えてくれたので、私もそれに乗ります。
同じ転移陣に、フレデリカさん達は乗りません。
隣りの大きな転移陣に乗るみたいです。
これって、どういう意味なんでしょうか?
なんて思っていたら、意識が遠きました。
気が付いたら私を抱き上げて歩いているアラン様と、その周りにフレデリカさん達や騎士様達も………。
まだ、転移陣というか、転移魔法に意識と体がついていかないみたいです。
私と視線をあわせたアラン様が、蕩ける様な色気だだ漏れの笑顔で話し掛けてきました。
「シオン、良かった
目が覚めましたね」
「はい」
うっなんかいたたまれない。
どうして転移の時って、気絶しちゃうのかな?
意識がある状態で、転移できるようになりたいなぁ~………。
このままじゃ、転移魔法が使えないかも………あうぅ~切ない(涙)。
「シオン、転移魔法は
慣れないと気絶するのは
当たり前ですよ
この通常空間から
一旦は、亜空間に入り
そして、また通常空間に
出るというコトなので………」
アラン様の言葉でどういうコトかを認識しました。
「………」
それって、SFに良く出て来る宇宙船に定番なワープと似ています。
ってか、地上版の極短距離ワープって感じなんですね。
だったら、意識がなくなっても当然ですね。
その内、転移に慣れると思うコトにします。
でも、本当に教えてもらえるのかしら………。
いや、その前にここって、いったい何処なの?
皇宮の地下室って、感じがするけど………。
「ここは?」
首を傾げていたら、アラン様が話し掛けてきました。
「陛下の宮の
地下室のひとつですよ」
地下室のひとつってコトは、他にも幾つかあるってコトですよね。
転移陣の為の部屋って言っても、皇城の中にある1番安全に気を使った場所よね。
例えば、皇妃や皇太子、皇太子妃等の優先順位の高い皇位継承権持ちと、その正妃及び子供達専用の場所とか?
この部屋の隣りには、魔族の襲撃などで危険な皇城から1番遠い、そして安全な皇家直轄領地に飛べる転移陣があるのかな?
「シオンは
どうして、そんなに
賢いんでしょうか?
そんなに、賢くては
色々と見え過ぎて
辛いでしょうに………」
アラン様の言葉に、私はちょっとだけ曖昧な表情を浮かべて、なぜそう思ったかを説明する。
「いいえ、これは
私がもと居た世界で
色々な小説やマンガや
映画等を見ていたセイです
その物語等にあるモノに
似たような状況なので
同じような設定があるのでは?
って思ってしまったんです
私は、一般小市民な
高校生ですよ」
ヤバイまた独り言を言っていたのね(大汗)。
はぁ~何時になったらなおるのかしら………。
そう言えば、あのキラキラ皇子(仮)達は、皇位継承権を剥奪されて臣籍降下するって言ったけど………。
その臣籍降下するまでの期間で、魔族達の襲撃が無いとは言えませんよ。
それまでは、皇子(仮)達として守られる存在なんです。
真面目に、魔物討伐をしていないし………。
皇族としての修行も、騎士としての訓練もしていない。
皇族として、ぎりぎりの《魔力量》しかない皇子(仮)達。
………色々と使えない存在なのに………。
あの性格では、部下に慕われているとはとうてい思えません。
それに、性格や能力に問題のある皇子(仮)達は、これから魔族と戦う時に、足引っ張り以外のなにものでも無いと思います。
だって、自分で自分の身を守れない皇子(仮)達を、近衛騎士様達が身を持って守るなんて………。
色々と場面を想定して訓練した、実戦経験豊富で有能な騎士様達の命を、危険にさらすなんて許せないです。
もっとも、戦闘能力という意味では、私も騎士様達に迷惑をかける存在ですけどね。
私なんて、戦う訓練なんて一切うけていない、平和ボケした日本人なんですから………人のコト言えないです。
じゃなくって、あのDQN王女の身内である皇子(仮)達を残すなんて、百害あって一利無しって感じがします。
どうせだったら、内乱の種として、側妃達の故国に送り帰した方が良いと思いますよ。
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