愛しては、ならない

ペコリーヌ☆パフェ

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恋の業火②

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「ごめんなさいね……
折角来てくれたのに、剛さんが具合が悪くて……
移してしまったら申し訳ないし……

清崎さん、珈琲と紅茶はどちらがお好きかしら?
丁度、シフォンが焼けたの……

レモンシフォンだけど、好きかしら?」



清崎はリビングのソファに腰掛け、笑顔で頷いた。



「ありがとうございます……
じゃあ、紅茶を……」



「はい~!
お待ちくださいね~!」



私は、複雑な気持ちでお茶の支度をし、オーブンから出したシフォンを切り分ける。



"息子の彼女"が訪ねてきたのだから、喜ぶべき事なのだろうけど……



昨日の、ホテルでキスしていた二人の姿が脳裏に蘇り、胸がズキズキ痛んだ。






「私も突然訪ねてしまってすいません……」


清崎は、首を傾げ、少し上目遣いで見たが、その何気無い仕草がとても可愛くて、私が照れてしまいそうになる。



「い、いえいえ!
剛さんのお友達が沢山遊びに来てくれて私も嬉しいの……
あ……そういえば、清崎さんは高校はどちらに?」


紅茶とケーキを差し出すと、彼女は頬を緩めペコリと頭を下げた。


「……剛君と同じ、橘南高校です」


「あっ……そうなのね!
高校でも、宜しくね……」


私は、彼女と剛が同じ学校に通うという事実を、正直喜べないでいた。


――こんなに可愛い女の子と、毎日学校で……
教室で……

挨拶を交わしたり、お喋りしたり、一緒に帰ったり……


――キスをしたり……するの?



目の前で美味しそうにケーキを食べる彼女を見ながら、私は嫉妬心が渦巻くのを止められない。







「すごく、美味しいです……
お母様にお料理教わりたいくらいです……」



彼女の花のような笑顔を見て、私は自分の嫉妬がとてつもなく醜く思えてしまった。


私も、大人らしい笑顔を返したつもりだが、わざとらしい態度になっていないだろうか?


彼女は程無くして
「そろそろ帰ります、御馳走様でした」

と、立ち上がる。


「今日は本当にごめんなさいね……
また遊びに来てね?」


清崎がはにかんだ笑みを浮かべ、頷いた時にその頬に笑窪(えくぼ)が出来た。



彼女を玄関先まで送りに出るが、何かを言いたげに振り返った。


「……何かしら?」


訪ねると、彼女は唇を開きかけ、またつぐみ、また開き――という動作を何回か繰り返す。






だが、彼女の瞳に強い光が宿り、私は気圧されて息を呑む。


「……剛君は……
養子……て、本当なんですか?」


「――!」


「立ち入った事を……
すいません……
いつか、剛君が、何気無く言った事があるんです……」


「そ……そう」


言葉が見つからず狼狽してしまうが、彼女は、私を澄んだ瞳で真っ直ぐに見た。



「剛君が……
お母様を見る目が……
まるで、好きな女の人を見詰めてるみたいに見えて……」



「……っ」


情けない事に、私はやはりポーカーフェイスが出来ない。

十五歳の女の子に誘導尋問され、彼女の思惑通りに心を乱されてしまう。


「……でも、今日お母様とお話してみて分かりました……
こんなに可愛らしくてお若いお母様なら、剛さんが慕って、大切に思うのは当然かも……て」


清崎は完璧な笑顔を向け、私にお辞儀して帰っていった。






彼女の後ろ姿が小さくなり、私は家の中へ入るが、途端にガクリと身体の力が抜けた。


なんだか、猛烈に疲れてしまった。


清崎の笑顔の底に無言の圧の様な物を感じたのは気のせいだろうか。


「嫁姑の確執って……こんな雰囲気なのかしら……私には無理だわ……」



もう一度、溜め息を吐くが、剛の様子が気になる私は、階段を上がる。



眠っていてくれますように、と祈りながら、私はそっと彼の部屋のドアを開けた。



彼は、安らかな表情で寝息を立てていた。


(よかった……
今のうちに、食器を片付けちゃおう……)



彼のあどけない寝顔に見惚れながら盆を持ったのが良くなかった。


コップを落としてしまい、派手な音を立ててしまった。



「うわっ……」



硝子のコップは幸い割れなかったが、剛が目を覚ましてしまった。





「ご、ごめんなさい……
起こして……」



コップを拾い盆に乗せて早々に部屋を出ていこうとしたら、彼が苦しげに呻き始め、私は足を止めた。





「剛さん……大丈夫……?どこか痛い?」



私は盆を置き、彼の側へと行き声を掛けた。



「……む……胸が」


彼は、胸元を掻きむしりながら顔を歪める。


「え……胸が痛いの?」


心配になり覗き込んだ時、彼の瞳が鋭く光り、腕を掴まれてベッドへと引き摺り込まれてしまった。



私は彼に組み敷かれ見下ろされる。



呆然とする私に、剛はニヤリと笑い、低く囁いた。



「……菊野さんは、隙だらけですね……」



「剛さん……具合は?」



腕を掴むその力は、病人とは思えない程強く、先程まで虚ろだったその瞳は力強い輝きを放ち私を捉え、唇は皮肉に笑っていた。



「……ひ、酷い……っ!
騙すなんて……」



私は、本気で怒りが込み上げ、彼を叱りつける。


「本当に心配したのよっ?そういう嘘は付いたらいけませ――……んっ」


彼の前髪が揺れたのを見た瞬間、唇を塞がれていた。






彼が唇を離した時、私は渾身の力を込めビンタしようと手を振り上げるが、直ぐ様その手を掴まれてしまった。

彼の方が力が強い為、私はもうそれ以上の抵抗が出来ずに、また唇を奪われる。



彼の舌が私の舌を追い掛ける様に絡み付き、吸ったり咥内をはい回る音が部屋に響く。



まともな思考が飛んでしまいそうになるまで、幾度となく彼に唇を犯された。



どれ程の時間、そうしていただろうか。



剛は、頬を両の掌で挟み、呆然とする私の目を見詰め言った。



「……俺の部屋には、もう来ない方がいい……」



「……な……何故?」


「こういう事になるからですよ……」



剛の手が素早く私のシャツの中へと侵入し、ブラのホックを外してしまった。



「やっ……やだっ!
止めて……っ」


「さっきも言ったでしょう……
俺は貴女を抱きたくて身体が疼いたままだって……」


「だ、ダメ……!」



このまま流されて、彼と堕ちてしまったらいけない――


私は必死に彼に懇願する。


「お……お願いっ……
待って……」



剛は、意地悪な笑みを浮かべながら、ブラをゆっくりと押し上げていく。


「待ったら、その後で抱かれてくれるんですか?」



「……っ」



私が目に涙を溢れさせると、彼は真顔になり手を止め、溜め息を吐いた。


「……菊野さんは……悪魔ですね……
そんな顔で泣かれたら、俺は何も出来ません……」


「……あ……悪魔とかひどっ……」


しゃくり上げると、彼の腕が私を優しく包んだ。







彼の腕に、胸に包まれながら私は改めて、剛が出逢った頃の少年でなく、逞しい青年に成長した事を思い知る。


細身に見えるその身体は程好く筋肉質で、胸板は硬く、今は優しく私を包むその腕は、彼がその気になれば私を思い通りに出来る事も――


長い指が髪を撫で、切ない声が耳元を擽る。



「……もう、俺は要らないですか」



「な……何を言ってるの?誰がそんな」



「俺はもう、施設で逢った頃の少年ではありません」


「――」



返事が出来ない私の頭を撫で、彼は続けた。



「貴女の心も身体も欲しがっている餓えた獣ですよ……」



その言葉にドキリとして、頬が熱くなってしまう私は最低な義母だろうか。


舞い上がって我を忘れたらいけない、と懸命に自分に言い聞かせ、彼をはね除けようと拳に力を込めるが、彼の眼差しと囁きで、いとも簡単にその決心は崩れそうになる。


「……困らせているのは分かっています……
けれど……止められません」


「……っ」



頭を撫でていた彼の指が、頬に触れる。






脆い硝子細工を扱う様に触れられ、熱く見詰められ、私は恍惚の一歩手前だったが、ふと彼の体調の事が気になり、聞いてみる。


「……ね、熱は?」


「……下がったみたいです……
菊野さんのお陰です」


彼が、優しく目尻を下げ笑い、私も安堵して笑う。



「そう……良かった」


「良くなかったかも知れませんよ?」


「……?」


彼は、悪戯な光を目に宿らせると、私の腕を一纏めに掴み、自由な方の手をスカートの中へと差し入れ、太股に触れた。



「やっ……」


「元気になると、こういう事をまた企むかも知れません……」



「つっ……剛さん!
止め……ダメえっ!」



必死に脚をばたつかせるが、スカートが捲れ上がり、下着が露になってしまい、私は余計に慌てる。


剛が目を見開き喉をゴクリと鳴らすと、天井を仰ぎ歯を食い縛った。



私はその隙にスカートを直し、逃げようと身体を起こすが、剛に肩を押されまた倒される。





脆い硝子細工を扱う様に触れられ、熱く見詰められ、私は恍惚の一歩手前だったが、ふと彼の体調の事が気になり、聞いてみる。


「……ね、熱は?」


「……下がったみたいです……
菊野さんのお陰です」


彼が、優しく目尻を下げ笑い、私も安堵して笑う。



「そう……良かった」


「良くなかったかも知れませんよ?」


「……?」


彼は、悪戯な光を目に宿らせると、私の腕を一纏めに掴み、自由な方の手をスカートの中へと差し入れ、太股に触れた。



「やっ……」


「元気になると、こういう事をまた企むかも知れません……」



「つっ……剛さん!
止め……ダメえっ!」



必死に脚をばたつかせるが、スカートが捲れ上がり、下着が露になってしまい、私は余計に慌てる。


剛が目を見開き喉をゴクリと鳴らすと、天井を仰ぎ歯を食い縛った。



私はその隙にスカートを直し、逃げようと身体を起こすが、剛に肩を押されまた倒される。





脆い硝子細工を扱う様に触れられ、熱く見詰められ、私は恍惚の一歩手前だったが、ふと彼の体調の事が気になり、聞いてみる。


「……ね、熱は?」


「……下がったみたいです……
菊野さんのお陰です」


彼が、優しく目尻を下げ笑い、私も安堵して笑う。



「そう……良かった」


「良くなかったかも知れませんよ?」


「……?」


彼は、悪戯な光を目に宿らせると、私の腕を一纏めに掴み、自由な方の手をスカートの中へと差し入れ、太股に触れた。



「やっ……」


「元気になると、こういう事をまた企むかも知れません……」



「つっ……剛さん!
止め……ダメえっ!」



必死に脚をばたつかせるが、スカートが捲れ上がり、下着が露になってしまい、私は余計に慌てる。


剛が目を見開き喉をゴクリと鳴らすと、天井を仰ぎ歯を食い縛った。



私はその隙にスカートを直し、逃げようと身体を起こすが、剛に肩を押されまた倒される。





脆い硝子細工を扱う様に触れられ、熱く見詰められ、私は恍惚の一歩手前だったが、ふと彼の体調の事が気になり、聞いてみる。


「……ね、熱は?」


「……下がったみたいです……
菊野さんのお陰です」


彼が、優しく目尻を下げ笑い、私も安堵して笑う。



「そう……良かった」


「良くなかったかも知れませんよ?」


「……?」


彼は、悪戯な光を目に宿らせると、私の腕を一纏めに掴み、自由な方の手をスカートの中へと差し入れ、太股に触れた。



「やっ……」


「元気になると、こういう事をまた企むかも知れません……」



「つっ……剛さん!
止め……ダメえっ!」



必死に脚をばたつかせるが、スカートが捲れ上がり、下着が露になってしまい、私は余計に慌てる。


剛が目を見開き喉をゴクリと鳴らすと、天井を仰ぎ歯を食い縛った。



私はその隙にスカートを直し、逃げようと身体を起こすが、剛に肩を押されまた倒される。





脆い硝子細工を扱う様に触れられ、熱く見詰められ、私は恍惚の一歩手前だったが、ふと彼の体調の事が気になり、聞いてみる。


「……ね、熱は?」


「……下がったみたいです……
菊野さんのお陰です」


彼が、優しく目尻を下げ笑い、私も安堵して笑う。



「そう……良かった」


「良くなかったかも知れませんよ?」


「……?」


彼は、悪戯な光を目に宿らせると、私の腕を一纏めに掴み、自由な方の手をスカートの中へと差し入れ、太股に触れた。



「やっ……」


「元気になると、こういう事をまた企むかも知れません……」



「つっ……剛さん!
止め……ダメえっ!」



必死に脚をばたつかせるが、スカートが捲れ上がり、下着が露になってしまい、私は余計に慌てる。


剛が目を見開き喉をゴクリと鳴らすと、天井を仰ぎ歯を食い縛った。



私はその隙にスカートを直し、逃げようと身体を起こすが、剛に肩を押されまた倒される。





脆い硝子細工を扱う様に触れられ、熱く見詰められ、私は恍惚の一歩手前だったが、ふと彼の体調の事が気になり、聞いてみる。


「……ね、熱は?」


「……下がったみたいです……
菊野さんのお陰です」


彼が、優しく目尻を下げ笑い、私も安堵して笑う。



「そう……良かった」


「良くなかったかも知れませんよ?」


「……?」


彼は、悪戯な光を目に宿らせると、私の腕を一纏めに掴み、自由な方の手をスカートの中へと差し入れ、太股に触れた。



「やっ……」


「元気になると、こういう事をまた企むかも知れません……」



「つっ……剛さん!
止め……ダメえっ!」



必死に脚をばたつかせるが、スカートが捲れ上がり、下着が露になってしまい、私は余計に慌てる。


剛が目を見開き喉をゴクリと鳴らすと、天井を仰ぎ歯を食い縛った。



私はその隙にスカートを直し、逃げようと身体を起こすが、剛に肩を押されまた倒される。







「は……離して……お願い」


涙で、視界がぼやけてしまう。
祐樹や悟志がいつ帰ってくるか分からないのに……
もし、こんな処を見られたら……

そんな事になったら、一体どうなってしまうのだろう。



剛は、悲しげな微笑を向け指で涙を拭い、私の思いを全部見透かす様に言った。



「……もし、誰かに見られても……
菊野さんは悪くありません……
俺が……全部悪いんです」


「剛さ……」



「安心……出来ないかも知れませんが、安心してください……
貴女が本気で嫌なら、俺は手を出しません……」



胸が痛む。
本気で嫌な訳がない。

私は貴方が好き……

もし、私が貴方ともう少し年齢が近かったら。

私が悟志さんの妻で無ければ。


迷わずその腕の中に飛び込むだろうに――





「……そんな目で見ないで下さい」


剛は、突然私から手を離すと起き上がり背を向けて髪を掻きむしり頭を抱え俯いた。


私は、まだ胸の高鳴りが収まらず、落ち着こうと深呼吸して身体を起こすが、振り向いた彼と目が会い、その眼差しに呪縛されベッドから降りる事が出来ない。



「菊野さんは、嫌がっていない……」


「え……っ」



「拒否もしないし、受け入れもしない……」



剛は、低く呻き、溜め息を吐く。


正にその通りで、私は何も言えずに彼を見詰めた。


「ほら……
そうやって、俺を惑わすんです」


「そ……んなつもりじゃ」


「俺に触れられる時の、貴女の表情を見たら……
勘違いしそうになります」


「ど……どうして?」


私は、やはり感情が全部顔に出てしまっているのだろうか。

彼をうっとりと見詰めているのに、気付かれてしまっている?







「菊野さんは――」


剛のひたむきな瞳は真っ直ぐにこちらに向き、その唇は私を幻惑させる。


彼は、何を聞くのだろうか。

私の気持ちを、確かめようとしているの?


今、聞かれたら。


"俺を、好きですか"


なんて、その瞳で、その唇で、その声で今、聞かれたら、うっかり、本当の気持ちを打ち明けてしまいそうで――



彼は、ベッドに片手を突き、口をゆっくりと開く。



「……菊野さんは」



――ダメ!
今、聞かれたらダメ!



「あ―――――――っ!」


私は咄嗟に、身体中で叫ぶ。



「……っ?」



剛は、耳を押さえて目を白黒させた。


暴れる心臓が身体から飛び出るのではないかと思う程苦しかったが、彼の気を逸らすのに私は必死だった。






「つ、剛さん!
剛さんは、高校を出たあとどうするのっ?
大学?専門学校?
それとも思いきって海外留学するっ?
それとも」



矢継ぎ早に質問する私を、彼は呆気に取られて見るが、苦笑いして私の隣に腰掛けた。


また距離が縮まってしまい、緊張とドキドキで声が裏返る。


「そ、それともピアノの腕を生かすなら、何処かの音楽家に弟子入りするとか――
そうだっ!祐ちゃんと一緒にコンクールに挑戦する?
それからそれから」


「菊野さん」


彼は、その眼差しひとつで私を黙らせる。


妖しさと情熱の混じった複雑な色の彼の瞳に、私はいつも魅了されてしまう。


まだ十五歳だというのに、何故、こんな目が出来るのだろう。






剛は、諦めた様に薄く笑い、私の肩を抱く。


「つ……剛さんっ」


離れようともがく私の腰を抱き寄せ、彼は甘える様に鼻先を私の胸に埋めた。


「ひっ……」


甘やかな擽ったさに、鳥肌が立ってしまう。



「今だけ……
菊野さんに触らせて下さい……」


彼は、背中を撫でながら胸に顔を埋めたままで呟く。


「んっ……
で……でもっ……こんなっ……やんっ」


彼の呼吸、僅かな指の動きで悶えてしまう。


「だから……そんな色っぽい声を出さないで下さい」


「むっ……だ、だって」


必死に声を出すのを堪え、私は掌で口を覆う。


剛が胸に顔を埋めたまま、クスクス笑うので、また私は耐えなければならなかった。



「……菊野さんの胸は大きくて……
温かいです」


彼の指が、いつの間にか乳房を布の上から掴んでいた。


「――やっ」


その腕を掴むが、彼は掌全体で乳房をまさぐり、私の身体の中心が熱く熟れる。






「や……止めなさいっ……」


まさか、身体を熱くしているなどと彼に悟られる訳には行かない。
精一杯、大人の威厳を込めてたしなめたつもりだった。

だが、彼は口の端を上げて、私を下から覗き込み笑う。


「……どうですか」


掌を円を描く様に回しながら、指先は突起を弄び、私を狂わせようとしていた。


私は、身体を震わせながらも必死に自分を保とうとするが、それももう危うい。


「ど……どうっ……て、何をっ……
や、止め……っ」


彼は、明らかに私の反応を見ながら指で突起をまさぐったり、圧を加えたりしていた。


「俺……上手いですか?」


「――っ」



かあっと頬が燃えた。







先程までは、熱を出し朦朧として、心細そうな子供の様に震えて泣いていたのに、今や剛は私を押さえ付け、淫らな悪戯を仕掛け私を陥落させようとしている。


彼の指から与えられる刺激に、その甘い眼差しに蕩けそうになりながら、私は猛烈に悔しさが込み上げてくる。



――私、大人の女なのに、彼に負けちゃう……っ!


だが、恐らく彼はまだ清崎とは、こういう行為はしていないのだろう。

"彼が初めて触れる女が、私で嬉しい"


という、浅はかで正直な気持ちもまた、あった。


「……さっき、貴女が……俺の将来、と言っていましたが」


彼が、指の動きを止めないままで囁いた時、絶妙な力で突起を押され、私は大きく身体を震わせてしまう。


「……ん……あっ」


「やっぱり……イイようですね」


彼がニヤリと笑い、私は必死に首を振り否定するが、もう遅かった。





「……ダメじゃないですか……俺に火を点けたら……」


剛は、指の動きに変化を付け突起への刺激を続けた。


「あっ……イヤッ……」


それはもはや、言葉だけの抵抗だった。


彼の低い笑いが耳を擽る。


「そのイヤ、は違いますね……」


「や……やだ……
本当に止めっ……あっ」


「……将来の話ですが……俺は……」



彼は、息を荒く吐きながら、両の掌で乳房を揉みしだいていた。



「ん……あっ!」


乱れる私の耳朶を軽く噛み、囁く。


「俺は……先の事なんてどうでも良いです……」


「なっ……だ、ダメよそんな」


彼が右手を太股へ滑らせ、身体を震わせる私を軽く睨んだ。


「お説教ですか?
今、こんな事をされて声を上げてる癖に……?」




「そ、それはっ……んっ」


私が反論しようとすれば、彼の熱い唇で塞がれてしまう。


唇で、その舌で、その視線で、その指で、私に触れて正気を奪い、狂わせる。



「俺は……今、貴女の事しか考えられません」


「剛さ――」


「好きです……
貴女が好きです……」


ベッドが時折軋む音、彼の息遣い、恋の詞(ことば)を聞きながら、私は、夕方祐樹が帰宅するその時まで、剛に抱き締められ、口付けられた。


いっそこのまま恋情の渦に身を委ねて、呑み込まれてしまいたかった。


でも、それは赦される事では無い。


一瞬でも恋に溺れかけた私は、いつか罰が下されるだろう。


その裁きが下るのは、もうすぐ――
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