勇者の才能が無さそうなので諦めて冒険者の道を選びました。

第4話｢ジョブ｣

採取依頼を達成した次の日、ジョブについて受け付けのメリッサさんに聞いてみるとどうやらジョブは教会に行き金貨を1枚を支払う事により就くことが出来るらしい。

幸い俺は王様からのお金も貰っていたため就くことが出来るみたいだ。

｢すみません、ここに来ればジョブに就くことが出来ると聞いたのですが｣

｢では、金貨1枚を。｣

そう言われ金貨1枚を教会の人に手渡す。そして、教会の人の説明が始まる。

｢確かに、ではジョブに着く前にジョブの説明をします。ジョブについてですが、どの街にも存在している教会に行き金貨1枚を支払えばジョブに就くことができます。また、ジョブのレベルがMAXになった場合も同様に金貨1枚を支払う事で別のジョブへとジョブチェンジすることも出来るようになります。
ジョブ事に限界Lvや取得できるスキルが異なるため最初のジョブ選びは慎重に行うべきというのが定石です。ジョブは、その人が行ってきた事に関連付けられたものが出てきます。実際体験した方が早いでしょう｣

要するに教会に行き金貨1枚さえ支払えば、ジョブの変更やセットを行うことが出来るのだ。奥の祭壇へと案内されるとジョブを唱える様に指示をされる。

『ジョブ』

すると目の前にステータスと言った時同様のものが表示される。

『黒魔道士』『剣士』『調合士』『鑑定士』

おぉ、何かそれっぽいのが四つもある。そう言えば、これまでの行いでジョブが決まるとか言っていたが思いつくのは鑑定士くらいだぞ。前世で暇な時にやっていた事だが、パソコンの検索エンジンを使用してのネットサーフィン。恐らくこれを行う事で得られるジョブなのだろう。残り三つは一体…。

｢細かいことは後だな、魔道士や剣士になってみたいが確実にジョブレベル高そうだし、1番低そうな鑑定士で行くか｣

戦闘系のジョブよりも今回は、冒険に役立ちそうなスキルを得られそうなことから鑑定士を選んだ。

『ステータス』

────────────────

名前:木場玲翔
種族:人間
ジョブ:鑑定士

Lv:2
HP:28
MP:43
力   :15
耐久:13
魔力:8
器用:15
敏捷:18

《スキル》
･鑑定〖Lv1〗
･解析〖Lv1〗

《固有スキル》
･自動翻訳

《称号》
･異世界から来たもの 

────────────────

スキル欄に『鑑定』と『解析』というものがあるな。鑑定の方に集中してみていると新たに説明欄が出てくる。

────────────

鑑定〖Lv1〗

生物のステータスを見ることが出来る。Lv事に鑑定出来る範囲が異なる。

────────────


────────────

解析〖Lv1〗
物体の情報を読み取り構造や仕組みを理解する事が出来る。Lv事に解析出来る範囲も変わる。

────────────

成程、どちらとも情報取得系のスキルだな。これがあれば薬草の採取も早く簡単に出来そうだ。

粗方の確認も終わり、教会を出ると冒険者ギルドへと戻る。新たな疑問点であるスキルレベルについてメリッサさんに聞くためだ。

｢メリッサさん、無事ジョブに就けました！それで、新たな疑問が生まれたのですがスキルレベルって何ですか？｣

｢スキルレベルは、1～10までのレベル上限があります。｣

────────────

スキルレベル
〖Lv1〗最低
〖Lv2〗
〖Lv3〗
〖Lv4〗
〖Lv5〗
〖Lv6〗
〖Lv7〗
〖Lv8〗
〖Lv9〗
〖Lv10〗最高

────────────

｢初めて得たスキルですと普通は〖Lv1〗からスタート地点になります。レベルが上昇する事により強力に能力が行使できるようになります。レベルを上昇させるには繰り返しスキルを行使する事が定石です。例外としましては〖固有スキル〗ですね。〖固有スキル〗の場合は殆どがレベルMAX状態で発現するらしいのです。あまり目にした事はありませんが…｣

やはり、この世界でもスキルレベルという概念は繰り返し使うことで上昇する事が普通なのだな。ゲームでも勉強でもそうだが繰り返せば繰り返すほど強くなるのか。かと言って喜んでばかりもいられない。

何故ならばこの世界努力こそ全てである。俺には、殆ど所謂チートみたいな能力は皆無。現時点のステータスでも少し強力な例えばゴブリン以上のモンスターに出くわせば簡単に死ぬのである。この前は、ゴブリンの油断で殺すことが出来たが、正直真正面から殺りあったら確実に負ける自信しかない。まぁ、今の所は考えても仕方ない問題なので、取り敢えず今日も薬草採取のクエストに行こうと思う。ノルマは大事である。