ばあちゃんの豆しとぎ

ようさん

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リスケ大作戦 6〜やっと出発できると思ったのに……そこ蒸し返しますか!?〜

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「だからうちは『親族だから何を贈れ』なんて決まりはないと思うんだよね。普通に香典でいいと思うよ」

「じゃあ、それとは別に花輪も」

 なかなか後に引かない。葬儀には出られなくても義理堅い婿さんだと思われたい気持ちはわかるのだが。

「会場はセレモニーホールとかじゃなくてうちの八畳の仏間なんだよ?ひいお祖母ちゃんの時に二間ぶち抜いても弔問客が入りきれなかったからって、お父さんが私達が自立した後にわざわざ退職金で増築したくらいなんだよ?それなのに、そんな邪魔なもの……」

「いやいや、花輪って行っても花だけじゃなくてさ。ジュースの詰め合わせがついてるのがあるじゃない」

「本当?そんなのあるの?見たことない」

「知らないの?まあいいや。自宅葬ったって業者は来るんだろ。カタログ見せてもらいなよ」

「向こうだって忙しいのに、嫌がるでしょ」

「商売なんだもの、嫌がらないさ。ジュースなら晃夫君だって喜ぶだろうし」

「晃夫だっていつまでも高校生とか大学生とかじゃないんだよ。もう立派な三十路のおっさんだよ」

 毎年酒だって一緒に飲んでるじゃないか。そもそも論点はそこじゃない。押さえ込んでいた苛々が再燃してきた。

「そうだっけ。まあとにかく頼むよ」

「私の実家にどうしても何かくれたいって言うんなら、自分で頼みなさいよ。インターネットで検索すれば電話一本で全国どこでも配達してくれるところがあるでしょうよ」

「いやいや、そう言わずにさ。じゃあ頼んだよ。道中気をつけて」

 豊はさっさと電話を切ってしまい私は怒りのため息をついた。子どもたちのほうがよっぽど本質を見抜いていて、自分ごととして腹を括っている。
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