3 / 30
焼き討ち
しおりを挟む
*
あたしの16歳の誕生日。
誕生日って言っても何かある訳ではない。
プレゼントがある訳でもないし。
あたしがサンタクロースを信じなかったのはクリスマスに特に何もなかったからだ。
あたしはいつものように夢の中。
何?
煙い。
火が燃えている。
油の匂い。
これは、、、。
焼き討ち。
民の反乱。
あたしは目覚めて告げた。
*
「陛下、民達が反乱を起こしております!」
「知っておるわ。
なーに。
今に始まった事ではない。
こっちには夢見がついておるのだからな。」
あたしが民達の反乱を告げてから3日後のことである。
あたしは夢の中。
父王は反乱をくい止める手段を教えよということであった。
煙い。
いつものとは訳が違う。
父上も母上も死、、、。
やはり盛者必衰。
運命は新しい時代へと移ろうとしている。
*
「運命だと?」
父王はあたしの夢見の結果を聞くと怒りをあらわにした。
「えぇい!
お前は何の為にいるのだ!
わしに死ねと言うのか?!
子供が親に言うことがそれなのか!」
何の為?
あたしにこれまで何をしてきたというのだ。
言いたいのはこっちだ。
あたしの夢見の力を利用して散々贅沢をして。
自業自得ではないか。
夢見の為に生きているだけ。
そう言いたいのか?
あたしは泣きたいけど涙が出ない。
言い返すこともできない。
民達が城の周りに集まっている。
城の周りには兵もいるが次々とやられていく。
今までで一番の反乱だった。
*
「もう頼まん!」
それだけ言い残し父王はあたしの前から去った。
部屋の扉が閉まると同時に呻き声が聞こえてきた。
「ぐぁ!
貴様、、。」
どさっ。
鈍い音が聞こえてすぐまた扉が開いた。
「お前の親はもう死んだ。
どうする?」
金髪の少年。
夢の中で会った男の子だった。
「あたしは夢見。
あなたは勇気ね?
この反乱の指導者?」
あたしは不思議と落ち着いていた。
「親が死んだのに涙ひとつ流さないんか。」
少年は不適に笑う。
「えぇ、こうなることは分かっていましたので。
あたしは民達を苦しめた王の娘の可憐。
夢見。
ここで死んだ憎むべき王の血を引く者。
死が怖い訳ではありません。
ただ分かっているのです。
あなたはあたしを殺さない。
命ごいととられても仕方ありませんが。
死期は分かっているのです。」
「ふはっ!
この血はおまえの親のもの。
俺が怖くないのか?」
「父や母はやり過ぎたのですね。
誰も人殺しなんてなりたくてなるものではないもの。
あたしはそれが一番悲しい。」
「命ごいにしか聞こえないね。
死んでもらうよ?」
勇気は血のべったりついた剣をあたしにむけた。
そして振り下ろす。
あたしは微動だにしなかった。
「へぇ。」
勇気はまた不適に笑う。
「夢見は自分の死期まで分かるか。
気の強い女は嫌いじゃない。
見たとこお前は贅沢してたわけじゃないみたいだし?」
「ひとつ言っておきます。
盛者必衰。
あたしに関わって王になったとしても滅びはいつか来ます。
夢見は良いことだけ言うわけではない。
あたしを連れて行くと言うことは未来を知ると言うことです。
覚悟、ありますか?」
「上等!
来な。」
かくしてあたしは勇気と共に生きることとなった。
*
あたしの16歳の誕生日。
誕生日って言っても何かある訳ではない。
プレゼントがある訳でもないし。
あたしがサンタクロースを信じなかったのはクリスマスに特に何もなかったからだ。
あたしはいつものように夢の中。
何?
煙い。
火が燃えている。
油の匂い。
これは、、、。
焼き討ち。
民の反乱。
あたしは目覚めて告げた。
*
「陛下、民達が反乱を起こしております!」
「知っておるわ。
なーに。
今に始まった事ではない。
こっちには夢見がついておるのだからな。」
あたしが民達の反乱を告げてから3日後のことである。
あたしは夢の中。
父王は反乱をくい止める手段を教えよということであった。
煙い。
いつものとは訳が違う。
父上も母上も死、、、。
やはり盛者必衰。
運命は新しい時代へと移ろうとしている。
*
「運命だと?」
父王はあたしの夢見の結果を聞くと怒りをあらわにした。
「えぇい!
お前は何の為にいるのだ!
わしに死ねと言うのか?!
子供が親に言うことがそれなのか!」
何の為?
あたしにこれまで何をしてきたというのだ。
言いたいのはこっちだ。
あたしの夢見の力を利用して散々贅沢をして。
自業自得ではないか。
夢見の為に生きているだけ。
そう言いたいのか?
あたしは泣きたいけど涙が出ない。
言い返すこともできない。
民達が城の周りに集まっている。
城の周りには兵もいるが次々とやられていく。
今までで一番の反乱だった。
*
「もう頼まん!」
それだけ言い残し父王はあたしの前から去った。
部屋の扉が閉まると同時に呻き声が聞こえてきた。
「ぐぁ!
貴様、、。」
どさっ。
鈍い音が聞こえてすぐまた扉が開いた。
「お前の親はもう死んだ。
どうする?」
金髪の少年。
夢の中で会った男の子だった。
「あたしは夢見。
あなたは勇気ね?
この反乱の指導者?」
あたしは不思議と落ち着いていた。
「親が死んだのに涙ひとつ流さないんか。」
少年は不適に笑う。
「えぇ、こうなることは分かっていましたので。
あたしは民達を苦しめた王の娘の可憐。
夢見。
ここで死んだ憎むべき王の血を引く者。
死が怖い訳ではありません。
ただ分かっているのです。
あなたはあたしを殺さない。
命ごいととられても仕方ありませんが。
死期は分かっているのです。」
「ふはっ!
この血はおまえの親のもの。
俺が怖くないのか?」
「父や母はやり過ぎたのですね。
誰も人殺しなんてなりたくてなるものではないもの。
あたしはそれが一番悲しい。」
「命ごいにしか聞こえないね。
死んでもらうよ?」
勇気は血のべったりついた剣をあたしにむけた。
そして振り下ろす。
あたしは微動だにしなかった。
「へぇ。」
勇気はまた不適に笑う。
「夢見は自分の死期まで分かるか。
気の強い女は嫌いじゃない。
見たとこお前は贅沢してたわけじゃないみたいだし?」
「ひとつ言っておきます。
盛者必衰。
あたしに関わって王になったとしても滅びはいつか来ます。
夢見は良いことだけ言うわけではない。
あたしを連れて行くと言うことは未来を知ると言うことです。
覚悟、ありますか?」
「上等!
来な。」
かくしてあたしは勇気と共に生きることとなった。
*
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる