MARENOL(公式&考察から出来た空想の小説)

ルーンテトラ

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心当たりのあの薬。抗うつ剤「*****」

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こんなに悪夢を見るのは初めてだ。でも、心当たりは1つある。

『メアノール錠』。
その薬はお医者さんから処方されたものではなく私が勝手に買った抗鬱剤だ。 
私は鬱なのだ。元々は病院で処方される薬を飲んだりしていたがまるで効果がない。 

カウセリングも受けたりしているけど、だいたい信用してない。だって、効果が無かったんだもん。

そうこうしてるうちに案の定処方された薬も飲まなくなり、外に出る気力もなくなった。 
まず部屋から出ること自体が大きな大きな関門なのだ。 ご飯も食べなくなって倒れたり吐いたりした。
吐いても何もでないのに何を吐いたんだろうか。ウケる。 


そんなある日幸か不幸か、インターネットでとある抗鬱剤を見つけた。
挑戦する気もない自殺方法を調べていたらお節介なことに載せられていたページで目に入ったのだ。 

死にたい人を引き止めるのは本当に幸せなんだろうかとも思うが。まあ、この話は置いておこう。

主作用は著しい抗鬱効果、気分の高揚、そして鬱自体の改善、栄養の調整、効力も極めて長いと至れり尽くせりらしい。 
ただそれよりも私はその副作用に惹かれた。『死に至る程の強い悪夢』と書かれていた。
本当に死に至るのかは胡散臭すぎるが、 
主作用が回復、副作用が死とは自殺志願者ならどっちに転んでもメリットがある。 
それに私自身夢日記をつけていたため悪夢を見るのも割と楽しかった。 
更に言うなら、副作用に悪夢という薬は意外と存在する。 
何回も使った事もある。
ならば、服用しても問題ないだろう。
という軽い気持ちだった。




実際薬のせいで悪夢を見るのか、関係なく悪夢を見ているのかはわからないのが現状で、
正直大したことはないらしいのだ。
内心信じていなかったのだ。 今思えばこれは舐めすぎだった。 
2度目なんだが、使用量をよく読まずに大量に飲んでしまったのだ。
ODなんて前もしたことがあるしという軽い気持ちで服用したのは自分だが。

よく考えれば自殺サイトに載ってるんだから、これは元々「それ」専用だったのかもしれないし、
「それ」を覚悟できてる人が服用するものだったのかもしれない。 


少なくともマジだ。 これは地獄のような悪夢を見る。夢の中で私は何度も何度も死ぬのだ。
それも現実と全く同じリアルな痛みで。 
針に刺される。押し潰される。首を吊られる。酸素を求めて水の中で藻掻く………全てリアルの痛みで伝わってくる。


往来にして薬による自殺は苦しいらしいが、 それに意図せずして挑戦してしまうとはなんて愚か。 
ああ死にたい。いや、死んでるのか。ああ、ああ。 
自殺したいと言ってはいたけど、こんなに苦しいのが嫌なのは確かだ。 


そしてこれが困ったことに薬のお陰で目が覚めている間は気分が良い。
腹が立ちそうなくらい気分が晴れやか。 お陰でこうして文章を書くことさえできているのは偉い。 
ただ、これは罠だと気付いた。 実際は「主作用が死で、副作用で生きたくなる」というものなのではとないかと。 

効果は逆なのかもしれない。
死んだらこの位の痛みを味わう事を夢で味わせ、人々の痛みをなくそうっていう運動みたいなもんだった、かもしれない。



早く…効果はいつになったら止むのかな…
もうこの辛さで終わってくれないかな…
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