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2話 推理対決?
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「真理究明会?ここは、オカルト研究部の部室では?」
現状の把握が追い付いてない僕は、脳内でつい先程の彼女の奇行を振り返りながら、現状の把握に努めていた。
「・・・あぁ、オカルト研究部なら、今年になり、部員が私だけになったのでね、規約に則り、オカルト研究部は、部から同好会に降格。その際、私がオカルト研究部から、真理究明会へと名前を変えたのさ。もっとも、今年中に会員が1人も増えなければ、真理究明会は、同好会からも降格され、部室も空け渡さなくてはならなくなるがね。」
「それがストレスとなり、あなたはあの様な奇行に走った、と?」
僕がそう尋ねると、彼女は、一呼吸程の間を空けて、「ハハハハハッ!」と、腹を抱えて笑い出した。
「うんうん!端から見れば私の行動は、奇行以外の何ものでもないだろうさっ!ハハハハハッ!!」
「・・・え?あっ、いやっ、まぁ?」
そんなに面白い事なのだろうか?という疑問が僕の脳裏をよぎった。
「ふぅー、まー、あれだっ!例えば、この一見何の変哲もない普通のホルンを吹けば、異世界へと続く扉が現れる、なんて私が言い出せば、白井くんは、いよいよ私がとち狂った、とでも思うのかな?」
「それは、ま、、あっ??」
ちょっと待て、僕は、まだ名乗って居ない筈だ。
ならば何故、彼女は僕の名前を知っているんだ?
「ならば何故、彼女は僕の名前を知っているんだ?・・・かな?」
「・・・ッ!?」
「ハハハハッ!なに、そんなに驚かなくても、こんなのはただの手品みたいなものさっ!私が、まだ聞いても居ない君の名を言い当てれば、君はそう考えるだろうという簡単な推理にすぎない。種も仕掛けもある当然の帰結という訳だ。」
「ならーー」
「何故、君の名を知っていたのか?と言えば、元々目をつけて居たからさ!君という天才は、是非とも我が真理究明会に招きたい!とね?あぁ、ちなみに、君が天才というのは、具体的には、君の保有する学習能力が、天才と呼ぶに相応しい程、高いという意味だ。では、何故目をつけたのか?と問われれば、それは、類友と言うものだよ。私は、推理能力が天才と呼ばれるに相応しい程高くてね、一目視れば、その人の人となりが大体分かる。人と言うものは、ただ普通にしているだけで、なんなら、突っ立っているだけで尚、多くの情報を発信している。重心なんかで、利き手、利き足、立ち方が規則正しいのか否かで、性格、服の着こなし、褶やシワの有無でその捕捉、身に付けている私物で好き嫌いの傾向、その他、挙げだしたらきりがないがね。」
「・・・。」
返す言葉が見当たらなかった。
理解が追い付いてない、と言うのもあるが、僕が抱く疑問に、先んじて彼女が答えてしまうので、何も言葉にする事が出来なかったのだ。
「さて、本題に戻そうか。」
僕は、彼女の言動を思い返し、1つの違和感を抱き、顎に指を当てていた。
僕の感じた違和感の正体、それは、今の彼女の態度と、始めに部室で見かけた中二病発言直後の顔を真っ赤にした彼女の態度だ。
彼女の言動は、まるでセールスマンか詐欺師の如く、会話相手に多くの情報を一気に与え、用意した返答へ誘導する高度な技術を用いた話術、そして、絞られた選択肢から、僕の思考を読み取る、鋭い観察眼と推理力を有している。
これらを踏まえた上で、顔を真っ赤にした彼女の言動を振り返れば、違和感以外の何者でもないといえる。
故に僕は、自身の抱いた違和感の正体を突き止めるためにも、「その前に、」と口を開き、会話の流れを断ち、先ずは会話の主導権を奪うことにしてみた。
「ん?あぁっ!私の名前は、見勢井 真奈と言う。学年は、君と同じ2年だ。」
「・・・ん、確かに、言われてみれば、見勢井さんの名前を聞いてませんでしたけど、そうではなくて、」
「私が何かを隠そうとしている・・かな?」
彼女は足を組み直し、艶やかな声音で、「君の聞きたい事とは。」と付け加えた。
「ッ!?」
確かに、そう尋ねるつもりでいた。
「あぁ、ちなみに私の隠している事は、この紙に書いて伏せている。なんと書かれているか予測してみたまえ。」
彼女はそう言い、机の上に乱雑に配置してあったA4のコピー用紙のうち、1枚をスライドさせて、自身の前に配置した。
会話の主導権云々で言えば、寧ろ逆効果。
不意をつかれ、顎にジャブを喰らい、ダウンをとられた位の衝撃を受けた。
きっと、彼女は般若のお面の下で、どや顔を決めているに違いない。
「・・・、見勢井さんが隠している事とは、男性恐怖症である事、ではないですか?」
「・・・何故、そう思い至ったのか理由を聞いても良いかな?」
微かではあるが、先程までよりも彼女の声に緊張感が混ざり、僕は確かな手応えを感じた。
「まず、初見時の赤面と動揺、その後との対応とのギャップ。また、真理究明会が存続の危機なのに、会員募集のポスターが、オカルト研究部のままであったことから、部員を積極的に勧誘していない事が伺えます。なのに、事前に会員候補を選別していた。これらの要素から、見勢井さんは、対人恐怖症あるいは男性恐怖症ではないのか?と推理しました。そして、今年になって部員が減り同好会に、とのことだったので、昨年まで居た部員は、1人か複数かは分かりませんが、性別は女性であり、そもそも対人恐怖症であれば、部活動に加入しないだろうと思い、男性恐怖症ではないのか?と推理しました。その前提で考えると、あなたは、男性と接する事が怖い、しかし、せっかく会員になってくれるかもしれない候補者が自らやって来た、昨年までいた女性部員との思い出の詰まった部室を手放したくない、ここまで都合の良い展開が揃ったのだから、どんな手を使ってでも、会員にしてみせる、そんな思惑に則った言動ではなかっただろうか?と予想出来、実際、これまでの会話を振り返れば、それらしき点が多く見受けられるからです。」
現状の把握が追い付いてない僕は、脳内でつい先程の彼女の奇行を振り返りながら、現状の把握に努めていた。
「・・・あぁ、オカルト研究部なら、今年になり、部員が私だけになったのでね、規約に則り、オカルト研究部は、部から同好会に降格。その際、私がオカルト研究部から、真理究明会へと名前を変えたのさ。もっとも、今年中に会員が1人も増えなければ、真理究明会は、同好会からも降格され、部室も空け渡さなくてはならなくなるがね。」
「それがストレスとなり、あなたはあの様な奇行に走った、と?」
僕がそう尋ねると、彼女は、一呼吸程の間を空けて、「ハハハハハッ!」と、腹を抱えて笑い出した。
「うんうん!端から見れば私の行動は、奇行以外の何ものでもないだろうさっ!ハハハハハッ!!」
「・・・え?あっ、いやっ、まぁ?」
そんなに面白い事なのだろうか?という疑問が僕の脳裏をよぎった。
「ふぅー、まー、あれだっ!例えば、この一見何の変哲もない普通のホルンを吹けば、異世界へと続く扉が現れる、なんて私が言い出せば、白井くんは、いよいよ私がとち狂った、とでも思うのかな?」
「それは、ま、、あっ??」
ちょっと待て、僕は、まだ名乗って居ない筈だ。
ならば何故、彼女は僕の名前を知っているんだ?
「ならば何故、彼女は僕の名前を知っているんだ?・・・かな?」
「・・・ッ!?」
「ハハハハッ!なに、そんなに驚かなくても、こんなのはただの手品みたいなものさっ!私が、まだ聞いても居ない君の名を言い当てれば、君はそう考えるだろうという簡単な推理にすぎない。種も仕掛けもある当然の帰結という訳だ。」
「ならーー」
「何故、君の名を知っていたのか?と言えば、元々目をつけて居たからさ!君という天才は、是非とも我が真理究明会に招きたい!とね?あぁ、ちなみに、君が天才というのは、具体的には、君の保有する学習能力が、天才と呼ぶに相応しい程、高いという意味だ。では、何故目をつけたのか?と問われれば、それは、類友と言うものだよ。私は、推理能力が天才と呼ばれるに相応しい程高くてね、一目視れば、その人の人となりが大体分かる。人と言うものは、ただ普通にしているだけで、なんなら、突っ立っているだけで尚、多くの情報を発信している。重心なんかで、利き手、利き足、立ち方が規則正しいのか否かで、性格、服の着こなし、褶やシワの有無でその捕捉、身に付けている私物で好き嫌いの傾向、その他、挙げだしたらきりがないがね。」
「・・・。」
返す言葉が見当たらなかった。
理解が追い付いてない、と言うのもあるが、僕が抱く疑問に、先んじて彼女が答えてしまうので、何も言葉にする事が出来なかったのだ。
「さて、本題に戻そうか。」
僕は、彼女の言動を思い返し、1つの違和感を抱き、顎に指を当てていた。
僕の感じた違和感の正体、それは、今の彼女の態度と、始めに部室で見かけた中二病発言直後の顔を真っ赤にした彼女の態度だ。
彼女の言動は、まるでセールスマンか詐欺師の如く、会話相手に多くの情報を一気に与え、用意した返答へ誘導する高度な技術を用いた話術、そして、絞られた選択肢から、僕の思考を読み取る、鋭い観察眼と推理力を有している。
これらを踏まえた上で、顔を真っ赤にした彼女の言動を振り返れば、違和感以外の何者でもないといえる。
故に僕は、自身の抱いた違和感の正体を突き止めるためにも、「その前に、」と口を開き、会話の流れを断ち、先ずは会話の主導権を奪うことにしてみた。
「ん?あぁっ!私の名前は、見勢井 真奈と言う。学年は、君と同じ2年だ。」
「・・・ん、確かに、言われてみれば、見勢井さんの名前を聞いてませんでしたけど、そうではなくて、」
「私が何かを隠そうとしている・・かな?」
彼女は足を組み直し、艶やかな声音で、「君の聞きたい事とは。」と付け加えた。
「ッ!?」
確かに、そう尋ねるつもりでいた。
「あぁ、ちなみに私の隠している事は、この紙に書いて伏せている。なんと書かれているか予測してみたまえ。」
彼女はそう言い、机の上に乱雑に配置してあったA4のコピー用紙のうち、1枚をスライドさせて、自身の前に配置した。
会話の主導権云々で言えば、寧ろ逆効果。
不意をつかれ、顎にジャブを喰らい、ダウンをとられた位の衝撃を受けた。
きっと、彼女は般若のお面の下で、どや顔を決めているに違いない。
「・・・、見勢井さんが隠している事とは、男性恐怖症である事、ではないですか?」
「・・・何故、そう思い至ったのか理由を聞いても良いかな?」
微かではあるが、先程までよりも彼女の声に緊張感が混ざり、僕は確かな手応えを感じた。
「まず、初見時の赤面と動揺、その後との対応とのギャップ。また、真理究明会が存続の危機なのに、会員募集のポスターが、オカルト研究部のままであったことから、部員を積極的に勧誘していない事が伺えます。なのに、事前に会員候補を選別していた。これらの要素から、見勢井さんは、対人恐怖症あるいは男性恐怖症ではないのか?と推理しました。そして、今年になって部員が減り同好会に、とのことだったので、昨年まで居た部員は、1人か複数かは分かりませんが、性別は女性であり、そもそも対人恐怖症であれば、部活動に加入しないだろうと思い、男性恐怖症ではないのか?と推理しました。その前提で考えると、あなたは、男性と接する事が怖い、しかし、せっかく会員になってくれるかもしれない候補者が自らやって来た、昨年までいた女性部員との思い出の詰まった部室を手放したくない、ここまで都合の良い展開が揃ったのだから、どんな手を使ってでも、会員にしてみせる、そんな思惑に則った言動ではなかっただろうか?と予想出来、実際、これまでの会話を振り返れば、それらしき点が多く見受けられるからです。」
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