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Ⅱ 嘘と裏切り
20話 喧嘩売ってる??
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「・・・、とりあえず、席へ着いてください。」
ラプス先生の指示に従い、アインは、自身の席を紹介され、そこへと座る。
場所は、一番後方の出入口扉横であった。
ちなみに、アーサー殿下の席は、教室のど真ん中である。
そして、自席へと着いたアインがとった行動は、両足を机に乗せた優雅な姿での、気持ち良さそうな熟睡であった。
「ZZZ~~~。ZZZ~~~。」
イビキをかくアインに対して、ラプス先生は、一瞬、顔をしかめるも、「それではーー」と、野外実習についての説明へと戻り、淡々とした口調で進行を行った。
~~ ホームルーム終了後、10分休憩 ~~
「・・・、あっ、あのっ!ファンですっ!握手してくだひゃいっ!!あっ、・・・もうやだぁ~、私ったらっ!・・・てへっ♪」
(てへっ♪・・・じゃねぇわぁぁぁあッ!!)
アインは、そう心の中で叫びながら、元々悪い目付きが更に悪くなっていた。
「あっ、すいませぇ~~ん!そういうのウザいんで、大丈夫で~~っす!」
机に足を乗せたまま、表情を無理矢理にこやかにして、アインは、ダルそうに教科書を、顔へと戻す。
「・・・はっ??」
アインのファンを自称する女子生徒は、先程までの素振りからは、想像もつかない程、低い声を出した。
(はぁ~~!だりぃわ~!何が、昨日の試合観ましたッ!!そのっ、とてもか、カッコ良かったですぅぅぅう~~!・・・だぁぁぁ!?あざといっ!!ってかウザいッ!!)
「チッ!!Sクラスになったから、狙い目だと思ったのに、何よッ!!偉そうにしてッ!!ほんとッ、ムカつくッ!!」
先に言おう。
この女子生徒は、ミーナではない。
しかしながら、アインへと声を掛けてくる女子生徒は、何故か、こういうタイプの女子生徒ばかりであった。
「やぁ!アイン!!先程から、モテモテではないか!?しかしなんで、そんな意地の悪い態度ばかり取るんだ??あぁ、でも確か、君の噂は、性格が悪く、口も悪く、目付きも悪い、しかし、剣の腕だけは超一流、といった物ばかりであったな!!」
「え??なに??殿下、もしかしてぇ、喧嘩売ってる??上等だっ!!こんにゃろー!!表へ出やがれ、こんちくしょー!!」
話掛けてきたアーサーに反応して、アインは、教科書を放り出し、挑発的な言動を取る。
「おいッ!!貴様ッ!!殿下に対して、不敬が過ぎるぞ!!」
アーサーの隣で、仁王立ちする金髪の女子生徒は、どうにもアインの態度が、気に入らない様だ。
「はぁ~~!?ちょっと、何言ってるかわかんねぇっすぅ~~!そもそもぉ~!魔剣師学園では、実力が全てでぇ?貴族も平民も分け隔てなく、切磋琢磨し合える場所なんじゃないんですかぁぁぁあっ!?」
「うっ、それはまぁ・・・」
口籠もる金髪の女子生徒に対して、アインは、左側の頬を吊り上げ、ここぞとばかりに、横柄な態度を取る。
「まぁまぁ、それくらいにしてやってくれアイン。彼女は、私への忠誠心が強く、こんな風な態度を取ってしまっているが、それも、近衛として仕方のない事なのだ。許して欲しい。それにオルビス、自己紹介位したらどうだ??」
アーサーはアーサーで、何故かもう既に、アインと友達の様な立ち位置からの台詞を、口走っている。
「で、殿下がそう仰られるのであれば。」
と、オルビスは、致し方無い感じで、自己紹介を始める。
「オルビス・オルレアンだ。貴様と同じ、伯爵家の出身で、今は、殿下の近衛を仰せつかって居る。貴様は、目付きも性格も口も悪いが、剣の腕だけは、超一流だと認めてやらんでもない。」
オルビスは、仁王立ちで、髪を払いながら、堂々とそう名乗った。
「てめぇも俺に喧嘩売ってんのかよっ!?殿下と合わせて、2割り引きで買ってやるから、表へ出やがれっ!!」
「き、貴様というやつはッ!!私こそッ!!貴様の腐った性根と目付きを叩き直してやるッ!!覚悟しろッ!!」
「おいッ!!目付きは関係ねぇだろうがッ!!乳揉むぞ、このおっぱいッ!!」
アーサーは、そんな睨み合う2人を、「プハハハハッ!!」と、腹を抱えて笑いながら見守る。
「なっ!?き、貴様ッ!!ぶっころーーーッ!?」
「オルビス??戯れはそれまでにしておきなさい?」
あわや、一発即発!というタイミングで、アーサーの背後から、女子生徒が現れる。
「し、シルビア様。お恥ずかしい所を御見せして、申し訳ございません!ですがっ!この男は、今ここで切り捨ててしまったほうがッ!?」
「まぁ、御待ちなさい。先ずは、私にも、彼へ自己紹介をさせて下さいな。」
「わ、わかりました。」
そう言って、オルビスは、シルビアへ一礼をする。
そして、アインをキッ!!と睨む。
「初めまして、アイン・クロスフォード様。私、シルビア・エルメシアと申し上げます。アーサー殿下共々、同じSクラスの仲間として、仲良くして頂けたら幸いですわ。」
シルビアは、スカートを持ち上げ、礼儀正しく美しい所作で、一礼をした。
しかしながら、アインには、その笑顔に、若干の影が差して居るようにも、見受けられた。
ラプス先生の指示に従い、アインは、自身の席を紹介され、そこへと座る。
場所は、一番後方の出入口扉横であった。
ちなみに、アーサー殿下の席は、教室のど真ん中である。
そして、自席へと着いたアインがとった行動は、両足を机に乗せた優雅な姿での、気持ち良さそうな熟睡であった。
「ZZZ~~~。ZZZ~~~。」
イビキをかくアインに対して、ラプス先生は、一瞬、顔をしかめるも、「それではーー」と、野外実習についての説明へと戻り、淡々とした口調で進行を行った。
~~ ホームルーム終了後、10分休憩 ~~
「・・・、あっ、あのっ!ファンですっ!握手してくだひゃいっ!!あっ、・・・もうやだぁ~、私ったらっ!・・・てへっ♪」
(てへっ♪・・・じゃねぇわぁぁぁあッ!!)
アインは、そう心の中で叫びながら、元々悪い目付きが更に悪くなっていた。
「あっ、すいませぇ~~ん!そういうのウザいんで、大丈夫で~~っす!」
机に足を乗せたまま、表情を無理矢理にこやかにして、アインは、ダルそうに教科書を、顔へと戻す。
「・・・はっ??」
アインのファンを自称する女子生徒は、先程までの素振りからは、想像もつかない程、低い声を出した。
(はぁ~~!だりぃわ~!何が、昨日の試合観ましたッ!!そのっ、とてもか、カッコ良かったですぅぅぅう~~!・・・だぁぁぁ!?あざといっ!!ってかウザいッ!!)
「チッ!!Sクラスになったから、狙い目だと思ったのに、何よッ!!偉そうにしてッ!!ほんとッ、ムカつくッ!!」
先に言おう。
この女子生徒は、ミーナではない。
しかしながら、アインへと声を掛けてくる女子生徒は、何故か、こういうタイプの女子生徒ばかりであった。
「やぁ!アイン!!先程から、モテモテではないか!?しかしなんで、そんな意地の悪い態度ばかり取るんだ??あぁ、でも確か、君の噂は、性格が悪く、口も悪く、目付きも悪い、しかし、剣の腕だけは超一流、といった物ばかりであったな!!」
「え??なに??殿下、もしかしてぇ、喧嘩売ってる??上等だっ!!こんにゃろー!!表へ出やがれ、こんちくしょー!!」
話掛けてきたアーサーに反応して、アインは、教科書を放り出し、挑発的な言動を取る。
「おいッ!!貴様ッ!!殿下に対して、不敬が過ぎるぞ!!」
アーサーの隣で、仁王立ちする金髪の女子生徒は、どうにもアインの態度が、気に入らない様だ。
「はぁ~~!?ちょっと、何言ってるかわかんねぇっすぅ~~!そもそもぉ~!魔剣師学園では、実力が全てでぇ?貴族も平民も分け隔てなく、切磋琢磨し合える場所なんじゃないんですかぁぁぁあっ!?」
「うっ、それはまぁ・・・」
口籠もる金髪の女子生徒に対して、アインは、左側の頬を吊り上げ、ここぞとばかりに、横柄な態度を取る。
「まぁまぁ、それくらいにしてやってくれアイン。彼女は、私への忠誠心が強く、こんな風な態度を取ってしまっているが、それも、近衛として仕方のない事なのだ。許して欲しい。それにオルビス、自己紹介位したらどうだ??」
アーサーはアーサーで、何故かもう既に、アインと友達の様な立ち位置からの台詞を、口走っている。
「で、殿下がそう仰られるのであれば。」
と、オルビスは、致し方無い感じで、自己紹介を始める。
「オルビス・オルレアンだ。貴様と同じ、伯爵家の出身で、今は、殿下の近衛を仰せつかって居る。貴様は、目付きも性格も口も悪いが、剣の腕だけは、超一流だと認めてやらんでもない。」
オルビスは、仁王立ちで、髪を払いながら、堂々とそう名乗った。
「てめぇも俺に喧嘩売ってんのかよっ!?殿下と合わせて、2割り引きで買ってやるから、表へ出やがれっ!!」
「き、貴様というやつはッ!!私こそッ!!貴様の腐った性根と目付きを叩き直してやるッ!!覚悟しろッ!!」
「おいッ!!目付きは関係ねぇだろうがッ!!乳揉むぞ、このおっぱいッ!!」
アーサーは、そんな睨み合う2人を、「プハハハハッ!!」と、腹を抱えて笑いながら見守る。
「なっ!?き、貴様ッ!!ぶっころーーーッ!?」
「オルビス??戯れはそれまでにしておきなさい?」
あわや、一発即発!というタイミングで、アーサーの背後から、女子生徒が現れる。
「し、シルビア様。お恥ずかしい所を御見せして、申し訳ございません!ですがっ!この男は、今ここで切り捨ててしまったほうがッ!?」
「まぁ、御待ちなさい。先ずは、私にも、彼へ自己紹介をさせて下さいな。」
「わ、わかりました。」
そう言って、オルビスは、シルビアへ一礼をする。
そして、アインをキッ!!と睨む。
「初めまして、アイン・クロスフォード様。私、シルビア・エルメシアと申し上げます。アーサー殿下共々、同じSクラスの仲間として、仲良くして頂けたら幸いですわ。」
シルビアは、スカートを持ち上げ、礼儀正しく美しい所作で、一礼をした。
しかしながら、アインには、その笑顔に、若干の影が差して居るようにも、見受けられた。
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