生活力ゼロなのでホームキーパーを雇うことにしました。
妻に先立たれた作家 小倉隆英は呆然自失状態に陥っていた。妻と共に児童小説のベストセラー作家を夢に見てシリーズを書き、そして支えていてくれた妻が死んだ。作品が、妻と一緒に見た夢だけが、責任のようにのしかかる。
筆は折るまい。妻が望まないから。しかし、なぜ俺は書いているんだ。
白紙のページを睨むだけにらんでも時は沸いてこない。よって小倉は休載を続け、食事は出前を頼み、家のことは一切できず、ゴミ屋敷を作ってしまっていた。
そんな折帰国した弟に図星をつかれる。
「こんな汚い部屋で書けるのか?」
小倉は弟に進められホームキーパー……家事代行サービスを契約する。そこに来たのは、髪を脱色しピアスを空けた軽薄そうな男子大学生だった。
帰れといったが男は聞かなかった。「ゴミ屋敷を放っておけないっすよ」と腕まくりをする大学生を追い出せないまま……段々と青年は小倉の生活に侵食していく。
筆は折るまい。妻が望まないから。しかし、なぜ俺は書いているんだ。
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そんな折帰国した弟に図星をつかれる。
「こんな汚い部屋で書けるのか?」
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