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Ⅴ 眠らない街 雅
56話 君達は、この場所に相応しくないよ。
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~~ 観客席 ~~
「勝ちましたわね。」
ぴしゃりといった口調でユミルは、淡白に言葉を発した。
「あぁ、完勝だったな。」
アーサーは、ボーッとした様子で言葉を発する。
ビクスは、眉間に深いシワを作り、「・・・成る程。」と、更に何かを、勝手に察した様子だ。
尚、ヤスとミーナは、席を外している。
※飲み物を買いに行くと言って、配当を受け取りに行ってます。
ミーナは、自分が負けろと指示を出せば、アインは、むしろ勝つためにやる気を出すだろうと予測。
実際には、若干アインの心境を読み違えているも、結果は的中。
金貨1.6枚の純利益を叩き出していた。
ただ、ヤス以外には気付かれていないが、アインが勝利した瞬間、思わず素で、「よっしゃぁッ!!」と口にしてしまい、肝を冷した場面があった。
~~ アイン視点へ戻る ~~
「この男ヒャッハッ!!彼は、我々に魅せてくれるッ!!魅せるのみは魅力のみだとッ!!その拳で語っている~~ッ!?」
「ヒャーーーーッハァーーーーッ!!」
アインの叫びに対して、会場全体が熱声と歓声と称賛の嵐が返ってくる。
(あぁ、なんだろう。この心地の良い感覚は・・・。このしっくりとくる感覚。もしかして、俺は、ここで生まれ育ったのではッ!?)
その場の一体感のあまり、アインは、そんな感情を抱く、1種の"ハイ"と呼ばれる状態に突入していた。
"ハイ" = 脳内で、ドーパミンとアドレナリンが大量に分泌されて戦いモード全開かつ、何をやっても楽しく感じる状態。
「さぁ!ヒャッハッ!!継続か中断かどっちを選ぶッ!?中断しても、連勝記録は途切れないが、継続すれば、ファイトマネーが1.2倍となるぞぉぉぉ~!?」
すると、実況の問いに、アインは、両腕を掲げて答える。
「継続だぁぁぁッ!!てめぇら全員ッ!!俺にッ!!ベットしろぉぉぉおッ!!」
すると、会場に籠る熱は、更に勢いを増す!!
「キターーーッ!!連戦だぁぁぁッ!!この男ッ!!やはり!やはりッ!!我々の期待を裏切らない~ッ!!」
~~ 観客席 ~~
「あの方、継続とか言ってますわね。」
「何故だろうな。私にも、そう聞こえた。」
もはや、無の状態のユミルとアーサーが、単調に言葉を交わす。
ビクスは、「・・・ふむ。」と、両手を膝の上で握り、眉間に深いシワを作っていた。
そしてミーナは、そっと席を立つ。
そんなミーナを、ヤスはそっと見逃す。
「さぁ!!続いての闘士はこいつだッ!!同じく1連勝中!隻眼の身軽な巨漢ッ!!クーーージローーーーッ!!」
~~ 来賓用 VIPルーム ~~
「・・・まさか、こんな安い罠にかかるとはの。」
妙齢の年頃の体つきのレフィーナが、呆れた表情で、言葉を漏らしていた。
「あれが、レフィの言ってた、クロスフォードの三男坊かい?」
「そうじゃ。間違いないわい。あんな清々しいヒャッハーは、他ではなかなか聞けんじゃろうて。」
「へぇ~!確かに、面白い子だねぇ~!」
レフィーナと言葉を交わすのは、黒い髪に金色の瞳をした、色白い青年である。
「さて、ヨーザンよ!妾は、忠告してやったからの??そろそろ、帰るとするわい。」
「えぇ~!もう帰っちゃうの~!?」
「そもそも、妾はあやつから大損害を受けてしもうたんじゃ!こんな所で、油を売っとる暇はないッ!!んじゃの~!」
そう言い残し、レフィーナは、姿を消す。
「ふ~ん。」
ヨーザンは、腰掛けている椅子をガタゴトガタゴトと、前後ろへと、力を込め揺らす。
そして、バタンッ!!と、遂に後ろへ倒れてしまう。
「そうだな~!画伯とマニアなら、彼らを全員、捕らえられるかな~?」
倒れた状態のまま、ヨーザンは、顎に手を当て目を閉じる。
「でも、マニアは女の子を殺しちゃうからな~。まぁ、いっか!」
そして、ヨーザンは、ムクリと立ち上がり、観客席に座るアーサー達一行の方へと顔を向ける。
「ここはボクの街。夜の王が統べる、ならず者達の楽園。君達は、この場所に相応しくないよ。」
そう言い残し、ヨーザンもVIPルームから退席した。
「勝ちましたわね。」
ぴしゃりといった口調でユミルは、淡白に言葉を発した。
「あぁ、完勝だったな。」
アーサーは、ボーッとした様子で言葉を発する。
ビクスは、眉間に深いシワを作り、「・・・成る程。」と、更に何かを、勝手に察した様子だ。
尚、ヤスとミーナは、席を外している。
※飲み物を買いに行くと言って、配当を受け取りに行ってます。
ミーナは、自分が負けろと指示を出せば、アインは、むしろ勝つためにやる気を出すだろうと予測。
実際には、若干アインの心境を読み違えているも、結果は的中。
金貨1.6枚の純利益を叩き出していた。
ただ、ヤス以外には気付かれていないが、アインが勝利した瞬間、思わず素で、「よっしゃぁッ!!」と口にしてしまい、肝を冷した場面があった。
~~ アイン視点へ戻る ~~
「この男ヒャッハッ!!彼は、我々に魅せてくれるッ!!魅せるのみは魅力のみだとッ!!その拳で語っている~~ッ!?」
「ヒャーーーーッハァーーーーッ!!」
アインの叫びに対して、会場全体が熱声と歓声と称賛の嵐が返ってくる。
(あぁ、なんだろう。この心地の良い感覚は・・・。このしっくりとくる感覚。もしかして、俺は、ここで生まれ育ったのではッ!?)
その場の一体感のあまり、アインは、そんな感情を抱く、1種の"ハイ"と呼ばれる状態に突入していた。
"ハイ" = 脳内で、ドーパミンとアドレナリンが大量に分泌されて戦いモード全開かつ、何をやっても楽しく感じる状態。
「さぁ!ヒャッハッ!!継続か中断かどっちを選ぶッ!?中断しても、連勝記録は途切れないが、継続すれば、ファイトマネーが1.2倍となるぞぉぉぉ~!?」
すると、実況の問いに、アインは、両腕を掲げて答える。
「継続だぁぁぁッ!!てめぇら全員ッ!!俺にッ!!ベットしろぉぉぉおッ!!」
すると、会場に籠る熱は、更に勢いを増す!!
「キターーーッ!!連戦だぁぁぁッ!!この男ッ!!やはり!やはりッ!!我々の期待を裏切らない~ッ!!」
~~ 観客席 ~~
「あの方、継続とか言ってますわね。」
「何故だろうな。私にも、そう聞こえた。」
もはや、無の状態のユミルとアーサーが、単調に言葉を交わす。
ビクスは、「・・・ふむ。」と、両手を膝の上で握り、眉間に深いシワを作っていた。
そしてミーナは、そっと席を立つ。
そんなミーナを、ヤスはそっと見逃す。
「さぁ!!続いての闘士はこいつだッ!!同じく1連勝中!隻眼の身軽な巨漢ッ!!クーーージローーーーッ!!」
~~ 来賓用 VIPルーム ~~
「・・・まさか、こんな安い罠にかかるとはの。」
妙齢の年頃の体つきのレフィーナが、呆れた表情で、言葉を漏らしていた。
「あれが、レフィの言ってた、クロスフォードの三男坊かい?」
「そうじゃ。間違いないわい。あんな清々しいヒャッハーは、他ではなかなか聞けんじゃろうて。」
「へぇ~!確かに、面白い子だねぇ~!」
レフィーナと言葉を交わすのは、黒い髪に金色の瞳をした、色白い青年である。
「さて、ヨーザンよ!妾は、忠告してやったからの??そろそろ、帰るとするわい。」
「えぇ~!もう帰っちゃうの~!?」
「そもそも、妾はあやつから大損害を受けてしもうたんじゃ!こんな所で、油を売っとる暇はないッ!!んじゃの~!」
そう言い残し、レフィーナは、姿を消す。
「ふ~ん。」
ヨーザンは、腰掛けている椅子をガタゴトガタゴトと、前後ろへと、力を込め揺らす。
そして、バタンッ!!と、遂に後ろへ倒れてしまう。
「そうだな~!画伯とマニアなら、彼らを全員、捕らえられるかな~?」
倒れた状態のまま、ヨーザンは、顎に手を当て目を閉じる。
「でも、マニアは女の子を殺しちゃうからな~。まぁ、いっか!」
そして、ヨーザンは、ムクリと立ち上がり、観客席に座るアーサー達一行の方へと顔を向ける。
「ここはボクの街。夜の王が統べる、ならず者達の楽園。君達は、この場所に相応しくないよ。」
そう言い残し、ヨーザンもVIPルームから退席した。
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