上 下
14 / 47
チュートリアル

14話 戦闘能力の向上は、至急の課題。

しおりを挟む
 この世界の戦闘方法は、魔剣士スタイルが主流である。

 広域殲滅用の魔法や魔術や、それらを駆使して戦闘を行う、魔術師や魔法師が居ない。

 個人が保有する魔力量の兼ね合いが大きいのと、そもそも、貴族以外で魔力を保有するものが極端に少ないのも、攻撃魔法が発展しなかった理由らしい。

 貴族は、モンスターの脅威から人々を守るという義務があり、ユウは、何となく武士を連想した。

 (これで、国王と妃が王女であるララを結果には、あっさりと俺に同行させた理由が分かったな。)

 「しかし、貴族に魔力を持つ者が集中しているのは何故だ?

 貴族に都合が良すぎないか??」

 その疑問に答えてくれたのが、ユウの独り言を、口を半開きにし、聞いていたララである。

 「あのねあのね!ライグザント王国の貴族はね!みんな、英雄アンセムの血を引いているの!いるんだよ?いるんだってぇ~!」

 アホ毛をピコーンと立てて、頭を左右に大きく動かしながら、ユウへそう教えてくれた。

 「英雄アンセム??誰だそいつは?」

 「えっとねぇ~、ライグザント王国がライグザント王国になる前のお話でね!神龍ペンドラゴンの血を飲んで、英雄になった人なの!その時代の魔王を倒した人なんだよ!ふふん♪」

 「ほぅ・・・。」

 (だとするなら、魔力を有するには、英雄アンセムの血縁である必要があるのかも知れない。)

 「所でさぁユウくん?本当に、シュノンより強くなるまで、ゼパード大要塞ここに、滞在するの??しちゃうの??」

 「当然だ。

 恐らく、このゲーム世界は、ダンジョン攻略だけなら、ガンガン行こうぜ!で十分クリア出来るのだろう。

 なぜなら、ダンジョンの中では死なないからだ。

 しかし、ダンジョン以外で死を迎えると俺は、元の世界へ強制送還されるらしいからな。

 となれば、この世界ゲームの展開として警戒すべきは、ダンジョン以外で降りかかって来るであろう、死亡フラグだ。

 きっと、序盤から、強敵がバンバン登場する筈だ。

 つまり、戦闘能力の向上は、至急の課題。

 王国近衛騎士団の中でも、最も実力のある人物キャラ、シュノンよりも強くならなければ、話にならない。」

 「うん・・・んん??・・・ふ~ん?!」

 顎に手を当て、自分の考えを披露するユウを、ララは、両手の人差し指を頭にちょこんと当てながら、顔をしかめ、なんとか理解しようと務めた。

 ・・・が、理解出来ず、こんがらがり、吹き出しが爆発する。

 そんな様相を浮かべていた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

3億円の強盗犯と人質の私⁉(ラブサスペンス)

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:12

運命の出会い~それぞれの人生が織りなす恋物語~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

運命の衝突から始まる絆

O.K
恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

~妖 Ayakashi~ 〈美少女妖術奇譚〉

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...