42 / 43
賛成してくれるのは嬉しいですが温かく見守るだけでお願いいたします
しおりを挟む
リクの衝撃発言で現在大恐慌中の苳子さん。
「やっぱり、ダメよ! 教え子に手を出したなんて、千野家や高宗家の名誉に関わるわ!!」
そう叫んで、頭に血が上りすぎたのか、不意にクラっと体を揺らめかして、その場にあった籐椅子に座り込んだ。
「大丈夫ですかっ?!」
思わずリクの手を振り払って、私は苳子さんに駆け寄り、その顔を覗き込んだ。
真っ青になって憔悴している苳子さんの肩をさすると、「ううっ」と今度は身を屈めて、顔を覆って泣き出してしまった。
これって、リクの発言の……つまりは私のせいだよね?
いくらなんでも、お師匠さまと再会したり、知らないで過ごしてきた事実が判明したりと色々な出来事が起きているタイミングで、リクの「教え子と結婚前提にお付き合いしています」発言は、やっぱりまずかったんじゃ?
しくしく泣いている苳子さんにどう言葉を掛けていいのか分からず、私は何となくその背中をさすり始めた。
「ううっ……あなた、優しいのね……」
突然顔を上げてそう言うと、苳子さんは私の胸元に顔を埋めるようにして抱きついてきて……再び泣き出す。
しかも大声で、ワンワンと。
「ちょっ!? 母さん! サホがつぶれる!」
「……大丈夫、何とか」
膝立で苳子さんの体を受け止めるように体勢を立て直し、その体を支える。
少女のような容姿の苳子さんは、体もほっそりしていて、多少体重を掛けられてもそこまで負担ではない。
抱きつかれまま、仕方ないので背中をさすり続ける。
やがてだんだん声が小さくなって、苳子さんの泣き声はワンワンからシクシクに戻り、やがてヒックヒックと鼻を啜るレベルまで小さくなった。
その頃になってようやく私の体から離れて、指先で涙をぬぐい始める。
反射的にハンカチを差し出そうとしてポケットを探ったけど、ハンカチがない。
そう言えば、ここに来る前に、汗だくだったリクに渡して、そのままだった。
仕方がないので、代わりにポケットティッシュを取り出して、苳子さんの目元にあてがうと、それを受け取って自分で涙をぬぐった。
急に静かになってしまい、何となく気まずい時間が過ぎる。
何か言わなくちゃ、と思いながら、助けを求めるようにリクを見上げた。
と、カチャっと音がして扉が開いた。
理事長とお師匠さまが、帰ってきた。
20数年越のプロポーズは上手く行ったようで、お師匠さま、理事長の腕に手を添えている。
「どうした? 苳子、泣いているのか?」
苳子さんの泣き顔に気が付いた理事長がそう尋ねると、せっかく泣き止んだ苳子さん、再び目元がうるうるとし始める。
「だって! 兄さん! 利久が! この子に! 教え子に手を出して!」
「だからまだ健全な付き合いだって。ちゃんと将来も誓いあっている、真剣な交際だよ」
「だからって! 高校生なのよ?! 一体いくつ年が離れていると思っているの?」
「7歳だけど?」
「そんな年下のお嬢さんを、よりによって教師のあなたが!」
「……いや、まあ、将来結婚する気だというなら、まあ、いいんじゃないか?」
「兄さん?!」
思いがけず、理事長の口からから援護の言葉が出て、苳子さんは目を白黒させる。
「だよね。教育者でも、年下の女子高生相手に恋をしたって、いいよね?」
「ダメよ!」
「何で?」
「そんなこと、千野家や高宗家の人間が……」
「母さん、父さんといくつ違いだっけ?」
「……え? ……8歳だけど」
「ってことは、由利恵さんも、父さんとは8歳違いだよね?」
「そう……よ……」
「で、聞いた感じだと、高宗の家に引き取られたのって、高校生の時だよね? で、母さんが千野に嫁いだ年には、もう俺が生まれている。さっき、結婚は成人しての約束って言っていたけど、母さんが結婚したのって、本当は19歳だよね? 高校卒業後すぐ。と言うことは?」
苳子さんが高校卒業後すぐに結婚して、その年にはリクが生まれている、ってことは。
リクが生まれるための、その、色々な出来事が、高校卒業前後くらい? 理事長の話だと、その前からこっそりお付き合い自体はしていたっぽいし……あ、お師匠さまか高校在学中に、もう交際していたってこと?
「……でも、兄さんは、由利恵さんの、担任じゃなくて……だから……」
「教育者には代わりないよね?」
「……そう、ね」
リクに言いくるめられて、苳子さん、二の句が告げなくなる。
ちょっと気の毒になってきた。
「あの、本当に、高校卒業するまでは、清らかな関係でいますから……」
「ちょ!? サホ! そういうこと勝手に宣言しないで!」
せめて少しでも安心させようと苳子さんに言うと、リクが慌てて制止する。
「だって、正式に婚約するまでは、絶対手を出さないって誓ったの、リクだよ?」
「だから、高校在学中に婚約は整えるって!」
「……なるほど。それなら……。幸いにも家柄もさほど問題ないようだし」
フムフムと理事長、顎に手を当てて、何か企んでいる顔をする。
あれ? でもなんで? 苳子さんに比べて理事長、あんまり驚いていなかったし。
リクが話しておいた、って感じでもないよね? さっきの口ぶりだと。
お師匠さまが勝手に話すはずもないし。
「兄さんは知っていたの?」
だんだん落ち着いてきて、私と同じことが気になったらしい苳子さんが、理事長に尋ねる。
「いや。だが、ずっと手をつないでいたし、それに見れば利久がこのお嬢さんにベタぼれなのは分かるだろう?」
「そう……なの?」
「一目で分かったよ。なんと言っても、由利恵にそっくりだ。顔かたちじゃなくて、その、雰囲気がな。昔の由利恵を思い出させる」
「……そう言えば」
苳子さん、まじまじを私を見つめる。
そうなんだ? お師匠さまと私って、似てるの?
前にリクにも言われたけど。
学校で初めて挨拶した時に、理事長の表情が一瞬変わったのも、そのせい?
お師匠さまの所作に憧れてきた私にとっては、何だかとっても嬉しいことなんどけど。
「でも、由利恵というより……」
「映子さま、よね? だって、私にとっては映子さまこそ、憧れのお姉さまで、映子さまのようになりたかったのだもの、あの頃」
うっとりとするお師匠さまに、苳子さん、納得したように首を何度も上下に振る。そして、同じようにうっとりして。
「そうね。素晴らしいお姉さまだったわ。大和撫子の鑑よね。とてもお優しくて……確かに、似ているかもしれないわ」
確かにお母さんの所作も綺麗だけど、そこまで?
というか、そんな存在だったの? 桜女時代のお母さんって。
「ああ、なるほど。苳子の憧れていた先輩か。通りで。なんだかんだで、利久は私とも苳子とも好みが似ているからな」
「……いや、好みだけで片付けないでほしいんだけど。誰かに似ているとじゃなくて、俺はサホがサホであるだけで、大好きなんだけど」
……嬉しいけど、あんまりこんな場面で『大好き』とか、ストレート過ぎて、恥ずかしい。
「そう、映子さまに似ているのね」
「だから、似ているとか、関係ないから」
「でも、やっぱり、交際は慎重にならないと。良いお嬢さんなのは良く分かるわ。けれど、そうでなくても兄さんの強行策で、桜女の内部でも色々あるのだし、表向き縁戚の利久が教え子と交際なんて、反対派からしたら都合の良い醜聞なのよ。もし露見したら……」
うーん、なんだかんだ言っても、やっぱり苳子さんて、理事長の妹なんだね。真剣な顔で冷静に分析しているところは、すごく理知的に見える。
「だが、『なかざわ』のお嬢さんなら、実はあらかじめ婚約していたという大義名分も通るだろう」
「え?」
「お前の大好きな『映子さま』の、お嬢さんだろう?」
理事長、知っていたんだ? まあ、名字は伝えてあるし、うちが和菓子屋なのも知っていたし、そう言えばさっき、苳子さんもお母さんの結婚の話、していたもんね。
「……利久! 今から映子さまのところに行くわよ! お嬢さんを下さいってお願いに!!」
「ダ! ダメだ! それは俺のセリフ!! というか母さんが出てきたら、話が壊れる!」
さっきまでの理知的な横顔がどこかに消えて、目を爛々と輝かせている苳子さん……猪突猛進モードだ。
うん、できればすべて整ってからお願いいたします。
「やっぱり、ダメよ! 教え子に手を出したなんて、千野家や高宗家の名誉に関わるわ!!」
そう叫んで、頭に血が上りすぎたのか、不意にクラっと体を揺らめかして、その場にあった籐椅子に座り込んだ。
「大丈夫ですかっ?!」
思わずリクの手を振り払って、私は苳子さんに駆け寄り、その顔を覗き込んだ。
真っ青になって憔悴している苳子さんの肩をさすると、「ううっ」と今度は身を屈めて、顔を覆って泣き出してしまった。
これって、リクの発言の……つまりは私のせいだよね?
いくらなんでも、お師匠さまと再会したり、知らないで過ごしてきた事実が判明したりと色々な出来事が起きているタイミングで、リクの「教え子と結婚前提にお付き合いしています」発言は、やっぱりまずかったんじゃ?
しくしく泣いている苳子さんにどう言葉を掛けていいのか分からず、私は何となくその背中をさすり始めた。
「ううっ……あなた、優しいのね……」
突然顔を上げてそう言うと、苳子さんは私の胸元に顔を埋めるようにして抱きついてきて……再び泣き出す。
しかも大声で、ワンワンと。
「ちょっ!? 母さん! サホがつぶれる!」
「……大丈夫、何とか」
膝立で苳子さんの体を受け止めるように体勢を立て直し、その体を支える。
少女のような容姿の苳子さんは、体もほっそりしていて、多少体重を掛けられてもそこまで負担ではない。
抱きつかれまま、仕方ないので背中をさすり続ける。
やがてだんだん声が小さくなって、苳子さんの泣き声はワンワンからシクシクに戻り、やがてヒックヒックと鼻を啜るレベルまで小さくなった。
その頃になってようやく私の体から離れて、指先で涙をぬぐい始める。
反射的にハンカチを差し出そうとしてポケットを探ったけど、ハンカチがない。
そう言えば、ここに来る前に、汗だくだったリクに渡して、そのままだった。
仕方がないので、代わりにポケットティッシュを取り出して、苳子さんの目元にあてがうと、それを受け取って自分で涙をぬぐった。
急に静かになってしまい、何となく気まずい時間が過ぎる。
何か言わなくちゃ、と思いながら、助けを求めるようにリクを見上げた。
と、カチャっと音がして扉が開いた。
理事長とお師匠さまが、帰ってきた。
20数年越のプロポーズは上手く行ったようで、お師匠さま、理事長の腕に手を添えている。
「どうした? 苳子、泣いているのか?」
苳子さんの泣き顔に気が付いた理事長がそう尋ねると、せっかく泣き止んだ苳子さん、再び目元がうるうるとし始める。
「だって! 兄さん! 利久が! この子に! 教え子に手を出して!」
「だからまだ健全な付き合いだって。ちゃんと将来も誓いあっている、真剣な交際だよ」
「だからって! 高校生なのよ?! 一体いくつ年が離れていると思っているの?」
「7歳だけど?」
「そんな年下のお嬢さんを、よりによって教師のあなたが!」
「……いや、まあ、将来結婚する気だというなら、まあ、いいんじゃないか?」
「兄さん?!」
思いがけず、理事長の口からから援護の言葉が出て、苳子さんは目を白黒させる。
「だよね。教育者でも、年下の女子高生相手に恋をしたって、いいよね?」
「ダメよ!」
「何で?」
「そんなこと、千野家や高宗家の人間が……」
「母さん、父さんといくつ違いだっけ?」
「……え? ……8歳だけど」
「ってことは、由利恵さんも、父さんとは8歳違いだよね?」
「そう……よ……」
「で、聞いた感じだと、高宗の家に引き取られたのって、高校生の時だよね? で、母さんが千野に嫁いだ年には、もう俺が生まれている。さっき、結婚は成人しての約束って言っていたけど、母さんが結婚したのって、本当は19歳だよね? 高校卒業後すぐ。と言うことは?」
苳子さんが高校卒業後すぐに結婚して、その年にはリクが生まれている、ってことは。
リクが生まれるための、その、色々な出来事が、高校卒業前後くらい? 理事長の話だと、その前からこっそりお付き合い自体はしていたっぽいし……あ、お師匠さまか高校在学中に、もう交際していたってこと?
「……でも、兄さんは、由利恵さんの、担任じゃなくて……だから……」
「教育者には代わりないよね?」
「……そう、ね」
リクに言いくるめられて、苳子さん、二の句が告げなくなる。
ちょっと気の毒になってきた。
「あの、本当に、高校卒業するまでは、清らかな関係でいますから……」
「ちょ!? サホ! そういうこと勝手に宣言しないで!」
せめて少しでも安心させようと苳子さんに言うと、リクが慌てて制止する。
「だって、正式に婚約するまでは、絶対手を出さないって誓ったの、リクだよ?」
「だから、高校在学中に婚約は整えるって!」
「……なるほど。それなら……。幸いにも家柄もさほど問題ないようだし」
フムフムと理事長、顎に手を当てて、何か企んでいる顔をする。
あれ? でもなんで? 苳子さんに比べて理事長、あんまり驚いていなかったし。
リクが話しておいた、って感じでもないよね? さっきの口ぶりだと。
お師匠さまが勝手に話すはずもないし。
「兄さんは知っていたの?」
だんだん落ち着いてきて、私と同じことが気になったらしい苳子さんが、理事長に尋ねる。
「いや。だが、ずっと手をつないでいたし、それに見れば利久がこのお嬢さんにベタぼれなのは分かるだろう?」
「そう……なの?」
「一目で分かったよ。なんと言っても、由利恵にそっくりだ。顔かたちじゃなくて、その、雰囲気がな。昔の由利恵を思い出させる」
「……そう言えば」
苳子さん、まじまじを私を見つめる。
そうなんだ? お師匠さまと私って、似てるの?
前にリクにも言われたけど。
学校で初めて挨拶した時に、理事長の表情が一瞬変わったのも、そのせい?
お師匠さまの所作に憧れてきた私にとっては、何だかとっても嬉しいことなんどけど。
「でも、由利恵というより……」
「映子さま、よね? だって、私にとっては映子さまこそ、憧れのお姉さまで、映子さまのようになりたかったのだもの、あの頃」
うっとりとするお師匠さまに、苳子さん、納得したように首を何度も上下に振る。そして、同じようにうっとりして。
「そうね。素晴らしいお姉さまだったわ。大和撫子の鑑よね。とてもお優しくて……確かに、似ているかもしれないわ」
確かにお母さんの所作も綺麗だけど、そこまで?
というか、そんな存在だったの? 桜女時代のお母さんって。
「ああ、なるほど。苳子の憧れていた先輩か。通りで。なんだかんだで、利久は私とも苳子とも好みが似ているからな」
「……いや、好みだけで片付けないでほしいんだけど。誰かに似ているとじゃなくて、俺はサホがサホであるだけで、大好きなんだけど」
……嬉しいけど、あんまりこんな場面で『大好き』とか、ストレート過ぎて、恥ずかしい。
「そう、映子さまに似ているのね」
「だから、似ているとか、関係ないから」
「でも、やっぱり、交際は慎重にならないと。良いお嬢さんなのは良く分かるわ。けれど、そうでなくても兄さんの強行策で、桜女の内部でも色々あるのだし、表向き縁戚の利久が教え子と交際なんて、反対派からしたら都合の良い醜聞なのよ。もし露見したら……」
うーん、なんだかんだ言っても、やっぱり苳子さんて、理事長の妹なんだね。真剣な顔で冷静に分析しているところは、すごく理知的に見える。
「だが、『なかざわ』のお嬢さんなら、実はあらかじめ婚約していたという大義名分も通るだろう」
「え?」
「お前の大好きな『映子さま』の、お嬢さんだろう?」
理事長、知っていたんだ? まあ、名字は伝えてあるし、うちが和菓子屋なのも知っていたし、そう言えばさっき、苳子さんもお母さんの結婚の話、していたもんね。
「……利久! 今から映子さまのところに行くわよ! お嬢さんを下さいってお願いに!!」
「ダ! ダメだ! それは俺のセリフ!! というか母さんが出てきたら、話が壊れる!」
さっきまでの理知的な横顔がどこかに消えて、目を爛々と輝かせている苳子さん……猪突猛進モードだ。
うん、できればすべて整ってからお願いいたします。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる