夫には言えない、俺と息子の危険な情事

あぐたまんづめ

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7話「1週間ぶりの夫との……」

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 夫の鷲が出張から帰ってきたことで、三角家には再び平穏が戻った。
 俺は妻として、鵠は息子として、あるべき姿に戻った。
 濃密なあの1週間など、まるで嘘かのように。





「ん~~久しぶりの琴の匂いサイコー!」
「ちょ、痛い痛い! この馬鹿力!」
「ただいまぁ、プリプリなお尻ちゃん~~」
「っ、ちょーしにのんな!」


 寝室で二人きりになった途端、急に抱きつきセクハラを仕掛ける夫に、チョップをかました。
 しかし俺のカラダをまさぐる手は止まらない。


「いーじゃん少しくらいガッついても。この1週間おっさんに囲まれた拷問のような生活を送ってたんだぞ~」
「はいはい、それで成果はあったのか?」
「まーね。だから頑張った旦那にご褒美くれないかな~、なーんて――――ン」


 鷲のお喋りな口を封じるため、自分の唇を重ねた。
 鷲は目を見開いて驚いていたが、すぐに舌を絡ましてきた。
 俺の腰を引き寄せ、貪るようにキスをする夫にはいつもと違って余裕を感じられなかった。
 よほど1週間顔を合せなかったのが堪えたのだろう。


「ん、んむ……しゅう、お前――――煙草吸ってたろ」


 唇が離れたタイミングで言ってみれば、鷲はあからさまに視線を泳がした。
 本人曰く口寂しかったらしい。だけどそれだけには見えない。顔はやつれているし、目にもクマがある。
 今はΩ専門の違法風俗について扱っていると言っていた。鷲は生粋のα嫌いだから、かなり精神的にも肉体的にも疲労が溜まっているはずだ。


 ――――なおさら鵠が実はαでしたなんて、言えるわけがない。


 黙り込んでいると、鷲は困ったように眉を下げて言った。


「――――やっぱり怒ってる? 黙って吸ってたこと」
「いや、お前が多忙なのはよく分かっている。本当は一番の理解者である俺が支えてやらなきゃいけないのに」
「それなら俺だってそうだ! お前が発情期で辛い時に傍にいてやれなかった……旦那失格だ」


 本当にこいつはお人好しだ。
 お前がそうやって自責の念を抱いている間に、俺が何してたと思う?息子のものケツに挿れてヨガってたんだぞ。
 目の前の夫に申し訳ない気持ちと、自分の淫乱さに苛立ちを覚えた。
 俺はうつむく鷲をベッドに押し倒し、唯一身につけていたトランクスを下し、露になった性器を咥えた。


「……っ、琴? いいよ、フェラなら俺がするし……」
「うっせ、俺がしたくてやんの。いーから、そのまま大人しく仰向けになっとけ」
「ん……そこ、きもち…い」
「んぅ、んむ……んも、ぅっ……んん」


 やや乱暴に夫のものを咥えこんでいたが、1週間ご無沙汰だったのかすぐにパンパンに膨張した。
 硬化し血管が浮かび上がって屹立したソレは、まるで別の生き物みたいだった。


「ごめ……もう、イきそ……口離して」
「いやらぁね、このまま口ん中で……出せよ」
「え……ちょ、琴……~~っくっそ!」


 さっきまで俺の頭を撫でていた手で、無理やり股間に頭を押しつけられた。
 怒張した肉棒が咽喉を貫く勢いで、ガンガンと口腔に出し入れされる。
 苦しかったけど、ちょうどいいと思った。鷲はいつも優しく俺を扱うから、こうやってイマラチオされる方が、息子としたコトを許されるような安堵を得られた。


「――……ん、出る、――――――ッ!」
「ん゛ん゛ん゛! ……ん゛、ぶっ」


 濃くて熱い精液を一気に呑み下したせいで、喉に詰まりかけて噎せてしまった。
 そんな俺の背中を慌てて擦りながら、鷲は謝罪した。


「ご、ごめん琴! 途中で完全に余裕なくしたわ」
「……気にすんな。俺がしたくてしただけだ。いつもお前にやってもらってばかりだったから」


 鷲は「ありがと」と言って頬に軽くキスし、今度は俺をベットに寝かせた。


「じゃあ、次は俺が琴を気持ちよくさせる番」


 鷲はベッド横にある引き出しからローションを取り出した。そして液体を掌に馴染ませ、人差し指を俺の後孔へとゆっくり差し込んだ。


「――――あれ? まだ一本目なのにすんなり入っちゃった」


 鷲の疑問めいた一言に体が硬直した。
 鵠のものを毎日のようにココに受け入れていたのだから、容易く入ってしまうのは自然の摂理だ。
 とっさにその場しのぎの嘘をついた。


「――、お前のために準備しといたに決まってるだろ? 言わせんな」


 鷲はまんざらでもなさそうに喜んでいたが、俺はバレなかったことに胸をなでおろす。
 鷲の「挿れるね」を合図に、再び上に向き始めた性器が後孔に挿入された。
 息子のものによって開かれた穴の中に、夫のものが容易く奥まで入りこんだ。


「~~っ、久しぶりの琴のナカ、気持ち……」


 鷲は快感を噛みしめながら、何度も腰を打ちつけた。
 俺は反対に快楽とは程遠く、痛みと苦しさだけが体を支配していた。
 普段鷲とセックスする時は自然に性器も反応していたし、挿入されれば一緒に果てたりもした。
 なのに、自分の性器は寸分も勃つことなく、股間に小さく収まっているだけだった。


「琴の、全然反応してないじゃん」


 さすがに鷲も気づいてグニグニと俺の性器を弄ってくれたものの、一向に勃つ気配はない。
 ――――夫との1週間ぶりのセックスはそこで中断された。

 優しいあいつは「発情期明けだから、体が疲れているんだよ」と励ましてくれた。
 でも自分の体は自分が一番よく知っている。
 相性のいいαの味を知ってしまった、Ωの呪い。
 気づいてしまった。自分のナカに鷲の肉棒を挿れても余る隙間。そこにピッタリ入る鵠の性器を、カラダが欲しているのだと。
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