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まあ、こちらは『異世界行き課』です。
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うふふと今日も楽しげな女神様。
宙に浮いている鏡の様な物を見ている。
こちらの視線に気付き、いらっしゃいと手招きする。
逆らう必要もないので大人しく向かう。
「ほら♪ 『蕪木萌香』ちゃん♪」
鏡を大きくし、画面を見せてくる。
そこには外の様子が上から写し出されており、その一角にイソイソと小走りの女の子が。
「んね。やーっぱり『異世界行き』の条件を理解してるみたいなのよね~。隙がないのよ~。ふふ。面白いわね~♪」
確かに。移動中の彼女の周りには常に誰かしらが近くにいて、異世界トラックが突っ込む隙間が出来ないよう努めているふうに見える。
「行きたくないんですかね……」
「ん~……。まぁでも条件は満たしているから送っちゃうわ♪ きっと喜んでくれるわよ♪ うふふ」
「こちらの準備も整っております。不動産は自宅のみで、そこそこの立地にありますので売却も思うより早く進むかと思われます」
「はいは~い。よろしくね♪ さて、いつにしようかなっと♪」
さて『蕪木萌香』の異世界送り当日――――
「ちょ、ちょっ! 大変大変! 大変よ~~~!!!」
カカカとヒールを鳴らし駆け込んでくる女神様。
――きっと、どうでもいいことでしょう……。
だがしかし、円滑にことを進める為には敢えて尋ねなければならない。
「いかがしましたか」
「ん!ーもぉ~~~! た~いへんっ なっのよ~~~!!」
「はぁ」
「何とー! 本日! 超ハイスペとの合コンが入りました~~~♪」
「それはそれは」
良かったですねと言うところでハタと気付く。
「本日は『蕪木萌香』さんの異世界送りとなっておりますが」
「そう! そうなのよ~~~ なんでー、パパっと送っちゃうわよ~~!」
エイエイオーと拳を振り上げる女神様。
人生の一大事を、合コンがあるからという理由でパパっと済まされようとしている『蕪木萌香』さんが不憫でならない。だが、こちらの世界に居るよりは異世界の方が彼女の為に良いのであろう。それがパパっと済まされようとも……。
「なので~~ 演出は無しで送っちゃうわ。残念だけど」
女神様の勝手であるのに、まるで人のせいのように、ヤレヤレと肩をすくめ手のひらを見せる。
「承知致しました」
逆らうのは得策ではないし、サックと済ませられるなら、それに越したことはない。
そうそうと眼鏡。
「午後からという予定は動かせないと思いますが構いませんでしょうか」
「ん、ん~。それは仕方ないわよね。仕事の邪魔は出来ないわ♪」
仕事に理解のある女神様。今日は午前と夕方前に会議が入っている。
「異世界送りは予定通りの時間からサクッと進めればきっと問題ないわ♪」
「かしこまりました」
女神様はくるりと体を見渡す。
「あ、あ~ん。今日は合コン予定じゃなかったからイマイチなのよね…… 美容室にネイル…… 急いで整えないとっ! 眼鏡ちゃんっ! 女神ちゃんは外出してきますから、後はよろしくね!」
「はぁ」
「夕方には戻るわ~~♪」
「……行ってらっしゃいませ」
カカカと、またヒールを鳴らし去っていく女神様。
嵐のようだと眼鏡は思うのでした。
宙に浮いている鏡の様な物を見ている。
こちらの視線に気付き、いらっしゃいと手招きする。
逆らう必要もないので大人しく向かう。
「ほら♪ 『蕪木萌香』ちゃん♪」
鏡を大きくし、画面を見せてくる。
そこには外の様子が上から写し出されており、その一角にイソイソと小走りの女の子が。
「んね。やーっぱり『異世界行き』の条件を理解してるみたいなのよね~。隙がないのよ~。ふふ。面白いわね~♪」
確かに。移動中の彼女の周りには常に誰かしらが近くにいて、異世界トラックが突っ込む隙間が出来ないよう努めているふうに見える。
「行きたくないんですかね……」
「ん~……。まぁでも条件は満たしているから送っちゃうわ♪ きっと喜んでくれるわよ♪ うふふ」
「こちらの準備も整っております。不動産は自宅のみで、そこそこの立地にありますので売却も思うより早く進むかと思われます」
「はいは~い。よろしくね♪ さて、いつにしようかなっと♪」
さて『蕪木萌香』の異世界送り当日――――
「ちょ、ちょっ! 大変大変! 大変よ~~~!!!」
カカカとヒールを鳴らし駆け込んでくる女神様。
――きっと、どうでもいいことでしょう……。
だがしかし、円滑にことを進める為には敢えて尋ねなければならない。
「いかがしましたか」
「ん!ーもぉ~~~! た~いへんっ なっのよ~~~!!」
「はぁ」
「何とー! 本日! 超ハイスペとの合コンが入りました~~~♪」
「それはそれは」
良かったですねと言うところでハタと気付く。
「本日は『蕪木萌香』さんの異世界送りとなっておりますが」
「そう! そうなのよ~~~ なんでー、パパっと送っちゃうわよ~~!」
エイエイオーと拳を振り上げる女神様。
人生の一大事を、合コンがあるからという理由でパパっと済まされようとしている『蕪木萌香』さんが不憫でならない。だが、こちらの世界に居るよりは異世界の方が彼女の為に良いのであろう。それがパパっと済まされようとも……。
「なので~~ 演出は無しで送っちゃうわ。残念だけど」
女神様の勝手であるのに、まるで人のせいのように、ヤレヤレと肩をすくめ手のひらを見せる。
「承知致しました」
逆らうのは得策ではないし、サックと済ませられるなら、それに越したことはない。
そうそうと眼鏡。
「午後からという予定は動かせないと思いますが構いませんでしょうか」
「ん、ん~。それは仕方ないわよね。仕事の邪魔は出来ないわ♪」
仕事に理解のある女神様。今日は午前と夕方前に会議が入っている。
「異世界送りは予定通りの時間からサクッと進めればきっと問題ないわ♪」
「かしこまりました」
女神様はくるりと体を見渡す。
「あ、あ~ん。今日は合コン予定じゃなかったからイマイチなのよね…… 美容室にネイル…… 急いで整えないとっ! 眼鏡ちゃんっ! 女神ちゃんは外出してきますから、後はよろしくね!」
「はぁ」
「夕方には戻るわ~~♪」
「……行ってらっしゃいませ」
カカカと、またヒールを鳴らし去っていく女神様。
嵐のようだと眼鏡は思うのでした。
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