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炎上、輝く君
04-01:不穏な噂
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このところ、帝の体調が思わしくないらしい。
石清水臨時祭も間近に迫っている。近々清涼殿で試楽も行われるというのに、このままではいけないと公卿達も危機感を持った。昂明を含めた陰陽師達は、そんな帝の加持祈祷の為に他の高名な僧侶らなどと共に召集されることになったのだ。
そのうちの一人として、その日昂明は陰陽寮へと赴いた。
銀は邸で桜と共に留守番だ。昂明の式神を名乗る銀とはいえ、そうそう頻繁に大内裏を出入りしているわけではない。名乗ってはいても実際のところはただのは人間。ほいほいと大内裏に頻繁に出入りして、人目を引くのは藪蛇だからだ。
桜は相変わらず何も語らない。
山で桜を見つけた日から比べれば随分と年相応の幼い顔を見せるようになったと思う。しかし彼女は決して自分のことを話そうとはしなかったのだ。
ただの一度も。
「くそ、本当に人のことなんだと思ってるんだ……」
昂明がぼやきながら邸へと戻ると、丁度桜と銀とが話しているところだった。
「あのね、銀ってほんとに式神なの?」
「そうだな……桜はどう思う?」
「わかんない」
質問に質問で返され、些か桜は不機嫌なようだ。頬を膨らませて銀のことを恨めしそうに睨む。そんな姿は本当に子供らしく……いや、そのようなことを言ったら怒られてしまうかもしれない。
桜はもう幾度となく同じことを銀に尋ねている。そのたびに銀は笑って「式神だよ」と桜に言うのだ。
けれど銀は少しだけ考えている様子で……そして桜に向かって言った。
「桜。僕はこの世にいてはいけない者なんだよ」
「なんで?」
「何でだろうな。分からない。……ただ、俺が生きていくためには、式神であるのが一番都合がいいんだ」
「どうして?」
どうしてなのか。その答えを銀は良く知っている。しかしそんなことを銀の口から説明させるわけにはいかない。
だから昂明は銀が答えを口にする前に二人の間に割って入った。
「桜。銀をあまり困らせるなよ」
「昂明。早かったな」
助かったとばかりに駆け寄ってきた銀の表情が笑っている。話を邪魔され、桜は少しばかり不機嫌そうだった。
昂明はそんな桜に悪いと思いつつも銀へと向き直る。
「聞いてくれよ、本当にひどい目に遭ったんだよ……」
石清水臨時祭も間近に迫っている。近々清涼殿で試楽も行われるというのに、このままではいけないと公卿達も危機感を持った。昂明を含めた陰陽師達は、そんな帝の加持祈祷の為に他の高名な僧侶らなどと共に召集されることになったのだ。
そのうちの一人として、その日昂明は陰陽寮へと赴いた。
銀は邸で桜と共に留守番だ。昂明の式神を名乗る銀とはいえ、そうそう頻繁に大内裏を出入りしているわけではない。名乗ってはいても実際のところはただのは人間。ほいほいと大内裏に頻繁に出入りして、人目を引くのは藪蛇だからだ。
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ただの一度も。
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昂明がぼやきながら邸へと戻ると、丁度桜と銀とが話しているところだった。
「あのね、銀ってほんとに式神なの?」
「そうだな……桜はどう思う?」
「わかんない」
質問に質問で返され、些か桜は不機嫌なようだ。頬を膨らませて銀のことを恨めしそうに睨む。そんな姿は本当に子供らしく……いや、そのようなことを言ったら怒られてしまうかもしれない。
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「なんで?」
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「どうして?」
どうしてなのか。その答えを銀は良く知っている。しかしそんなことを銀の口から説明させるわけにはいかない。
だから昂明は銀が答えを口にする前に二人の間に割って入った。
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「昂明。早かったな」
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「聞いてくれよ、本当にひどい目に遭ったんだよ……」
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