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第一話:そのお子様ランチは存在したか
1-4:想いを繋ぐ夜想曲
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静かなカフェタイムの後は慌ただしいディナータイムだった。みんな隙間時間に賄いを食べながらばたばたと応対する。
スペクターの従業員さん達も休むことなく厨房で料理に勤しんでいた。
彼らは幽霊なのでさすがにホールスタッフとしては出られないらしい。
接客の手が回りきらないヴィクターさんのために、アインさんとジェドさんもホールスタッフとして夜は入れ代わり立ち代わり、お客さんの応対をしていた。
僕も何か手伝えたらなあと思うけれど、何の練習もしていない素人がいきなりあの場所に出てもドジを踏むのが目に見えている。
実際、お水くらいなら……と思って持っていこうとしたものの、三歩歩いたところで躓いて水をぶちまけてしまった。
我ながらドジさ加減に涙が出そうになる。
とはいえ、なんとなくこの『ビストロ・ノクターン』が深夜まで営業をしている理由が分かった気がする。皆で飲み屋に向かう人たちも多いけれど、遅くまで働いた人たちが静かに楽しめる贅沢な食事を求めてこのお店にやってくるのだ。
横浜のビジネスエリアにあるこのお店は、それなりにそういった遅くまで働く人たちの需要に応えられる場所らしい。
「きょっぴー、店長の部屋にこれを届けて貰っても良いですか?」
閉店した店内の掃除を終えたジェドさんが、僕の事を呼び止めた。
僕も流石に掃除くらいはと手伝うことにしたのだ。……もっとも、大した手伝いは出来なかったけど。
「わかりました。……これって、なんです?」
渡されたトレーにはココアとカップに入った棒。
「パンの耳をカリっと揚げたラスクですよ。この後も頑張る店長の夜食にね」
そう言ってジェドさんはウインクをした。
アインさんはあんなに早く起きたのにまだ頑張るんだ……。
店長って、本当に大変なんだな。そう思いながら僕はアインさんの自室へと向かった。
……そういえばなんだかんだ気づけばお世話になったまま一日が過ぎてしまった。このまま今日も泊まらせて貰って良かったんだろうか。
出て行けと言われないか、少しだけ不安になってしまう。
アインさんの自室の扉の前で僕は一瞬足を止めた。
話し声がする……ような気がする。
『迷惑かけて――けど――の――お願いね……』
一体誰と話しているんだろう?
声の感じからすると女性のようにも聞こえるけれど……。
どうしよう、そう思って少し悩んだけれど思い切って扉を叩くことにした。
「失礼します」
ノックの後で部屋の中へと入る。
「わぁ、凄い」
思わず入った瞬間に感嘆の声をあげてしまった。
部屋の壁面は備え付けの本棚になっていて、見渡す限り本がぎっしりと詰め込まれている。その本に囲まれるように、アインさんは机に向かって何か作業をしていた。
「ああ、君が持ってきてくれたのか。悪いね、きょっぴー」
アインさんの中でもどうやら『きょっぴー』が定着してしまったらしい。僕はそこに突っ込むのはやめて、机の脇にココアと夜食の入ったカップを置いた。
そしてどうやらアインさんのほかには誰も居ないようだ。
さっき確かに話し声が聞こえていた筈なのに……。
アインさんはお店の帳簿をつけているらしい。パソコンに向かいながら電卓を片手に、レシートとにらめっこしている。
「凄い量の本ですね……」
感心しながら壁をぐるぐる見回す僕を、面白そうな顔でアインさんは見た。
「ははは、これはね。殆ど日記だよ」
「日記?」
「そう。……長いこと生きていると、時間の感覚が薄くなりがちでね。いつ何が起こったか、記録するようにしているんだ」
手近な本を棚から引っこ抜くと、アインさんはパラパラとめくって見せてくれた。そこにはその日あった出来事などが万年筆で丁寧に記されていた。お客さんとの心温まるエピソードや、お店での失敗。忘れられない出来事や新しい出会い、そして別れ。
(本当にお店を愛して、お客さんの事を大切に想ってるんだ……)
この日記を読んだだけでもずっしりとそれが伝わってきた。
ヴァンパイアだけど、人間じゃないけれど。
この仕事を心から愛している人なんだ。
ただの綺麗な人だけじゃない、心まで綺麗なその人の横顔が、僕にはより一層素敵で魅力的なものに映った。
こんな素敵な心を持った人のところで働くことができたらな……。
「そうそう、今朝一番で知り合いの警察官に君の事を伝えたんだけどね。今の所捜索願で君に該当しそうな人物は居なかったんだ」
そんな気持ちを中断するかのように、自分の話が降ってきた。
そうだ、僕は記憶喪失だし、自分がどこから来たのかもわからない。
このままで良いのかといえば良くはない。
「そうですか……有難う御座います」
少し気落ちしながらお礼を言った僕にアインさんは優しく語り掛ける。
「一応、身元不明者として警察に保護して貰ってもいいんだけど……君はどうしたい?」
「僕は……」
ここに居たい。そう言いたい。
けれど、そんな事を言っても許されるのだろうか。
記憶もなく、大したことも出来る筈がないであろう、僕が。
アインさんは僕の戸惑いをよそに、にこやかな顔で話す。
「ここはホテルを改修して作った洋食屋でね。かつての客室を改修して社員寮として使っているんだ。君が望むなら、記憶が戻るまでここに居てくれても構わないよ」
僕の気持ちを見透かされているのだろうか。その穏やかな語り口は、諭されているようにも感じる。
「でも、僕お金もないし……」
さっきここに居たいと思ったばかりなのに、けれどそんな自分に自信がなくて、否定的な言葉が先に出てしまう。どうしようもない話なのだけれど、「自分なんて」といいつつ引き止めて貰いたい。
そんな小ずるい考えの自分がどうしようもなく浅ましい。
「まあ、率直に言うと、私や従業員たちは皆海外から来た……いわゆる異国の地からやってきた『よそ者』なんだよ。だから日本の住人や同族、いわゆる『あやかし』達と上手くやっていくために、色々と気を使う事も多くてね。慈善事業にも結構力を入れている」
「じ、慈善事業ですか?」
「そう。やはり人助けにご近所づきあいだったり、普段の行いが何事も大事だからね」
僕の後ろ向きな言葉を吹き飛ばす勢いで、突拍子もない話がアインさんから飛び出した。まさかヴァンパイアから「人を助けるのは慈善事業、ご近所づきあいが大事」なんて心温まる話が出てくるとは思わない。
「は、はあ……」
あまりのギャップに、拍子抜けした声が出てしまう。
「君の思うまま、好きに決めて構わない。……勿論、今すぐに決めろという訳でもない。今後君はどうしたいのかゆっくり考えておいて欲しいんだ。そして、決まるまでは仮の宿としてここに居るといい」
どこまでこの人は親切なんだろう。
目の前の、底抜けのお人よしのヴァンパイアに、僕の目頭は熱くなる。
もう、我慢も躊躇いも出来なかった。
僕は倒れこむようにアインさんの前で手をつくと、頭を絨毯にこすりつけた。
下を向いていても、突然の事にアインさんが驚いているのが分かる。
「お願いです。どうかここで働かせてください」
「いや、君はお客様だから、別に……」
「いいえ。僕が働きたいと、そう思ったんです」
慌てて止めようとするアインさんを遮って、もう一度僕は言った。
「昼間の稲架木さん……それに昌壱さん。アインさんは二人のために沢山の誠意を尽くしてらっしゃいました。本当に素敵なお店だと思いました」
僕は夢中で続ける。
「僕もアインさんの力に、そしてこの素敵なお店の力になりたいんです」
そう言うと、もう一度深く頭を下げて絨毯に擦り付けた。
暫くそうした後、僕の頭上から「ふう」とため息をつく声がした。
「わかった。そこまで言ってくれるのなら……君も今日からノクターンの従業員だ」
僕の横にしゃがみ込んだアインさんは、苦笑しながら僕の腕をとって立たせる。
「でもまさか、土下座するなんて思わなかった。驚いたよ」
「へへ……夢中だったもので……」
まだ困った顔をしているアインさんに僕は愛想笑いで誤魔化した。
今日、心の中に灯った明るさと温かさを、もっと感じたい。
僕の記憶も、僕自身も、まだ闇の中にいるけれど。
大切な何かが見つかるような、そんな気がしたんだ。
この、『ビストロ・ノクターン』で。
スペクターの従業員さん達も休むことなく厨房で料理に勤しんでいた。
彼らは幽霊なのでさすがにホールスタッフとしては出られないらしい。
接客の手が回りきらないヴィクターさんのために、アインさんとジェドさんもホールスタッフとして夜は入れ代わり立ち代わり、お客さんの応対をしていた。
僕も何か手伝えたらなあと思うけれど、何の練習もしていない素人がいきなりあの場所に出てもドジを踏むのが目に見えている。
実際、お水くらいなら……と思って持っていこうとしたものの、三歩歩いたところで躓いて水をぶちまけてしまった。
我ながらドジさ加減に涙が出そうになる。
とはいえ、なんとなくこの『ビストロ・ノクターン』が深夜まで営業をしている理由が分かった気がする。皆で飲み屋に向かう人たちも多いけれど、遅くまで働いた人たちが静かに楽しめる贅沢な食事を求めてこのお店にやってくるのだ。
横浜のビジネスエリアにあるこのお店は、それなりにそういった遅くまで働く人たちの需要に応えられる場所らしい。
「きょっぴー、店長の部屋にこれを届けて貰っても良いですか?」
閉店した店内の掃除を終えたジェドさんが、僕の事を呼び止めた。
僕も流石に掃除くらいはと手伝うことにしたのだ。……もっとも、大した手伝いは出来なかったけど。
「わかりました。……これって、なんです?」
渡されたトレーにはココアとカップに入った棒。
「パンの耳をカリっと揚げたラスクですよ。この後も頑張る店長の夜食にね」
そう言ってジェドさんはウインクをした。
アインさんはあんなに早く起きたのにまだ頑張るんだ……。
店長って、本当に大変なんだな。そう思いながら僕はアインさんの自室へと向かった。
……そういえばなんだかんだ気づけばお世話になったまま一日が過ぎてしまった。このまま今日も泊まらせて貰って良かったんだろうか。
出て行けと言われないか、少しだけ不安になってしまう。
アインさんの自室の扉の前で僕は一瞬足を止めた。
話し声がする……ような気がする。
『迷惑かけて――けど――の――お願いね……』
一体誰と話しているんだろう?
声の感じからすると女性のようにも聞こえるけれど……。
どうしよう、そう思って少し悩んだけれど思い切って扉を叩くことにした。
「失礼します」
ノックの後で部屋の中へと入る。
「わぁ、凄い」
思わず入った瞬間に感嘆の声をあげてしまった。
部屋の壁面は備え付けの本棚になっていて、見渡す限り本がぎっしりと詰め込まれている。その本に囲まれるように、アインさんは机に向かって何か作業をしていた。
「ああ、君が持ってきてくれたのか。悪いね、きょっぴー」
アインさんの中でもどうやら『きょっぴー』が定着してしまったらしい。僕はそこに突っ込むのはやめて、机の脇にココアと夜食の入ったカップを置いた。
そしてどうやらアインさんのほかには誰も居ないようだ。
さっき確かに話し声が聞こえていた筈なのに……。
アインさんはお店の帳簿をつけているらしい。パソコンに向かいながら電卓を片手に、レシートとにらめっこしている。
「凄い量の本ですね……」
感心しながら壁をぐるぐる見回す僕を、面白そうな顔でアインさんは見た。
「ははは、これはね。殆ど日記だよ」
「日記?」
「そう。……長いこと生きていると、時間の感覚が薄くなりがちでね。いつ何が起こったか、記録するようにしているんだ」
手近な本を棚から引っこ抜くと、アインさんはパラパラとめくって見せてくれた。そこにはその日あった出来事などが万年筆で丁寧に記されていた。お客さんとの心温まるエピソードや、お店での失敗。忘れられない出来事や新しい出会い、そして別れ。
(本当にお店を愛して、お客さんの事を大切に想ってるんだ……)
この日記を読んだだけでもずっしりとそれが伝わってきた。
ヴァンパイアだけど、人間じゃないけれど。
この仕事を心から愛している人なんだ。
ただの綺麗な人だけじゃない、心まで綺麗なその人の横顔が、僕にはより一層素敵で魅力的なものに映った。
こんな素敵な心を持った人のところで働くことができたらな……。
「そうそう、今朝一番で知り合いの警察官に君の事を伝えたんだけどね。今の所捜索願で君に該当しそうな人物は居なかったんだ」
そんな気持ちを中断するかのように、自分の話が降ってきた。
そうだ、僕は記憶喪失だし、自分がどこから来たのかもわからない。
このままで良いのかといえば良くはない。
「そうですか……有難う御座います」
少し気落ちしながらお礼を言った僕にアインさんは優しく語り掛ける。
「一応、身元不明者として警察に保護して貰ってもいいんだけど……君はどうしたい?」
「僕は……」
ここに居たい。そう言いたい。
けれど、そんな事を言っても許されるのだろうか。
記憶もなく、大したことも出来る筈がないであろう、僕が。
アインさんは僕の戸惑いをよそに、にこやかな顔で話す。
「ここはホテルを改修して作った洋食屋でね。かつての客室を改修して社員寮として使っているんだ。君が望むなら、記憶が戻るまでここに居てくれても構わないよ」
僕の気持ちを見透かされているのだろうか。その穏やかな語り口は、諭されているようにも感じる。
「でも、僕お金もないし……」
さっきここに居たいと思ったばかりなのに、けれどそんな自分に自信がなくて、否定的な言葉が先に出てしまう。どうしようもない話なのだけれど、「自分なんて」といいつつ引き止めて貰いたい。
そんな小ずるい考えの自分がどうしようもなく浅ましい。
「まあ、率直に言うと、私や従業員たちは皆海外から来た……いわゆる異国の地からやってきた『よそ者』なんだよ。だから日本の住人や同族、いわゆる『あやかし』達と上手くやっていくために、色々と気を使う事も多くてね。慈善事業にも結構力を入れている」
「じ、慈善事業ですか?」
「そう。やはり人助けにご近所づきあいだったり、普段の行いが何事も大事だからね」
僕の後ろ向きな言葉を吹き飛ばす勢いで、突拍子もない話がアインさんから飛び出した。まさかヴァンパイアから「人を助けるのは慈善事業、ご近所づきあいが大事」なんて心温まる話が出てくるとは思わない。
「は、はあ……」
あまりのギャップに、拍子抜けした声が出てしまう。
「君の思うまま、好きに決めて構わない。……勿論、今すぐに決めろという訳でもない。今後君はどうしたいのかゆっくり考えておいて欲しいんだ。そして、決まるまでは仮の宿としてここに居るといい」
どこまでこの人は親切なんだろう。
目の前の、底抜けのお人よしのヴァンパイアに、僕の目頭は熱くなる。
もう、我慢も躊躇いも出来なかった。
僕は倒れこむようにアインさんの前で手をつくと、頭を絨毯にこすりつけた。
下を向いていても、突然の事にアインさんが驚いているのが分かる。
「お願いです。どうかここで働かせてください」
「いや、君はお客様だから、別に……」
「いいえ。僕が働きたいと、そう思ったんです」
慌てて止めようとするアインさんを遮って、もう一度僕は言った。
「昼間の稲架木さん……それに昌壱さん。アインさんは二人のために沢山の誠意を尽くしてらっしゃいました。本当に素敵なお店だと思いました」
僕は夢中で続ける。
「僕もアインさんの力に、そしてこの素敵なお店の力になりたいんです」
そう言うと、もう一度深く頭を下げて絨毯に擦り付けた。
暫くそうした後、僕の頭上から「ふう」とため息をつく声がした。
「わかった。そこまで言ってくれるのなら……君も今日からノクターンの従業員だ」
僕の横にしゃがみ込んだアインさんは、苦笑しながら僕の腕をとって立たせる。
「でもまさか、土下座するなんて思わなかった。驚いたよ」
「へへ……夢中だったもので……」
まだ困った顔をしているアインさんに僕は愛想笑いで誤魔化した。
今日、心の中に灯った明るさと温かさを、もっと感じたい。
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