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「美(?)山猫と野獣」(サブキャラ:四課の課長とみーちゃん)

美山猫(?)と野獣・あとがき

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 お読みいただきありがとうございますーー!!

 とりあえず、このようなオゲレツぶりで、皆様おつかれさまでございました…(笑)
 いろいろツッコミどころはあるかもしれませんが(?)、とりあえず「番外編」はこんな感じのお話となっております!


* * *


 実はこの番外編の第1作目として書いたのは「山猫ンデレラ」(笑)というもので、この「山猫ル」のお話は2作目に書いたものです(「山猫ンデレラ」はのちのち公開予定です)。それで、初作の「山猫ンデレラ」が馬鹿全開だったため、こちらはやや抑えた感じになっております(これでも!)。しかし第1話が「美女と野獣」って、まあ知ってる方も多いと思いますが、シンデレラほどのメジャーさではないですよね。

 さてそういうわけで今回の「美女と野獣」パロディですが、観た方ならお分かりのとおり、お城での食事や喋るポットなど、ディズニー映画版のイメージが元になってます。
 しかしこの「美女と野獣」は以前ちょっといろいろ考察したことがあり、実はとっても示唆深いお話なのですよ!本当、パロディとはいえ、この話を下敷きにして書こうとすると色んなキーワードやテーマが深くて、ついつい深掘りしたくなってしまいました。なので、あえて全然それらを組み込まずにさくっとまとめてしまいましたが…(という言い訳)。

 というわけでちょっと「美女と野獣」のお話を。


* * *


 ディズニー映画版では、鮮やかな黄色いドレスの主人公ベルと真っ赤なバラが印象的な本作。ベルは心が綺麗でアクティブで、引きこもりがちな野獣を励まし、陽キャが陰キャをぐいぐい外に連れ出して行くような明るさがあります。
 そして実は元々、醜い老女に親切にしなかった傲慢ゆえに野獣に変えられてしまった美男子の王子が、自分が醜い姿のままで真実の愛が得られるかというのが映画の骨子になっています。魔法のバラの花びらが全て散る前に、「誰かを愛し、愛されなければ」呪いを解くことはできず、人間に戻るチャンスはありません。愛するだけでも、愛されるだけでもダメ。
 しかしこの呪いって「制限時間中に美醜コンプレックスを乗り越え、それを証明せよ!」っていう、ものすごい課題。

 これに対して、原作の方(前編の最初の【あらすじ】に書いたのはこちら)。
 大筋は同じなのですが、野獣だけでなく、こちらはややベルの方もコンプレックスを乗り越える感じになっています。
 ベルというのは「美しい」という意味で、まさに美女。ただ、原作のベルはディズニー版より大人しい普通の娘で、野獣の姿を積極的に愛したりはできません。求婚されてもすげなく断り続け、夢で暗示される美青年(元の野獣の姿)の方に惹かれています。
 そして一度村に帰った時、村の男たちからモテまくるのですが、彼らにイマイチぴんと来ず。それで野獣が病に倒れたと知ってからようやく自分の気持ちに気づき、心を決めて愛を誓います。

 というわけで、醜い野獣が、それでも愛してくれる人を見つけられるかどうか。さらに、自分の醜さを乗り越えて心を開き、そのままの姿で人を愛せるのかどうか。それに加え、美しくてモテモテのベルが、それでもなお醜い野獣を選べるのかどうか。
 そういった悩ましくも根源的なテーマが詰まっていて、「イケメンじゃなきゃ妄想がはかどらない!」という私たちに「愛とは何か」を投げかけてくれます(?)

 私としては、「自分が醜い姿なのに、美しい人を愛して、しかもその人に『こんな自分を愛してほしい』と伝えていく」っていうのが、なかなかなハードルだと思いました。もう、そこかしこに葛藤の花が咲いている。この美醜問題はそのままBL(男同士)というハードルにも通じるものがありますね。
 それと、「あの人が好きっ」とか、「あいつを振り向かせて好かれよう!」という、一方通行の恋は簡単だけど、「愛し、愛される」っていう条件は、それとは次元が違って、自分と向き合わなきゃいけない感じがする。相手のすべてを理解して認めるというのは、自分の全てを理解して認めること。相手の欠点はかわいく思えても、自分のそれとは向き合えない…(逆もしかり)ってことはよくあって、自分も相手も二人分丸ごと!っていうのはもはやラブというか「悟り」じゃないかと思ってしまいます。


* * *


 ふう、ちょっと解説が長くなりましたー。

 そういえば本編の方ですが。
 野獣が最初出てきた時、「フハハハ!」的な、いかにもな口調で喋らせてみましたが、面白かったですー!現代ドラマだと出てこない口調!あれはクロが演劇部時代を思い出して演じているという設定です(笑)
 久しぶりのみーちゃんもそれらしくハッピーエンドにできてよかったー。

 というわけで、こんな感じでいろんなお話に挑戦します。
 では次回、「白雪姫」でお会いしましょう!!


 あとみく
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