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第二部 宰相閣下の謹慎事情
314 その噂は無視できない
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
それに――と、淡々としつつも苦々しげな声が玉座、頭を下げたエドヴァルドの上から降り注いだ。
「私でなくとも、アレはとっとと国へ返すべきだと思った筈だが。夕食まで付き合わせる意義を説明してやった方が皆もまだ納得すると思うがな」
既に閉じられた謁見の間の扉を見る貴族達が、国王陛下の声に心なしか頷いているように見えた。
問われた方のエドヴァルドは、僅かなため息を溢して、護衛騎士の横を通って前へと進み出た。
「誰が聞いているとも知れませんので、この場での詳細は伏せさせて頂きますが、今の時点では『ドナート王子とドロテア王女の証言の信憑性を検証する事』――すなわち『第一王子が国を継ぐには値しない人物である事を国内外に知らしめる為に、ベルィフの王女以上との縁組を求めて国を出た』との話を確かめる為とでも」
この場にいる者たちのほとんどが「結婚させろ」と押しかけて来た事実しか把握をしていなかったらしく、それだけでも充分に場はざわついていた。
「それだけなら、今の茶番でも充分だろう」
「いえ、足りません」
恐らくは、皆に周知させる意味で言葉を紡いでいるフィルバートに、エドヴァルドも間髪入れずに答えを返していた。
「それこそ諸外国にも認知される様な、もっと決定的な失態を犯させたい。そのくらいでなければ、私もそうですが、フォルシアン公爵家とて到底納得は出来ないでしょう」
そもそもは、フィルバートの言った通り、自国での王子間での後継者争いに、他国を巻き込んでいる時点でアウトなのだ。
ただそれだけだと、最終的な目論見である「サレステーデを自治領に落とす」までには誘導しにくい。
まさかそれは言えないから、エドヴァルドも今は「決定的な失態を犯させたい」以上の事は口にしなかった。
「仮にも王族を名乗る者が、先触れもなく他国に押しかけて騒いだと言う点に関しては、第一王子が引き取りに来たと言う、今の事実があれば良いでしょう。ただし、その先、力に訴えようとした点に関しては、また別の話になる。あの一行は、一括りにして考えていたようでしたが、とんでもない。本番はここからですよ、陛下」
「……まあ、そもそも謝罪の一言すら口にしていないがな」
本番はここから、と低く呟くエドヴァルドに、勢いに押されたフィルバートは乾いた笑い声を洩らした。
「フォルシアン公も、やはりまだ足りぬと思うか?」
まあ、アレでは当たり前か…と、一人で結論付けているところに「当然ですね」と、フォルシアン公爵も追随する様に答えた。
「しでかしてくれた当人たちは勿論の事、それを許した国としてどうするのかを我々は確かめたかったのですが、そもそもの謝罪すらなかった訳ですから。先触れの書面で謝罪の言葉があったかどうかなどと、もはや些末事。これはサレステーデからアンジェスへの宣戦布告かと、喧嘩を売るつもりなら高値で買い取りましょうと、その為の夕食会と認識しております」
「……っ」
顔色を悪くしているのは、ドナート王子とドロテア王女だ。
自分達が、自国のベイエルス公爵家を通じて、アンジェスのクヴィスト公爵家の口車と思惑に乗った結果が何を引き起こしているのか、今更ながらに思い知らされているんだろう。
何より、日頃から冷徹さが透けて見えているエドヴァルドと違い、フォルシアン公爵は年齢不詳の国宝級イケメン、アダルト部門をぶっちぎりそうな見た目のお人なので、静かな怒りが噴出しているところが、更なる恐怖を煽っているに違いない。
人は見かけによらない――って、こんな使い方をするんだっただろうか。
閑話休題。
「――だ、そうだ。まだ疑問のある者はいるか?」
フォルシアン公爵の言を受けたフィルバートがざっと辺りを見渡したものの、それ以上疑問や異議を顔や声に出す人間はいなかった。
「ならば夕食会の前には、またそれぞれ案内を向かわせる。それまでは各自の仕事に戻ってくれて構わん。ご苦労だった」
そう言って片手を上げたフィルバートの合図にしたがって、謁見の間での集まりはいったん解散となった。
その時点で部屋を出たのは事務方の人間のみで、護衛騎士の一部や五公爵家当主や当主代理などは、フィルバートと共にその場を動こうとしていなかった。
「イデオン宰相閣下」
そこに、私を一瞬チラッと見やったベルセリウス将軍が、少し離れていたエドヴァルドに、そう声をかけた。
すぐ傍じゃないから、いつもの様に「お館様」とは声をかけづらかったんだろう。
「私でよければ、レイナ嬢とアンディション侯爵様と先に下がらせていただいて、宰相室でお待ちしますが」
その言葉に、エドヴァルドの肩が僅かに揺れた。
「もしくは公爵家の護衛にお二人は送らせて、私は扉の外でお待ちしても構いませんが」
実際は、国政の奥深い話にまでバンバン首を突っ込んでいる、あるいは巻き込まれた状態だけれど、一般的な話から言えば、私はこの場に留まるべきではない。
公爵領防衛軍の長であるベルセリウス将軍も、中に残っていては、後々あらぬ疑いを持たれないとも限らない。
共にこの場からは下がるべき――。
ベルセリウス将軍の言っている事は、正論だった。
ややあって「……そうだな」と、エドヴァルドも折れた様に頷いた。
「ならば侯爵やウルリックたちは外で待機してくれ。レイナとアンディション侯は、ファルコ達に任せる。宰相室の控室に案内するよう指示してくれ」
多分、ファルコ達〝鷹の眼〟よりも、ベルセリウス将軍はじめ軍の人間が待機する方が、それぞれの身分や立場の面から言っても、まだ良いと判断したんだろう。
「レイナ。宰相副官に伝えてくれ。私が戻るまで、例え王や王族を名乗る者が来たとしても、真に受けて中に入れるなと」
…あの状況下で、キリアン第一王子が私の事を把握していたとは思えないし、誰かが尋ねて来る事もないだろうとは思うけれど、特に反対する理由もない。
「――承知致しました、宰相閣下」
ここは公の場だ。
私は〝カーテシー〟で一礼して、それに答えた。
* * *
(――お嬢さん、そのままで良いから聞いてくれ)
謁見の間から宰相室に向かう途中。
「では、私が宰相閣下に代わってエスコートいたしましょうかな」
ちょっと楽しげなアンディション侯爵のエスコートを受けながら歩いていたところが、何故か突然、頭の中にそんな声が響いた。
「⁉」
(ああ、コレは話したい当人にのみ言葉を伝える事が出来る特殊な魔道具だ。深く考えなくて良いからそのまま聞いておけ。必要なら黙って頷いてくれれば良いから)
ファルコの声だなー…と言うのは理解したけれど、確かにこの仕組みは、私では追及出来そうにない。
と言うか、したところで多分理解出来ない。
(この前、出来る範囲で良いからサレステーデの現状を調べろっつってたろ)
なので私も諦めた。
そして、確かにそんな話はしたな…と、アンディション侯爵に見えない範囲で頷いた。
(後でお館様にも同じ話はするが、ちょっと面白い話が出て来たから、先に伝えておく。あくまで巷の噂レベルらしいが、今日の状況を見ていると、知らせておいた方が良いと判断した)
イヤホン越しに音を聞いているかの様な不思議な感覚だ。
この場では私は何も答えられないので、黙って続きを促すより他はない。
(あのキリアンとか言う、サレステーデの第一王子だけどな。実は国王の実子じゃなく、王妃が浮気をして出来た息子だと。更に父親は隣にいたバルキン公爵だ――と言う『噂』だ。しかも昨日今日の話じゃなく、随分と前からある噂らしい。国王が第二王子に王位を譲りたがっているって言う真の原因はそこじゃないかって事らしい)
「……っ」
(な、ちょっとそのままにはしておけない噂だろう?)
思った以上のファルコの爆弾発言に、私は声を押さえるのに苦労しなくてはいけなくなった。
それに――と、淡々としつつも苦々しげな声が玉座、頭を下げたエドヴァルドの上から降り注いだ。
「私でなくとも、アレはとっとと国へ返すべきだと思った筈だが。夕食まで付き合わせる意義を説明してやった方が皆もまだ納得すると思うがな」
既に閉じられた謁見の間の扉を見る貴族達が、国王陛下の声に心なしか頷いているように見えた。
問われた方のエドヴァルドは、僅かなため息を溢して、護衛騎士の横を通って前へと進み出た。
「誰が聞いているとも知れませんので、この場での詳細は伏せさせて頂きますが、今の時点では『ドナート王子とドロテア王女の証言の信憑性を検証する事』――すなわち『第一王子が国を継ぐには値しない人物である事を国内外に知らしめる為に、ベルィフの王女以上との縁組を求めて国を出た』との話を確かめる為とでも」
この場にいる者たちのほとんどが「結婚させろ」と押しかけて来た事実しか把握をしていなかったらしく、それだけでも充分に場はざわついていた。
「それだけなら、今の茶番でも充分だろう」
「いえ、足りません」
恐らくは、皆に周知させる意味で言葉を紡いでいるフィルバートに、エドヴァルドも間髪入れずに答えを返していた。
「それこそ諸外国にも認知される様な、もっと決定的な失態を犯させたい。そのくらいでなければ、私もそうですが、フォルシアン公爵家とて到底納得は出来ないでしょう」
そもそもは、フィルバートの言った通り、自国での王子間での後継者争いに、他国を巻き込んでいる時点でアウトなのだ。
ただそれだけだと、最終的な目論見である「サレステーデを自治領に落とす」までには誘導しにくい。
まさかそれは言えないから、エドヴァルドも今は「決定的な失態を犯させたい」以上の事は口にしなかった。
「仮にも王族を名乗る者が、先触れもなく他国に押しかけて騒いだと言う点に関しては、第一王子が引き取りに来たと言う、今の事実があれば良いでしょう。ただし、その先、力に訴えようとした点に関しては、また別の話になる。あの一行は、一括りにして考えていたようでしたが、とんでもない。本番はここからですよ、陛下」
「……まあ、そもそも謝罪の一言すら口にしていないがな」
本番はここから、と低く呟くエドヴァルドに、勢いに押されたフィルバートは乾いた笑い声を洩らした。
「フォルシアン公も、やはりまだ足りぬと思うか?」
まあ、アレでは当たり前か…と、一人で結論付けているところに「当然ですね」と、フォルシアン公爵も追随する様に答えた。
「しでかしてくれた当人たちは勿論の事、それを許した国としてどうするのかを我々は確かめたかったのですが、そもそもの謝罪すらなかった訳ですから。先触れの書面で謝罪の言葉があったかどうかなどと、もはや些末事。これはサレステーデからアンジェスへの宣戦布告かと、喧嘩を売るつもりなら高値で買い取りましょうと、その為の夕食会と認識しております」
「……っ」
顔色を悪くしているのは、ドナート王子とドロテア王女だ。
自分達が、自国のベイエルス公爵家を通じて、アンジェスのクヴィスト公爵家の口車と思惑に乗った結果が何を引き起こしているのか、今更ながらに思い知らされているんだろう。
何より、日頃から冷徹さが透けて見えているエドヴァルドと違い、フォルシアン公爵は年齢不詳の国宝級イケメン、アダルト部門をぶっちぎりそうな見た目のお人なので、静かな怒りが噴出しているところが、更なる恐怖を煽っているに違いない。
人は見かけによらない――って、こんな使い方をするんだっただろうか。
閑話休題。
「――だ、そうだ。まだ疑問のある者はいるか?」
フォルシアン公爵の言を受けたフィルバートがざっと辺りを見渡したものの、それ以上疑問や異議を顔や声に出す人間はいなかった。
「ならば夕食会の前には、またそれぞれ案内を向かわせる。それまでは各自の仕事に戻ってくれて構わん。ご苦労だった」
そう言って片手を上げたフィルバートの合図にしたがって、謁見の間での集まりはいったん解散となった。
その時点で部屋を出たのは事務方の人間のみで、護衛騎士の一部や五公爵家当主や当主代理などは、フィルバートと共にその場を動こうとしていなかった。
「イデオン宰相閣下」
そこに、私を一瞬チラッと見やったベルセリウス将軍が、少し離れていたエドヴァルドに、そう声をかけた。
すぐ傍じゃないから、いつもの様に「お館様」とは声をかけづらかったんだろう。
「私でよければ、レイナ嬢とアンディション侯爵様と先に下がらせていただいて、宰相室でお待ちしますが」
その言葉に、エドヴァルドの肩が僅かに揺れた。
「もしくは公爵家の護衛にお二人は送らせて、私は扉の外でお待ちしても構いませんが」
実際は、国政の奥深い話にまでバンバン首を突っ込んでいる、あるいは巻き込まれた状態だけれど、一般的な話から言えば、私はこの場に留まるべきではない。
公爵領防衛軍の長であるベルセリウス将軍も、中に残っていては、後々あらぬ疑いを持たれないとも限らない。
共にこの場からは下がるべき――。
ベルセリウス将軍の言っている事は、正論だった。
ややあって「……そうだな」と、エドヴァルドも折れた様に頷いた。
「ならば侯爵やウルリックたちは外で待機してくれ。レイナとアンディション侯は、ファルコ達に任せる。宰相室の控室に案内するよう指示してくれ」
多分、ファルコ達〝鷹の眼〟よりも、ベルセリウス将軍はじめ軍の人間が待機する方が、それぞれの身分や立場の面から言っても、まだ良いと判断したんだろう。
「レイナ。宰相副官に伝えてくれ。私が戻るまで、例え王や王族を名乗る者が来たとしても、真に受けて中に入れるなと」
…あの状況下で、キリアン第一王子が私の事を把握していたとは思えないし、誰かが尋ねて来る事もないだろうとは思うけれど、特に反対する理由もない。
「――承知致しました、宰相閣下」
ここは公の場だ。
私は〝カーテシー〟で一礼して、それに答えた。
* * *
(――お嬢さん、そのままで良いから聞いてくれ)
謁見の間から宰相室に向かう途中。
「では、私が宰相閣下に代わってエスコートいたしましょうかな」
ちょっと楽しげなアンディション侯爵のエスコートを受けながら歩いていたところが、何故か突然、頭の中にそんな声が響いた。
「⁉」
(ああ、コレは話したい当人にのみ言葉を伝える事が出来る特殊な魔道具だ。深く考えなくて良いからそのまま聞いておけ。必要なら黙って頷いてくれれば良いから)
ファルコの声だなー…と言うのは理解したけれど、確かにこの仕組みは、私では追及出来そうにない。
と言うか、したところで多分理解出来ない。
(この前、出来る範囲で良いからサレステーデの現状を調べろっつってたろ)
なので私も諦めた。
そして、確かにそんな話はしたな…と、アンディション侯爵に見えない範囲で頷いた。
(後でお館様にも同じ話はするが、ちょっと面白い話が出て来たから、先に伝えておく。あくまで巷の噂レベルらしいが、今日の状況を見ていると、知らせておいた方が良いと判断した)
イヤホン越しに音を聞いているかの様な不思議な感覚だ。
この場では私は何も答えられないので、黙って続きを促すより他はない。
(あのキリアンとか言う、サレステーデの第一王子だけどな。実は国王の実子じゃなく、王妃が浮気をして出来た息子だと。更に父親は隣にいたバルキン公爵だ――と言う『噂』だ。しかも昨日今日の話じゃなく、随分と前からある噂らしい。国王が第二王子に王位を譲りたがっているって言う真の原因はそこじゃないかって事らしい)
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