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第二部 宰相閣下の謹慎事情
346 その手は取りたいですか
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「……レイナ嬢」
ひたすら唇を噛んでいても仕方がないと、本人も思ったんだろう。
ヘルマンさんの目が、やがて私の方へと向けられた。
「エドヴァルドと下見に行くと言う、例の第二店舗の件――店長や従業員の目星はもうつけているのか?」
「ええと…そこまではまだなんです、が……」
ヘルマンさんの言いたい事は察しながらも、そこでちょっと言葉を濁した私に、エドヴァルドが「レイナ?」と、すぐさま反応を見せた。
どうも、私がこの人に隠し事をするのは無理なんじゃないかと言う気が、ヒシヒシとしている。
いや、少なくとも今回はしないんだけど。それでも。
ちょっとした態度の変化にも気が付いてしまうあたり、どれだけ観察力を鍛えればそうなるのかと思ってしまう。
あ、今はそんな事を考えてる場合じゃなかった。
エドヴァルドの視線を受けつつ、私はふるふると頭を振った。
「あの、あくまで姉妹を持つ者としての観点で、しかも十河家限定の話になるかも知れませんけど、とりあえず、意見のひとつとして聞いて下さいね?」
こちらはすっかり破綻しきっている事など、ヘルマン兄弟は知る由もなく、知っているのはエドヴァルド始め、僅か一握りの人数だ。
いちいち説明するつもりもないけど、その辺りは会話の内容から、察するも察せられないも自由だと、私もとりあえず口を開いた。
「――私であれば、たとえ無一文になっても、姉妹家族の『慈悲』であるならば、受けたくはないですね」
「「……っ」」
これにはヘルマンさんだけでなく、兄長官の方も微かに動揺していた。
「自分で決めて話を持ち込むか、あるいはそこに情のない、仕事として利のある契約であれば良いと思いますけど、それまで自分が築き上げてきた過程を全て無視されて、ただ血のつながりを理由に手を貸されるのであれば、そんな手は取りたいとも思いません」
そこまで言ったところで、エドヴァルドに軽く肩を叩かれて、私はすっかり私情が混じっていた事を自覚して「すみません」と、勢い良く頭を下げた。
一瞬の沈黙の後「いや…」と、立ち直りが早かったのは、兄長官の方だった。
「確かに、裏でいつでも手を貸せるようにしておくべきかと思ってはいますが、本人にそれを告げてしまうと、反発しか招かないかも知れませんね。元よりルーデルスとはそれほど仲が良かった訳でもなく、それぞれがそれぞれに出来る事を考えて実行してきただけですからね」
なら、どうしろと…と唸るヘルマンさんを放っておくと、今度はこちらが兄弟ケンカになりかねないので、私は慌てて二人の間に入った。
「あのっ、それで、話はまだ途中でですね…っ」
「――ああ、これは失礼、レイナ嬢。何か別の案をお持ちと言う事なんですね?」
私は落ち着いていると言わんばかりの兄長官に、ヘルマンさんは不本意そうに顔を顰めているけど、とりあえずそっちは無視で、私も首を縦に振った。
「まず一つには『技術指導』の名目で、権利を手放すのではなく、養羊家の皆さんで丸ごとクヴィスト公爵家の乳牛飼育区域に移住して貰う場合ですね。牛と羊では丸っきり同じ飼育方法とか、捌いたお肉の保管方法とかって言う訳でもないでしょうから」
「レイナ、それだと今、クヴィスト公爵領下で乳牛を飼育している連中はどうするんだ」
そこが気になったらしいエドヴァルドに、兄長官も頷いている。
ヘルマンさんは――茫然と聞いているしかない状態だった。
「スヴェンテ公爵領下における、食用の養羊家は絶対数が少ないって仰ってましたよね?そこまで影響出ないかと思っているんですけど。あと、これを機に乳牛に関わるのを辞めたいって言う人がいれば、それこそバリエンダールに出したい『ユングベリ商会』の支店の職員にならないか、聞けないかと思ったんですけど」
「何…?」
「あ、そこが提案したいもう一つの話なんです。食用の仔羊の販売先の販路を開拓出来るような根性の持ち主だったら、それこそバリエンダールで新しい商会を立ち上げた際の支店長も務まりそうな気がして。王都の第二店舗だと、どうしたって異母弟であるヘルマンさんの影が見え隠れするでしょうけど、私が長になる『ユングベリ商会』なら、まだ検討の余地はあるんじゃないかと思って」
「レイナ嬢が商会長の商会…とは?」
この中で唯一、店舗関連の話にこれまで絡んでこなかった兄長官が、事情が読めないとばかりに眉根を寄せている。
「あ、お遊びや道楽で立ち上げた商会じゃないので、そこは安心して下さい。既にギーレン国内に販路の伝手はあって、アンジェス国内でもイデオン公爵領内の流通をさらに循環させるべく準備中です。で、この度めでたく国王陛下からバリエンダールとサレステーデ進出の許可も得られた事なので、優秀な商会従業員への門戸は広く開けています」
「―――」
私は事実だけを述べたつもりだったけど、兄長官、ヘルマンさん二人ともが、言葉も出ない感じで絶句していた。
そして補足を求めるかのように兄長官がエドヴァルドを見ていて、エドヴァルドも、仕方がないとばかりに軽く咳ばらいをしていた。
「言っておくが、私が箔付けの為に与えた地位でも商会でもない。気が付けばボードリエ伯爵や王都商業ギルド長の推薦状をもぎ取って、一気に行商人登録までこぎつけていた。ボードリエ伯爵の親類縁者であるギーレンのベクレル伯爵家とも既に繋がっている。販路の伝手とは、そういう事だ」
さすがにいきなり、エヴェリーナ妃やラハデ公爵の名前をここで出す訳にもいかず、エドヴァルドはその前段階で話をいったん留めていた。
「クヴィスト公爵領は、バリエンダールの対岸領だ。食用羊の養羊家達が丸ごと移住するならば、バリエンダールへの輸出も考えてみても良いだろう。あの国は海産物と香辛料がメインの国だ。需要がない訳ではないだろうしな。そうして、食用の羊と、新たにバリエンダールからの、香辛料以外の輸入品をテミセヴァ侯爵家経営のレストランと取引してみるのも一考かも知れん」
香辛料の方は、すでにクリストフェル家傘下の商会が、確固たる販路を築き上げていて、割り込むだけのメリットはないと言って良い。
それ以外に何か見つけられれば、それは充分に食用羊の養羊家達が移住を検討する理由になるかも知れなかった。
今まで通りにネレム・テミセヴァが経営するレストラン〝スピヴァーラ〟との契約も続けられれば、確率はかなり高くなる。
「今までの飼育法を持って出られるなら、スヴェンテ領がクヴィスト領に代わっても、そう大きく味は落ちないと思うんですけど……」
土壌と確保可能なエサが大きく異なるようなら、開墾するなり何なり改良をすれば、少し先の話になっても、近い味はすぐに出せるようになるだろうと思う。
私の呟きにエドヴァルドは「それはルーデルス・ヘルマン本人に判断させた方が良いだろうな。我々は養羊の専門家ではないのだから」と、言い聞かせるように私の肩を叩いた。
「あ…そうですよね、すみません。先走りました」
「いや。貴女のその『ユングベリ商会を噛ませる』と言う案自体は、持ち掛け方次第では一番の落としどころかも知れない。ロイヴァス、私とレイナは近くスヴェンテ老公の邸宅に招かれて訪れる事になっている。ここでの話を一度持ち掛けてみて、感触次第で改めて本家への連絡を頼む事になるが、構わないか」
呆然としたままのヘルマンさんに、拳骨を一度、笑顔で落とした兄長官は「察しの悪い愚弟で申し訳ない」と、目だけが真剣な微笑いを器用に浮かべて見せた。
「その時には、その商会の話をもう少し詳しく伺うお時間を頂戴出来ますか。それさえお約束頂けるなら、本家への連絡のタイミングは閣下にお任せ致します」
「レイナの商会だが、レイナと二人で会わせるつもりはない。そこを弁えられるなら、時間は取ろう」
「……はは」
兄長官は、乾いた微かな笑い声を洩らしただけだった。
「……レイナ嬢」
ひたすら唇を噛んでいても仕方がないと、本人も思ったんだろう。
ヘルマンさんの目が、やがて私の方へと向けられた。
「エドヴァルドと下見に行くと言う、例の第二店舗の件――店長や従業員の目星はもうつけているのか?」
「ええと…そこまではまだなんです、が……」
ヘルマンさんの言いたい事は察しながらも、そこでちょっと言葉を濁した私に、エドヴァルドが「レイナ?」と、すぐさま反応を見せた。
どうも、私がこの人に隠し事をするのは無理なんじゃないかと言う気が、ヒシヒシとしている。
いや、少なくとも今回はしないんだけど。それでも。
ちょっとした態度の変化にも気が付いてしまうあたり、どれだけ観察力を鍛えればそうなるのかと思ってしまう。
あ、今はそんな事を考えてる場合じゃなかった。
エドヴァルドの視線を受けつつ、私はふるふると頭を振った。
「あの、あくまで姉妹を持つ者としての観点で、しかも十河家限定の話になるかも知れませんけど、とりあえず、意見のひとつとして聞いて下さいね?」
こちらはすっかり破綻しきっている事など、ヘルマン兄弟は知る由もなく、知っているのはエドヴァルド始め、僅か一握りの人数だ。
いちいち説明するつもりもないけど、その辺りは会話の内容から、察するも察せられないも自由だと、私もとりあえず口を開いた。
「――私であれば、たとえ無一文になっても、姉妹家族の『慈悲』であるならば、受けたくはないですね」
「「……っ」」
これにはヘルマンさんだけでなく、兄長官の方も微かに動揺していた。
「自分で決めて話を持ち込むか、あるいはそこに情のない、仕事として利のある契約であれば良いと思いますけど、それまで自分が築き上げてきた過程を全て無視されて、ただ血のつながりを理由に手を貸されるのであれば、そんな手は取りたいとも思いません」
そこまで言ったところで、エドヴァルドに軽く肩を叩かれて、私はすっかり私情が混じっていた事を自覚して「すみません」と、勢い良く頭を下げた。
一瞬の沈黙の後「いや…」と、立ち直りが早かったのは、兄長官の方だった。
「確かに、裏でいつでも手を貸せるようにしておくべきかと思ってはいますが、本人にそれを告げてしまうと、反発しか招かないかも知れませんね。元よりルーデルスとはそれほど仲が良かった訳でもなく、それぞれがそれぞれに出来る事を考えて実行してきただけですからね」
なら、どうしろと…と唸るヘルマンさんを放っておくと、今度はこちらが兄弟ケンカになりかねないので、私は慌てて二人の間に入った。
「あのっ、それで、話はまだ途中でですね…っ」
「――ああ、これは失礼、レイナ嬢。何か別の案をお持ちと言う事なんですね?」
私は落ち着いていると言わんばかりの兄長官に、ヘルマンさんは不本意そうに顔を顰めているけど、とりあえずそっちは無視で、私も首を縦に振った。
「まず一つには『技術指導』の名目で、権利を手放すのではなく、養羊家の皆さんで丸ごとクヴィスト公爵家の乳牛飼育区域に移住して貰う場合ですね。牛と羊では丸っきり同じ飼育方法とか、捌いたお肉の保管方法とかって言う訳でもないでしょうから」
「レイナ、それだと今、クヴィスト公爵領下で乳牛を飼育している連中はどうするんだ」
そこが気になったらしいエドヴァルドに、兄長官も頷いている。
ヘルマンさんは――茫然と聞いているしかない状態だった。
「スヴェンテ公爵領下における、食用の養羊家は絶対数が少ないって仰ってましたよね?そこまで影響出ないかと思っているんですけど。あと、これを機に乳牛に関わるのを辞めたいって言う人がいれば、それこそバリエンダールに出したい『ユングベリ商会』の支店の職員にならないか、聞けないかと思ったんですけど」
「何…?」
「あ、そこが提案したいもう一つの話なんです。食用の仔羊の販売先の販路を開拓出来るような根性の持ち主だったら、それこそバリエンダールで新しい商会を立ち上げた際の支店長も務まりそうな気がして。王都の第二店舗だと、どうしたって異母弟であるヘルマンさんの影が見え隠れするでしょうけど、私が長になる『ユングベリ商会』なら、まだ検討の余地はあるんじゃないかと思って」
「レイナ嬢が商会長の商会…とは?」
この中で唯一、店舗関連の話にこれまで絡んでこなかった兄長官が、事情が読めないとばかりに眉根を寄せている。
「あ、お遊びや道楽で立ち上げた商会じゃないので、そこは安心して下さい。既にギーレン国内に販路の伝手はあって、アンジェス国内でもイデオン公爵領内の流通をさらに循環させるべく準備中です。で、この度めでたく国王陛下からバリエンダールとサレステーデ進出の許可も得られた事なので、優秀な商会従業員への門戸は広く開けています」
「―――」
私は事実だけを述べたつもりだったけど、兄長官、ヘルマンさん二人ともが、言葉も出ない感じで絶句していた。
そして補足を求めるかのように兄長官がエドヴァルドを見ていて、エドヴァルドも、仕方がないとばかりに軽く咳ばらいをしていた。
「言っておくが、私が箔付けの為に与えた地位でも商会でもない。気が付けばボードリエ伯爵や王都商業ギルド長の推薦状をもぎ取って、一気に行商人登録までこぎつけていた。ボードリエ伯爵の親類縁者であるギーレンのベクレル伯爵家とも既に繋がっている。販路の伝手とは、そういう事だ」
さすがにいきなり、エヴェリーナ妃やラハデ公爵の名前をここで出す訳にもいかず、エドヴァルドはその前段階で話をいったん留めていた。
「クヴィスト公爵領は、バリエンダールの対岸領だ。食用羊の養羊家達が丸ごと移住するならば、バリエンダールへの輸出も考えてみても良いだろう。あの国は海産物と香辛料がメインの国だ。需要がない訳ではないだろうしな。そうして、食用の羊と、新たにバリエンダールからの、香辛料以外の輸入品をテミセヴァ侯爵家経営のレストランと取引してみるのも一考かも知れん」
香辛料の方は、すでにクリストフェル家傘下の商会が、確固たる販路を築き上げていて、割り込むだけのメリットはないと言って良い。
それ以外に何か見つけられれば、それは充分に食用羊の養羊家達が移住を検討する理由になるかも知れなかった。
今まで通りにネレム・テミセヴァが経営するレストラン〝スピヴァーラ〟との契約も続けられれば、確率はかなり高くなる。
「今までの飼育法を持って出られるなら、スヴェンテ領がクヴィスト領に代わっても、そう大きく味は落ちないと思うんですけど……」
土壌と確保可能なエサが大きく異なるようなら、開墾するなり何なり改良をすれば、少し先の話になっても、近い味はすぐに出せるようになるだろうと思う。
私の呟きにエドヴァルドは「それはルーデルス・ヘルマン本人に判断させた方が良いだろうな。我々は養羊の専門家ではないのだから」と、言い聞かせるように私の肩を叩いた。
「あ…そうですよね、すみません。先走りました」
「いや。貴女のその『ユングベリ商会を噛ませる』と言う案自体は、持ち掛け方次第では一番の落としどころかも知れない。ロイヴァス、私とレイナは近くスヴェンテ老公の邸宅に招かれて訪れる事になっている。ここでの話を一度持ち掛けてみて、感触次第で改めて本家への連絡を頼む事になるが、構わないか」
呆然としたままのヘルマンさんに、拳骨を一度、笑顔で落とした兄長官は「察しの悪い愚弟で申し訳ない」と、目だけが真剣な微笑いを器用に浮かべて見せた。
「その時には、その商会の話をもう少し詳しく伺うお時間を頂戴出来ますか。それさえお約束頂けるなら、本家への連絡のタイミングは閣下にお任せ致します」
「レイナの商会だが、レイナと二人で会わせるつもりはない。そこを弁えられるなら、時間は取ろう」
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