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第二部 宰相閣下の謹慎事情
546 アンブローシュ(後)
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事前に聞いていたところによると、この〝アンブローシュ〟では、定期的に同じ商会から同じ食材を仕入れていると言う訳ではないらしい。
メニューが完全オーダーメイドのため、予め利用客の希望を聞いて、それに基づいて考えられたメニューに必要な食材を都度、その方面に強い提携商会から仕入れているんだそうだ。
自分の領地で採れる食材のみが良いとか、逆に他の領の味が知りたいから、自領の食材は使うなとか、娘あるいは息子の好物の食材で固めて欲しいとか、基本的に「NO」はないとの事で、私も「希望はあるか?」とエドヴァルドに事前に聞かれていた。
なので一応「スヴァレーフづくしにしなくて良い」と言うのと「今までに公爵邸で出されていない料理」と言う形でお願いをしておいた。
どうせなら、まだ知らない食材、味に巡り合いたかった。
エドヴァルドも「そう言ったら言ったで、料理長も今まで扱っていない食材とか、張り切って挑戦しそうだから、黙っておこうか」と微笑いながら了承しての、今日だった訳なのだ。
そしてエドヴァルドと私が席についたタイミングで、部屋の一角に料理の乗ったテーブルが運ばれてくる。
コティペルト支配人曰く「先にスープと冷製の料理をお持ちしています。温製の料理はもう少しお待ち下さい」との事だった。
ざっと見るにデザートも乗っていないところから、こちらの方が王宮よりもサーブの仕方が現代寄り、コース料理風の出され方がしているっぽかった。
王宮での晩餐会となると、人数もテーブルも多いだろうから、なかなか一度に全ての料理が置かれるスタイルから抜け出すのは難しいのかも知れない。
「それとこちら食前酒としてお楽しみ下さい。当〝アンブローシュ〟の敷地内でのみ生産されております限定の葡萄酒となります」
サングリア以来アルコールを止められている状況ながら、限定食前酒と言われれば、さすがに気になる。
チラと向かいのエドヴァルドを見れば、一瞬ピクリとこめかみを痙攣らせていたものの、小さめのグラス一杯の食前酒程度ならと思ったのか、最終的には折れて頷いた。
「……一応、バリエンダールから無事に戻って来られたことだしな」
そう言ってグラスを軽く上げたエドヴァルドに、私も軽く追従した。
これが王宮なら、国王の挨拶があって乾杯の儀が……となるんだろうけど、私的に来ているのだから、それがちょうど良いくらいな気もした。
「――甘い?」
飲んだことはなかったけれど、大学の独語の教授がワイン好きで、一度脱線して語っていたことのある「貴腐ワイン」が、こんな感じじゃないだろうかと思った。
私の反応に、支配人が満足げに頷いている。
「元々、当レストラン専用のワイナリーが王家直轄領の中にあったのですが、一時戦があり、その影響でブドウの収穫が遅れ、一見腐ってしまった葡萄が大量に出たことに端を発しております。農家の者が、もったいないから身内用にと別に仕込んでワインを作ってみたところ、このように非常に甘美なワインが出来上がったため、すぐさまギルドに登録をし、食前酒として皆さまにお出ししております」
「なるほど、王家直轄領の中の専用ワイナリーでしか生産されないから、特定の貴族による不当な買い占めもなく、飲みたい場合はまたレストランへ――と、そう言う訳か」
ワイングラスを矯めつ眇めつしながら呟くエドヴァルドに「仰る通りでございます」と、こちらにも満足げに頷いていた。
「この後のお飲み物はいかがなさいますか。オルセンワインのビンテージでもご用意出来ますし、当レストランのハウスワインもお出し出来ます。もちろん、お酒をあまり好まれないようでしたら、果物汁のご用意も可能です」
「せっかくだから、私はハウスワインの方を貰おう。彼女は――酒精分のない、同じ葡萄を使った果物汁はあるだろうか」
「もちろん、ございます。当レストランはご家族連れでご利用いただくこともございますので」
「では、それで頼む」
どうやら私はあまりお酒に強くなさそうだから、ハウスワインも気にはなるけど、ここは仕方がないと諦めるよりほかなさそうだった。
今からちょっとずつ飲めば、そのうちもう少し強くなったりするだろうかと考えつつも、そこまでは怖くて聞けなかった。
かしこまりました、と答える支配人の目くばせを受けた他の従業員が、頷いて一度部屋を下がっていく。
その間にテーブルの上には、オニオングラタンスープ「的な」スープと、ローストビーフのサラダ「的な」前菜とが、まず置かれた。
再び支配人の説明を聞いていると、今はハーグルンドの牛肉が手に入らないため、わずかに残る熟成肉を使ってブイヨンスープを作っているのと、次点で所謂「霜降り肉」が重宝されている、クヴィスト公爵領下の牛肉をサラダに利用したらしい。
「ああ、保存期間の問題がありますものね……」
私が納得したように頷いていると、支配人は一瞬驚いていたものの、すぐに嬉しそうに口元を綻ばせた。
「……ご理解いただけて嬉しく思います」
最近のことではないらしいけど、以前はそういった運送や生産の事情を考慮することなく、名前に拘る王侯貴族もいたんだそうだ。
なるほどサービス業あるある、お客様と言う看板を伝家の宝刀のごとく振り回した人間もいたと言う事なんだろう。
そうしているうちに、料理が出来上がったのか追加のテーブルに、魚料理と別の肉料理がサーブされた。
「ホタテ……!」
うっかり叫んだ私は慌てて自分の口元を手で覆った。
「ご、ごめんなさい」
「いや。二人きりで食事をしているのだから、何を気にする必要もない。その料理は、貴女の国でもあったのか?」
「はい、大好きでした」
テーブルに置かれたのは、仔羊のロティとホタテと彩り野菜のポワレレモンバターソース添えだった。
もちろん、こっちでホタテなどと言う筈もなく「ジェイ」と、まるで人の名前の様な名前のつけられた、二枚貝と言う事らしい。
ロティにしてもポワレにしても、私が勝手にそうと判断しているだけの事だ。
支配人曰く、この貝に関してはコンティオラ公爵領内、サンテリ領近くの子爵領で水揚げされる事が多いんだそうだ。
(……マトヴェイ外交部長だけじゃ無理かもだから、コンティオラ公爵閣下にも話を通して貰って、ホタテを参加証代わりに海鮮BBQに参加して貰おうかな)
つい内心でそんな計画を立てていると、何か不穏な空気を感じたのか、エドヴァルドが半目でこちらを見つめていた。
「こ、仔羊肉も食べた事がなかったので、嬉しいです」
「…………そうか」
続きは帰ってから聞くとしようか、と言われた私の背中を冷や汗が滑り落ちる。
ただエドヴァルドも、今日はあまりクドクド言うまいと思っているのかも知れない。
その後、料理を食べ終わるまでは、支配人から料理に関しての説明を受けて、お互いに感想を話し合うと言った形で、ずっと進んでいくことになった。
うっかり、ここに来た本来の目的を忘れそうになったところで、レストランの従業員が支配人に何やら耳打ちをし、そこから支配人がエドヴァルドの方へと歩み寄って、また何事か耳打ちをしていた。
「……分かった。頼む」
レイナ、とカトラリーをテーブルに置いたエドヴァルドが、不意に表情を引き締めながら、私の方へと視線を投げた。
「最後、デザートと食後の飲み物は隣の部屋に別に用意をさせている。移動をして貰うが、構わないだろうか」
私もちょうど、とろけそうな程に柔らかかった仔羊肉を最後口の中に収めたところだったので「はい、大丈夫です」と、慌てながらも頷いた。
なるほど、だからこの部屋にデザート類が影も形もなかったのかと、そこで初めて納得した。
立ち上がったエドヴァルドが、私の方へと歩み寄ってきて、スッとエスコートの為の手を差し出す。
……「話」は、そこでするのだろうか。
私は緊張しながら、その手に自分の手を重ねた。
メニューが完全オーダーメイドのため、予め利用客の希望を聞いて、それに基づいて考えられたメニューに必要な食材を都度、その方面に強い提携商会から仕入れているんだそうだ。
自分の領地で採れる食材のみが良いとか、逆に他の領の味が知りたいから、自領の食材は使うなとか、娘あるいは息子の好物の食材で固めて欲しいとか、基本的に「NO」はないとの事で、私も「希望はあるか?」とエドヴァルドに事前に聞かれていた。
なので一応「スヴァレーフづくしにしなくて良い」と言うのと「今までに公爵邸で出されていない料理」と言う形でお願いをしておいた。
どうせなら、まだ知らない食材、味に巡り合いたかった。
エドヴァルドも「そう言ったら言ったで、料理長も今まで扱っていない食材とか、張り切って挑戦しそうだから、黙っておこうか」と微笑いながら了承しての、今日だった訳なのだ。
そしてエドヴァルドと私が席についたタイミングで、部屋の一角に料理の乗ったテーブルが運ばれてくる。
コティペルト支配人曰く「先にスープと冷製の料理をお持ちしています。温製の料理はもう少しお待ち下さい」との事だった。
ざっと見るにデザートも乗っていないところから、こちらの方が王宮よりもサーブの仕方が現代寄り、コース料理風の出され方がしているっぽかった。
王宮での晩餐会となると、人数もテーブルも多いだろうから、なかなか一度に全ての料理が置かれるスタイルから抜け出すのは難しいのかも知れない。
「それとこちら食前酒としてお楽しみ下さい。当〝アンブローシュ〟の敷地内でのみ生産されております限定の葡萄酒となります」
サングリア以来アルコールを止められている状況ながら、限定食前酒と言われれば、さすがに気になる。
チラと向かいのエドヴァルドを見れば、一瞬ピクリとこめかみを痙攣らせていたものの、小さめのグラス一杯の食前酒程度ならと思ったのか、最終的には折れて頷いた。
「……一応、バリエンダールから無事に戻って来られたことだしな」
そう言ってグラスを軽く上げたエドヴァルドに、私も軽く追従した。
これが王宮なら、国王の挨拶があって乾杯の儀が……となるんだろうけど、私的に来ているのだから、それがちょうど良いくらいな気もした。
「――甘い?」
飲んだことはなかったけれど、大学の独語の教授がワイン好きで、一度脱線して語っていたことのある「貴腐ワイン」が、こんな感じじゃないだろうかと思った。
私の反応に、支配人が満足げに頷いている。
「元々、当レストラン専用のワイナリーが王家直轄領の中にあったのですが、一時戦があり、その影響でブドウの収穫が遅れ、一見腐ってしまった葡萄が大量に出たことに端を発しております。農家の者が、もったいないから身内用にと別に仕込んでワインを作ってみたところ、このように非常に甘美なワインが出来上がったため、すぐさまギルドに登録をし、食前酒として皆さまにお出ししております」
「なるほど、王家直轄領の中の専用ワイナリーでしか生産されないから、特定の貴族による不当な買い占めもなく、飲みたい場合はまたレストランへ――と、そう言う訳か」
ワイングラスを矯めつ眇めつしながら呟くエドヴァルドに「仰る通りでございます」と、こちらにも満足げに頷いていた。
「この後のお飲み物はいかがなさいますか。オルセンワインのビンテージでもご用意出来ますし、当レストランのハウスワインもお出し出来ます。もちろん、お酒をあまり好まれないようでしたら、果物汁のご用意も可能です」
「せっかくだから、私はハウスワインの方を貰おう。彼女は――酒精分のない、同じ葡萄を使った果物汁はあるだろうか」
「もちろん、ございます。当レストランはご家族連れでご利用いただくこともございますので」
「では、それで頼む」
どうやら私はあまりお酒に強くなさそうだから、ハウスワインも気にはなるけど、ここは仕方がないと諦めるよりほかなさそうだった。
今からちょっとずつ飲めば、そのうちもう少し強くなったりするだろうかと考えつつも、そこまでは怖くて聞けなかった。
かしこまりました、と答える支配人の目くばせを受けた他の従業員が、頷いて一度部屋を下がっていく。
その間にテーブルの上には、オニオングラタンスープ「的な」スープと、ローストビーフのサラダ「的な」前菜とが、まず置かれた。
再び支配人の説明を聞いていると、今はハーグルンドの牛肉が手に入らないため、わずかに残る熟成肉を使ってブイヨンスープを作っているのと、次点で所謂「霜降り肉」が重宝されている、クヴィスト公爵領下の牛肉をサラダに利用したらしい。
「ああ、保存期間の問題がありますものね……」
私が納得したように頷いていると、支配人は一瞬驚いていたものの、すぐに嬉しそうに口元を綻ばせた。
「……ご理解いただけて嬉しく思います」
最近のことではないらしいけど、以前はそういった運送や生産の事情を考慮することなく、名前に拘る王侯貴族もいたんだそうだ。
なるほどサービス業あるある、お客様と言う看板を伝家の宝刀のごとく振り回した人間もいたと言う事なんだろう。
そうしているうちに、料理が出来上がったのか追加のテーブルに、魚料理と別の肉料理がサーブされた。
「ホタテ……!」
うっかり叫んだ私は慌てて自分の口元を手で覆った。
「ご、ごめんなさい」
「いや。二人きりで食事をしているのだから、何を気にする必要もない。その料理は、貴女の国でもあったのか?」
「はい、大好きでした」
テーブルに置かれたのは、仔羊のロティとホタテと彩り野菜のポワレレモンバターソース添えだった。
もちろん、こっちでホタテなどと言う筈もなく「ジェイ」と、まるで人の名前の様な名前のつけられた、二枚貝と言う事らしい。
ロティにしてもポワレにしても、私が勝手にそうと判断しているだけの事だ。
支配人曰く、この貝に関してはコンティオラ公爵領内、サンテリ領近くの子爵領で水揚げされる事が多いんだそうだ。
(……マトヴェイ外交部長だけじゃ無理かもだから、コンティオラ公爵閣下にも話を通して貰って、ホタテを参加証代わりに海鮮BBQに参加して貰おうかな)
つい内心でそんな計画を立てていると、何か不穏な空気を感じたのか、エドヴァルドが半目でこちらを見つめていた。
「こ、仔羊肉も食べた事がなかったので、嬉しいです」
「…………そうか」
続きは帰ってから聞くとしようか、と言われた私の背中を冷や汗が滑り落ちる。
ただエドヴァルドも、今日はあまりクドクド言うまいと思っているのかも知れない。
その後、料理を食べ終わるまでは、支配人から料理に関しての説明を受けて、お互いに感想を話し合うと言った形で、ずっと進んでいくことになった。
うっかり、ここに来た本来の目的を忘れそうになったところで、レストランの従業員が支配人に何やら耳打ちをし、そこから支配人がエドヴァルドの方へと歩み寄って、また何事か耳打ちをしていた。
「……分かった。頼む」
レイナ、とカトラリーをテーブルに置いたエドヴァルドが、不意に表情を引き締めながら、私の方へと視線を投げた。
「最後、デザートと食後の飲み物は隣の部屋に別に用意をさせている。移動をして貰うが、構わないだろうか」
私もちょうど、とろけそうな程に柔らかかった仔羊肉を最後口の中に収めたところだったので「はい、大丈夫です」と、慌てながらも頷いた。
なるほど、だからこの部屋にデザート類が影も形もなかったのかと、そこで初めて納得した。
立ち上がったエドヴァルドが、私の方へと歩み寄ってきて、スッとエスコートの為の手を差し出す。
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