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第二部 宰相閣下の謹慎事情
【バリエンダール王宮Side】王太子ミランの訣別(1)
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「殿下……」
祖父が永遠に呼吸をしなくなったことを聞かされ、父と共に王宮の一室に駆けつけた際、もしかしたら私の口元には笑みすら浮かんでいたのかも知れなかった。
父と宰相が、国葬だ即位だといった話をしている傍で、宰相と同じく父の側近であるハールマン侯爵が、まさか……と言った表情でこちらを見ていたところからすると、それを見られていたんだろうと思う。
私自身、宰相から執務の手ほどきを受けている最中にあった事は、ここにいる皆の共通認識だ。
ただ「何かを知っている」と、元から勘付いている宰相と同じ認識を、この瞬間に侯爵も持ったと言う事なんだろう。
そして私はその場でも、後になってからも、肯定もしない代わりに、一切の否定の言葉も吐かなかった。
――皆、密かに期待をしていただろう?
私の無言の問いかけを、誰一人として否定が出来ず、結果、皆が全てを黙認することを選んだのだから。
国葬が落ち着いた頃に、私は父が公共事業の視察でハールマン侯爵を連れて王宮を空けたのを見計らって、宰相ジォット・フォサーティとの個人的な会話の場を設けた。
と言っても、普段から日中は宰相室に在席をしているのだから、単に人払いをしただけだ。
そしてわざわざ、父の視察にハールマン侯爵を同行させたあたり、宰相も宰相でこちらの考えていることをある程度は読んでいたんだろう。
「宰相。単刀直入に聞くが、フランカ・ハールマン侯爵令嬢を茶会に招くのと、チェザリー・ハールマン侯爵令息を学園卒業後に私の側近ないしは護衛として取り立てるのと、其方ならどちらを選ぶ」
「……これは……また」
珍しく直球で聞いてきた私に、恐らくは宰相も戸惑っているんだろう。
何を考えているのかと、探るように即答は避けていた。
「ただでさえ陛下の留守で執務がたてこんでいる。私としては、まわりくどくならない様に気を遣ってみたつもりだったんだが?」
「……さようでございますか」
不審には思っていても、追及をするには手札がないと、自分でも分かっていたんだろう。
小さく息を吐き出して、手にしていたペンを一度置いた。
「殿下、ハールマン侯爵家を殿下の派閥に?」
「派閥……」
「お作りになりたいのでしょう?――ベッカリーア公爵家への牽制を兼ねて」
ベッカリーア公爵家。
先代国王の最側近だった家だ。ある意味、あれほどまでに享楽的な国王を生み出した、諸悪の根源。
「そうだな。私の手には、まだ何もない。何もないが……私が王となるまでには、せめて今の王宮内の縮図は書き換えておきたい」
「殿下ご自身は、ベッカリーア公爵家と手を取りあうことは考えていらっしゃらないんですね」
「冗談でも受け入れられんな。証拠さえあったなら、今すぐ潰してやりたいくらいなのに」
私は思わず両の手をグッと握りしめていた。
「ハールマン侯爵は穏健派。陛下と共に、話し合いや政略的な縁組による解決を考えておいでのようですが?」
「話し合いと政略婚の重要性を否定するつもりはない。だが瑕疵のない屋台骨に害虫を入れてどうする。柱ごと食い潰されるのがオチだ。正直、甘い考えだと言わざるを得ん」
ハールマン侯爵は、私が内心で抱える〝闇〟に気付いている。
気付いているからこそ、私の存在が王家にとっての諸刃の剣と察して、押さえ込む方法を模索している。
恐らくは私が持つ苛烈さをもって、ベッカリーア公爵家を押さえたいとさえ思っている筈だ。
今回の同行で、陛下をその気にさせようと動いてくるに違いない。
「……あのお二人は、性根の真っすぐな方々ですからね……」
性根が真っすぐすぎる。
そう言ってため息を零したフォサーティ宰相に、私は胡乱な視線を向けた。
「それで?まだ、私の問いに答えてくれていないようだが」
「殿下。殿下は私の側室がベッカリーア公爵家の人間だとご存知ですよね?」
「ああ。先代から無理矢理にあてがわれた夫人だろう?とても執着しているようには見えないんだが」
フォサーティ家は正室夫人との間に子がおらず、側室夫人との間に男子一名と聞いている。
よほどのことがなければ、その一人が家を継ぐのだろうし、宰相家としてはもうそれで良いのだと、割り切っているように見えていた。
「……殿下。私からの要望を一つ、お聞き届け下さいますか」
意外な言い方を、宰相はした。
「内容を聞く前から頷け、と?」
「何、それほど難しい話ではありませんよ。近々私は宰相家に養子を入れるつもりです。その際には、その者を取り立ててやって欲しいのです」
は?――と、うっかり腹芸を忘れて私は声を出してしまった。
「今いる息子を切り捨てるのか?」
「もちろん、平等な機会を与えようとは思っていますがね。ただ現状、とても宰相家を継がせられる器ではない」
「養子をとったからと言って、その養子に才があるとも限るまい」
「先代陛下への反発もあって、あまりに教育にノータッチだった自分を、今は悔いていますよ。養子となる子には、その反省を活かすつもりをしています」
「その気があるのなら、息子の再教育をした方が早かろうに」
「ベッカリーア公爵家の息がかかる家に、母親ともども引きこもられてしまっていましてね。まあ……手綱のとれない情けなさを責められると、返す言葉もないのですが」
更に言いかけた言葉に機先を制せられ、私は思わず顔を顰めてしまった。
「……なるほど、私がベッカリーア公爵家と縁組むつもりがないのと同様に、其方も彼の公爵家と縁を切りたいワケか」
「お聞き届け下さるのであれば、この身でも、頭脳でも、持てるものは全て差し出させて頂きましょう」
ふむ……と、私は口元に手をあてた。
「そういう事であれば、そうだな……その養子となる男が『今』よりも優秀である事を示して見せろ。そうすれば、私の傍に仕えさせることはやぶさかではない。其方の言うように、私に付いてくれる者を見極めたいのは確かだからな」
私の回答にどこまで満足したのかは分からないが、フォサーティ宰相はそれで充分だ、と表面上は思わせる礼をとった。
「では、僭越ながら先ほどの殿下の問いかけに対する私の愚考の一端を示させて頂きますと――殿下、茶会をなさいませ。ただしハールマン侯爵令嬢お一人とではなく、複数のご令嬢をお呼びして」
「何?」
「それであれば、ハールマン侯爵令嬢をお選びになる事、ベッカリーア公爵家令嬢をお選びにならない事、双方への大義名分が立ちましょう」
殊更に「お選びにならない」と言うところに力を入れるフォサーティ宰相に、私は嫌でもそれこそが最大の目的なのだと察する。
「ご自身の正妃候補のご令嬢と合わせて、ミルテ王女殿下の学友候補となる令嬢方を招かれると宜しいでしょう。殿下が王女殿下に目をかけていらっしゃるのは周知の事実。必然的に、殿下に取り立てられたいと思う家が見極められるかと」
夫候補となると、父である国王陛下を無視する訳にはいかない。
あくまで王女の「学友候補」であれば、現時点でも招くことが可能と、フォサーティ宰相は言った。
「さしあたって、ロサーナ公爵家には王女殿下と同い年の令嬢がいる筈ですから、上手くいけばハールマン侯爵令嬢をベッカリーア公爵家の悪意から守る『楯』にする事が可能ですよ。正式な王太子妃、王妃となるまではどうしたって、侯爵令嬢は公爵家に対して強く出られませんからな」
フォサーティ宰相家に直系女児がいないこともあり、宰相の助言は的確だ。
「なるほどな。あとはハールマン侯爵令嬢が、ベッカリーア公爵令嬢の様な高慢な精神の持ち主ではない事を祈るばかりか」
「ええ。ご心配であれば、保険としてハールマン侯爵令息の方を、近衛騎士団に推挙する事をチラつかせれば宜しいかと思いますよ。どうやら令息の方は、騎士に対して昔からの憧れがあるそうですから」
私もフォサーティ宰相も、ハールマン侯爵自身、押しても引いても動く人柄でない事はよく分かっていた。
だから子供二人の方から、絡め取っていく事にしたのだ。
――フランカ・ハールマン侯爵令嬢が私の想像以上に気立てがよく、美しい令嬢である事だけが、この時点での想定外だったと言えるだろう。
祖父が永遠に呼吸をしなくなったことを聞かされ、父と共に王宮の一室に駆けつけた際、もしかしたら私の口元には笑みすら浮かんでいたのかも知れなかった。
父と宰相が、国葬だ即位だといった話をしている傍で、宰相と同じく父の側近であるハールマン侯爵が、まさか……と言った表情でこちらを見ていたところからすると、それを見られていたんだろうと思う。
私自身、宰相から執務の手ほどきを受けている最中にあった事は、ここにいる皆の共通認識だ。
ただ「何かを知っている」と、元から勘付いている宰相と同じ認識を、この瞬間に侯爵も持ったと言う事なんだろう。
そして私はその場でも、後になってからも、肯定もしない代わりに、一切の否定の言葉も吐かなかった。
――皆、密かに期待をしていただろう?
私の無言の問いかけを、誰一人として否定が出来ず、結果、皆が全てを黙認することを選んだのだから。
国葬が落ち着いた頃に、私は父が公共事業の視察でハールマン侯爵を連れて王宮を空けたのを見計らって、宰相ジォット・フォサーティとの個人的な会話の場を設けた。
と言っても、普段から日中は宰相室に在席をしているのだから、単に人払いをしただけだ。
そしてわざわざ、父の視察にハールマン侯爵を同行させたあたり、宰相も宰相でこちらの考えていることをある程度は読んでいたんだろう。
「宰相。単刀直入に聞くが、フランカ・ハールマン侯爵令嬢を茶会に招くのと、チェザリー・ハールマン侯爵令息を学園卒業後に私の側近ないしは護衛として取り立てるのと、其方ならどちらを選ぶ」
「……これは……また」
珍しく直球で聞いてきた私に、恐らくは宰相も戸惑っているんだろう。
何を考えているのかと、探るように即答は避けていた。
「ただでさえ陛下の留守で執務がたてこんでいる。私としては、まわりくどくならない様に気を遣ってみたつもりだったんだが?」
「……さようでございますか」
不審には思っていても、追及をするには手札がないと、自分でも分かっていたんだろう。
小さく息を吐き出して、手にしていたペンを一度置いた。
「殿下、ハールマン侯爵家を殿下の派閥に?」
「派閥……」
「お作りになりたいのでしょう?――ベッカリーア公爵家への牽制を兼ねて」
ベッカリーア公爵家。
先代国王の最側近だった家だ。ある意味、あれほどまでに享楽的な国王を生み出した、諸悪の根源。
「そうだな。私の手には、まだ何もない。何もないが……私が王となるまでには、せめて今の王宮内の縮図は書き換えておきたい」
「殿下ご自身は、ベッカリーア公爵家と手を取りあうことは考えていらっしゃらないんですね」
「冗談でも受け入れられんな。証拠さえあったなら、今すぐ潰してやりたいくらいなのに」
私は思わず両の手をグッと握りしめていた。
「ハールマン侯爵は穏健派。陛下と共に、話し合いや政略的な縁組による解決を考えておいでのようですが?」
「話し合いと政略婚の重要性を否定するつもりはない。だが瑕疵のない屋台骨に害虫を入れてどうする。柱ごと食い潰されるのがオチだ。正直、甘い考えだと言わざるを得ん」
ハールマン侯爵は、私が内心で抱える〝闇〟に気付いている。
気付いているからこそ、私の存在が王家にとっての諸刃の剣と察して、押さえ込む方法を模索している。
恐らくは私が持つ苛烈さをもって、ベッカリーア公爵家を押さえたいとさえ思っている筈だ。
今回の同行で、陛下をその気にさせようと動いてくるに違いない。
「……あのお二人は、性根の真っすぐな方々ですからね……」
性根が真っすぐすぎる。
そう言ってため息を零したフォサーティ宰相に、私は胡乱な視線を向けた。
「それで?まだ、私の問いに答えてくれていないようだが」
「殿下。殿下は私の側室がベッカリーア公爵家の人間だとご存知ですよね?」
「ああ。先代から無理矢理にあてがわれた夫人だろう?とても執着しているようには見えないんだが」
フォサーティ家は正室夫人との間に子がおらず、側室夫人との間に男子一名と聞いている。
よほどのことがなければ、その一人が家を継ぐのだろうし、宰相家としてはもうそれで良いのだと、割り切っているように見えていた。
「……殿下。私からの要望を一つ、お聞き届け下さいますか」
意外な言い方を、宰相はした。
「内容を聞く前から頷け、と?」
「何、それほど難しい話ではありませんよ。近々私は宰相家に養子を入れるつもりです。その際には、その者を取り立ててやって欲しいのです」
は?――と、うっかり腹芸を忘れて私は声を出してしまった。
「今いる息子を切り捨てるのか?」
「もちろん、平等な機会を与えようとは思っていますがね。ただ現状、とても宰相家を継がせられる器ではない」
「養子をとったからと言って、その養子に才があるとも限るまい」
「先代陛下への反発もあって、あまりに教育にノータッチだった自分を、今は悔いていますよ。養子となる子には、その反省を活かすつもりをしています」
「その気があるのなら、息子の再教育をした方が早かろうに」
「ベッカリーア公爵家の息がかかる家に、母親ともども引きこもられてしまっていましてね。まあ……手綱のとれない情けなさを責められると、返す言葉もないのですが」
更に言いかけた言葉に機先を制せられ、私は思わず顔を顰めてしまった。
「……なるほど、私がベッカリーア公爵家と縁組むつもりがないのと同様に、其方も彼の公爵家と縁を切りたいワケか」
「お聞き届け下さるのであれば、この身でも、頭脳でも、持てるものは全て差し出させて頂きましょう」
ふむ……と、私は口元に手をあてた。
「そういう事であれば、そうだな……その養子となる男が『今』よりも優秀である事を示して見せろ。そうすれば、私の傍に仕えさせることはやぶさかではない。其方の言うように、私に付いてくれる者を見極めたいのは確かだからな」
私の回答にどこまで満足したのかは分からないが、フォサーティ宰相はそれで充分だ、と表面上は思わせる礼をとった。
「では、僭越ながら先ほどの殿下の問いかけに対する私の愚考の一端を示させて頂きますと――殿下、茶会をなさいませ。ただしハールマン侯爵令嬢お一人とではなく、複数のご令嬢をお呼びして」
「何?」
「それであれば、ハールマン侯爵令嬢をお選びになる事、ベッカリーア公爵家令嬢をお選びにならない事、双方への大義名分が立ちましょう」
殊更に「お選びにならない」と言うところに力を入れるフォサーティ宰相に、私は嫌でもそれこそが最大の目的なのだと察する。
「ご自身の正妃候補のご令嬢と合わせて、ミルテ王女殿下の学友候補となる令嬢方を招かれると宜しいでしょう。殿下が王女殿下に目をかけていらっしゃるのは周知の事実。必然的に、殿下に取り立てられたいと思う家が見極められるかと」
夫候補となると、父である国王陛下を無視する訳にはいかない。
あくまで王女の「学友候補」であれば、現時点でも招くことが可能と、フォサーティ宰相は言った。
「さしあたって、ロサーナ公爵家には王女殿下と同い年の令嬢がいる筈ですから、上手くいけばハールマン侯爵令嬢をベッカリーア公爵家の悪意から守る『楯』にする事が可能ですよ。正式な王太子妃、王妃となるまではどうしたって、侯爵令嬢は公爵家に対して強く出られませんからな」
フォサーティ宰相家に直系女児がいないこともあり、宰相の助言は的確だ。
「なるほどな。あとはハールマン侯爵令嬢が、ベッカリーア公爵令嬢の様な高慢な精神の持ち主ではない事を祈るばかりか」
「ええ。ご心配であれば、保険としてハールマン侯爵令息の方を、近衛騎士団に推挙する事をチラつかせれば宜しいかと思いますよ。どうやら令息の方は、騎士に対して昔からの憧れがあるそうですから」
私もフォサーティ宰相も、ハールマン侯爵自身、押しても引いても動く人柄でない事はよく分かっていた。
だから子供二人の方から、絡め取っていく事にしたのだ。
――フランカ・ハールマン侯爵令嬢が私の想像以上に気立てがよく、美しい令嬢である事だけが、この時点での想定外だったと言えるだろう。
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