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第三部 宰相閣下の婚約者
744 王と魔道具
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シャルリーヌが日本の知識を持っていることに関しては、転生の話を「記憶の召喚」と言い方を変えて伝達したエドヴァルドはさておいて、以前に「予知夢」「預言書」と言った曖昧模糊な形ながらアンディション侯爵、もといテオドル大公が既にそれを把握している。
表向きはテオドル大公と同じ認識で足並みを揃えた方が良いのだろうけど、殊、国王陛下に関してはそうじゃない方がいい気はしている。
何せ、異世界からの召喚と言う儀式を最終的に承認しているのは、国王である彼だ。
召喚先が異世界であることを知るのは、恐らくエドヴァルドと陛下と、もしかしたらヴェンツェン管理部長もだろうか。
大半の認識は「異国」止まりのように思える。だけど、さすがに召喚の儀を整えたであろう管理部長が知らないと言うのは考えにくい。
記憶のみ召喚されたとの話がエドヴァルドに与えていたインパクトを思えば、今後、次の代以降にも安易な召喚を決断させないためにも、異世界召喚の事実を知る関係者には多少のことは伝えておいた方がいいんじゃないかと言う気はしている。
そこは、現在絶賛氷点下中の宰相閣下と要相談、と言うことにして……と思った私が口を開こうとしたそこへ、予想外の「妨害」が入った。
いや、冷気を引き受けようとする奇特な声とも言える。
「フォルシアン公爵令嬢!」
「ぴゃっ⁉︎」
気付けばガールシン医局長の姿がさっきよりも更に近い、真横にあった。
それはもう、うっかりおかしな声をあげてしまったくらいだ。
「今日とは言わない! 後日でいいからぜひ医局へ来て、詳しく話を聞かせて貰えないだろうか!」
「……えっと」
クシュン! と、シャルリーヌのくしゃみが聞こえたところで察した。
振り返って確認せずとも、エドヴァルドのこめかみに青筋が立っているだろうことを。
「私の体質のこともそうだが、今は医局に運ばれた『病人』のための情報が少しでも欲しい! ヴェンの魔道具の助言もしたと言う、その見識をぜひ医局にも提供してくれないか⁉︎」
「じょ、助言?」
害獣避けの罠の話が何か間違った伝わり方をしていないだろうか⁉︎
そして研究意欲が爆発中の医局長サマは全く周りが見えておらず「頼む!」と、両手を私の肩に置いて揺さぶらんばかりの勢いで叫んでいた。
「あ」
その瞬間、医局長の背中側にいたシャルリーヌが盛大に表情を痙攣らせて、私の肩越しに視線を固定させていた。
「……チッ、悋気が過ぎるな、宰相!」
急速冷凍の如く足元に霜が広がったあたりで、そんな国王陛下の舌打ちも聞こえてきた。
ギリギリ視線が届いた先のところで、私の目にはやおら腰の短剣を引き抜く国王陛下の姿が見えた。
何をするつもりなのかが、私どころか恐らくは誰も分からなかったんだろう。
引き抜いた短剣を頭上に掲げ、それを勢いよく真下に振り下ろした姿が、まるでスローモーションのように皆の視界に映っていた。
「⁉︎」
あの短剣は〝蘇芳戦記〟の静止画でもお馴染み、数多の反フィルバート派の貴族の血に塗れてきたいわくつきの短剣だ。
そんな短剣をいきなり素振りするのは場違い――なんてことを思う隙はなかった。
まさかその短剣の切っ先から、いきなり風が巻き起こるなどと、誰にとっても予想外だったはずだ。
そしてその風が、エドヴァルドがあわやガールシン医局長にぶつけかけていた、氷柱になりかけていた霰の粒を霧散させた、などと!
「陛下!」
とっさの声を上げたのはヴェンツェン管理部長だ。
「陛下、まだ完成はしていないと申し上げて――」
「ああ、ああ、分かっていたとも。だがどこぞの短気で悋気の過ぎる宰相が先に暴走したのだ。結果的に良い実験になったろうが」
二人がそんな会話を真面目な顔をして交わしあっている間に、飛び散った霰が部屋のあちこちに落下している。
もちろん、私やシャルリーヌ、ガールシン医局長のいるここにもだ。
「……陛下……今のは……」
既に冷静さを取り戻してはいたものの、今度は魔改造されたらしい短剣の存在に驚いているエドヴァルドに、国王陛下はしてやったりとでも言いたげに、口の端を歪めていた。
「なに、おまえがいっこうに制御の魔道具の開発に協力をしないものだから、並行して氷柱を抑える魔道具は出来ないものかと、ヴェンツェンと話し合っていただけのことだ。そう何度も王宮内で氷柱を落とされてはたまらんからな」
「なっ……」
絶句したエドヴァルドをよそに、国王陛下は短剣を矯めつ眇めつしながら「ふむ……」と、今の出来を検証しているようだった。
「これだと単に私の風の魔力を吸い上げて外に出しただけになるな。まあ、氷柱以外のモノも切断出来そうではあるが、今のままだと害獣避けの罠が単に小型化しただけ、とも言える」
竜巻で人を吹っ飛ばす害獣避けの罠と違い、今のは今ので所謂「かまいたち」に似た機能が付与されているのではないだろうか……。
「風単体だって研ぎ澄まされれば立派な凶器よね……」
なんてことを呟いたシャルリーヌも、多分同じ感想を抱いていた気がする。
「陛下の風の魔力はイデオン宰相閣下の雪と氷の魔力ほどではありませんが、それでも人よりは多くていらっしゃる。もっと上手く取り込めれば殺傷能力は更に上がるかと」
いや、上げなくてイイんじゃないかな、ヴェンツェン管理部長⁉︎
「そうか。またサレステーデの愚か者どもに暴れられても敵わんからな。それまでに多少の体裁は整えておいてくれ。まあ、これでも最低限の自衛は出来そうだが」
「そうそう長時間陛下の剣はお預かり出来ませんから、少しずつ強化していくしかありません。そこはご容赦の程を」
「…………」
いつの間に、とエドヴァルドが呻いたのが微かに聞こえた。
うん、確かに。
認識阻害の魔道具に害獣避けの罠に、極め付けが国王陛下の短剣ときている。
管理部の皆さん、寝てますか?
「私の剣の話は今はともかくとして、だ。病人の治癒と今後の復興についての話は、後で別室ででもゆっくりやってくれ。宰相も、姉君を一人で行かせるのでなければ文句はないのだろう?」
ふと表情を引き締めて話を戻してきた国王陛下に「まあ、それであれば……」と、不承不承エドヴァルドも頷いている。
「どうやらボードリエ伯爵令嬢にも少なからずの知識があるとの話だ。近未来の聖女と公爵夫人が国に貢献してくれるかも知れん話なら、頷かない道理もあるまい」
「少なくともレイナに関しては、私の同席を要求します」
間髪を入れずに返したエドヴァルドに、国王陛下は半分呆れぎみに首を横に振った。
「清々しいほどの鬼畜だな、宰相。表向きだけでも聖女代理殿を立てても良いだろう」
「……ええ、本当に。少し傷つきますわ」
そしてちゃっかりシャルリーヌもそこに乗っかっている。
私のいたたまれない表情と、エドヴァルドの苦い表情を明らかに楽しんでいて、度胸満点、私よりも遥かに人としての器は上じゃないかと思わせるほどだった。
「ああ、これはしまったな! 私としたことが……」
そして突然、何の小芝居かと言うような大仰な声と仕草を見せて、国王陛下がその場から立ち上がった。
「まだ不完全だった短剣の魔道具を稼働させたせいで、ご令嬢には迷惑をかけてしまった」
誰も、何も言えずにいる中で、あくまでもゆったりと、私やガールシン医局長ではなく、シャルリーヌのいるところへと歩を進めている。
「氷柱かな、それとも水か料理か……どうやらドレスを汚してしまったようだ」
「え?」
本人でさえも気が付いていなかった裾のあたり、よくよく見れば確かにシミがある。
どんな視力ですか、チート能力か何かですか⁉︎
などと思っている間に、周囲の座り込んだり倒れ込んだりしている人々をまるっと無視をする形で、国王陛下が片膝をつく形で腰を下ろしていた。
「陛下⁉︎」
さすがに叫ばずにはいられなかったらしいシャルリーヌをよそに、国王陛下が片手をドレスの裾に触れさせていた。
「慰労のつもりで招いたにも関わらず、申し訳ないことをしたな。詫びとして新たなドレスを贈らせて貰うとしよう」
「「「⁉︎」」」
なんですと⁉︎
え、マジですか? それとも何か企んでいることへの壮大なフリとか⁉︎
多分、私どころかその場にいた全員が、内心で絶叫していたはずだ。
――目を丸くして固まったシャルリーヌも含めて。
表向きはテオドル大公と同じ認識で足並みを揃えた方が良いのだろうけど、殊、国王陛下に関してはそうじゃない方がいい気はしている。
何せ、異世界からの召喚と言う儀式を最終的に承認しているのは、国王である彼だ。
召喚先が異世界であることを知るのは、恐らくエドヴァルドと陛下と、もしかしたらヴェンツェン管理部長もだろうか。
大半の認識は「異国」止まりのように思える。だけど、さすがに召喚の儀を整えたであろう管理部長が知らないと言うのは考えにくい。
記憶のみ召喚されたとの話がエドヴァルドに与えていたインパクトを思えば、今後、次の代以降にも安易な召喚を決断させないためにも、異世界召喚の事実を知る関係者には多少のことは伝えておいた方がいいんじゃないかと言う気はしている。
そこは、現在絶賛氷点下中の宰相閣下と要相談、と言うことにして……と思った私が口を開こうとしたそこへ、予想外の「妨害」が入った。
いや、冷気を引き受けようとする奇特な声とも言える。
「フォルシアン公爵令嬢!」
「ぴゃっ⁉︎」
気付けばガールシン医局長の姿がさっきよりも更に近い、真横にあった。
それはもう、うっかりおかしな声をあげてしまったくらいだ。
「今日とは言わない! 後日でいいからぜひ医局へ来て、詳しく話を聞かせて貰えないだろうか!」
「……えっと」
クシュン! と、シャルリーヌのくしゃみが聞こえたところで察した。
振り返って確認せずとも、エドヴァルドのこめかみに青筋が立っているだろうことを。
「私の体質のこともそうだが、今は医局に運ばれた『病人』のための情報が少しでも欲しい! ヴェンの魔道具の助言もしたと言う、その見識をぜひ医局にも提供してくれないか⁉︎」
「じょ、助言?」
害獣避けの罠の話が何か間違った伝わり方をしていないだろうか⁉︎
そして研究意欲が爆発中の医局長サマは全く周りが見えておらず「頼む!」と、両手を私の肩に置いて揺さぶらんばかりの勢いで叫んでいた。
「あ」
その瞬間、医局長の背中側にいたシャルリーヌが盛大に表情を痙攣らせて、私の肩越しに視線を固定させていた。
「……チッ、悋気が過ぎるな、宰相!」
急速冷凍の如く足元に霜が広がったあたりで、そんな国王陛下の舌打ちも聞こえてきた。
ギリギリ視線が届いた先のところで、私の目にはやおら腰の短剣を引き抜く国王陛下の姿が見えた。
何をするつもりなのかが、私どころか恐らくは誰も分からなかったんだろう。
引き抜いた短剣を頭上に掲げ、それを勢いよく真下に振り下ろした姿が、まるでスローモーションのように皆の視界に映っていた。
「⁉︎」
あの短剣は〝蘇芳戦記〟の静止画でもお馴染み、数多の反フィルバート派の貴族の血に塗れてきたいわくつきの短剣だ。
そんな短剣をいきなり素振りするのは場違い――なんてことを思う隙はなかった。
まさかその短剣の切っ先から、いきなり風が巻き起こるなどと、誰にとっても予想外だったはずだ。
そしてその風が、エドヴァルドがあわやガールシン医局長にぶつけかけていた、氷柱になりかけていた霰の粒を霧散させた、などと!
「陛下!」
とっさの声を上げたのはヴェンツェン管理部長だ。
「陛下、まだ完成はしていないと申し上げて――」
「ああ、ああ、分かっていたとも。だがどこぞの短気で悋気の過ぎる宰相が先に暴走したのだ。結果的に良い実験になったろうが」
二人がそんな会話を真面目な顔をして交わしあっている間に、飛び散った霰が部屋のあちこちに落下している。
もちろん、私やシャルリーヌ、ガールシン医局長のいるここにもだ。
「……陛下……今のは……」
既に冷静さを取り戻してはいたものの、今度は魔改造されたらしい短剣の存在に驚いているエドヴァルドに、国王陛下はしてやったりとでも言いたげに、口の端を歪めていた。
「なに、おまえがいっこうに制御の魔道具の開発に協力をしないものだから、並行して氷柱を抑える魔道具は出来ないものかと、ヴェンツェンと話し合っていただけのことだ。そう何度も王宮内で氷柱を落とされてはたまらんからな」
「なっ……」
絶句したエドヴァルドをよそに、国王陛下は短剣を矯めつ眇めつしながら「ふむ……」と、今の出来を検証しているようだった。
「これだと単に私の風の魔力を吸い上げて外に出しただけになるな。まあ、氷柱以外のモノも切断出来そうではあるが、今のままだと害獣避けの罠が単に小型化しただけ、とも言える」
竜巻で人を吹っ飛ばす害獣避けの罠と違い、今のは今ので所謂「かまいたち」に似た機能が付与されているのではないだろうか……。
「風単体だって研ぎ澄まされれば立派な凶器よね……」
なんてことを呟いたシャルリーヌも、多分同じ感想を抱いていた気がする。
「陛下の風の魔力はイデオン宰相閣下の雪と氷の魔力ほどではありませんが、それでも人よりは多くていらっしゃる。もっと上手く取り込めれば殺傷能力は更に上がるかと」
いや、上げなくてイイんじゃないかな、ヴェンツェン管理部長⁉︎
「そうか。またサレステーデの愚か者どもに暴れられても敵わんからな。それまでに多少の体裁は整えておいてくれ。まあ、これでも最低限の自衛は出来そうだが」
「そうそう長時間陛下の剣はお預かり出来ませんから、少しずつ強化していくしかありません。そこはご容赦の程を」
「…………」
いつの間に、とエドヴァルドが呻いたのが微かに聞こえた。
うん、確かに。
認識阻害の魔道具に害獣避けの罠に、極め付けが国王陛下の短剣ときている。
管理部の皆さん、寝てますか?
「私の剣の話は今はともかくとして、だ。病人の治癒と今後の復興についての話は、後で別室ででもゆっくりやってくれ。宰相も、姉君を一人で行かせるのでなければ文句はないのだろう?」
ふと表情を引き締めて話を戻してきた国王陛下に「まあ、それであれば……」と、不承不承エドヴァルドも頷いている。
「どうやらボードリエ伯爵令嬢にも少なからずの知識があるとの話だ。近未来の聖女と公爵夫人が国に貢献してくれるかも知れん話なら、頷かない道理もあるまい」
「少なくともレイナに関しては、私の同席を要求します」
間髪を入れずに返したエドヴァルドに、国王陛下は半分呆れぎみに首を横に振った。
「清々しいほどの鬼畜だな、宰相。表向きだけでも聖女代理殿を立てても良いだろう」
「……ええ、本当に。少し傷つきますわ」
そしてちゃっかりシャルリーヌもそこに乗っかっている。
私のいたたまれない表情と、エドヴァルドの苦い表情を明らかに楽しんでいて、度胸満点、私よりも遥かに人としての器は上じゃないかと思わせるほどだった。
「ああ、これはしまったな! 私としたことが……」
そして突然、何の小芝居かと言うような大仰な声と仕草を見せて、国王陛下がその場から立ち上がった。
「まだ不完全だった短剣の魔道具を稼働させたせいで、ご令嬢には迷惑をかけてしまった」
誰も、何も言えずにいる中で、あくまでもゆったりと、私やガールシン医局長ではなく、シャルリーヌのいるところへと歩を進めている。
「氷柱かな、それとも水か料理か……どうやらドレスを汚してしまったようだ」
「え?」
本人でさえも気が付いていなかった裾のあたり、よくよく見れば確かにシミがある。
どんな視力ですか、チート能力か何かですか⁉︎
などと思っている間に、周囲の座り込んだり倒れ込んだりしている人々をまるっと無視をする形で、国王陛下が片膝をつく形で腰を下ろしていた。
「陛下⁉︎」
さすがに叫ばずにはいられなかったらしいシャルリーヌをよそに、国王陛下が片手をドレスの裾に触れさせていた。
「慰労のつもりで招いたにも関わらず、申し訳ないことをしたな。詫びとして新たなドレスを贈らせて貰うとしよう」
「「「⁉︎」」」
なんですと⁉︎
え、マジですか? それとも何か企んでいることへの壮大なフリとか⁉︎
多分、私どころかその場にいた全員が、内心で絶叫していたはずだ。
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