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1.フィルシールド誕生

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 ベイルマート王国第一王子の命名宣言に対する各地での反応
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1,ベイルマート王国のとある貴族家の場合

「命名宣言が、出ましたね。陛下の御子は、男児でしたか。」

『ベイルマート王国第一王子を“フィルシールド”と命名したことを、ここに宣言する。』

「な、何ですとぉ!?へ、陛下!正気でごさいますか!?」

「な、何故。いや、いくら陛下の御子であられても、さすがに初代陛下の名を付けるなど、言語道断でありますぞ。いったい何があった、と言うのですか。」

「あぁ、遠くない内に、大きな騒ぎが起きる。もう、そんな予感しかしませんよ。陛下。」
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2,取引の多い隣国の王城の場合

「ベイルマートからの命名宣言か。あの国は、第一王子位しか、命名宣言しないからな。産まれたのが男児だったということか。まぁ、産んだのは、アンリエッタだろうし、ちょうど良いのかもしれんなぁ。」

「へ、陛下。こちらを御覧に・・・・・・・・・」

『ベイルマート王国第一王子を“フィルシールド”と命名したことを、ここに宣言する。』

「“フィルシールド”か。確か、彼の国の初代国王の名であったような気がするな。」

「え、ええ。私もそう記憶しておりますが。」

「ソルトラルドの奴、親バカも大概にしろよな?いくら我が子を初代国王にあやからせたいとはいえ、それで名を付ければ、一定の貴族家から反感を持たれるぞ。」

「確かに、騒乱が起こる可能性は高いでしょう。いったい、何が・・・・・・・・・。」

「まったく、どうなることやら。」
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3,神託を受けた教皇と聖女の場合

「おや?命名宣言ですか。成る程、陛下の子は男児でしたか。」

「そのようですね。しかし、随分と速い。教皇が昨夜、王城を訪ねた際、まだ産まれていなかったのでは?」

「私も、そう感じたのですが・・・・・・・・・」

『ベイルマート王国第一王子を“フィルシールド”と命名したことを、ここに宣言する。』

「初代陛下の名ですか。確かに、“神の祝福を受けし者”には、相応しいでしょう。何せ、初代陛下は、異世界より招かれ魔王を討伐した勇者様であるという伝説が、ありますからねぇ。」

「陛下は、 “神の祝福を受けし者” は、第一王子殿下であると、認識なさったのですね。確かに、神託の一部に “王位継承に関する一文” が有りましたよね?第一王子ならば、関わりもかなり深いですからね、王位継承権。」

「そうだな。しかし、我々には陛下の判断が正しいものか間違ったものかを判断することが出来ない。もし、間違っていたら取り返しのつかない大惨事となりうることでしょう。さて、どうしたものでしょうか。」
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4,酒場や食堂などに集まったベイルマート
  王国の国民たちの場合

「ほぅ、命名宣言か。んじゃあ、第一王子殿下が産まれたんだなぁ。」

「なぁ、お前ら。第一王子殿下は、何ていう名前だと思うか?ちなみに、俺は、 “ハインフィラド” だと、予想するぜ。」

「あぁ、伝説の凄腕宰相か。まぁ、陛下は直ぐに過去の偉人にあやかろうとするからなぁ。俺は、 “ヴィーグル” だと思うな。」

「おぉ、ゼンタール公爵家初代当主か。あの家は、陛下の母君の出身家だったか?てか、竜殺しかよ。」



『ベイルマート王国第一王子を “フィルシールド” と命名したことを、ここに宣言する。』



「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。え、えええええええぇぇぇェェェ!!!!!!」」」」


「 “フィルシールド” ったら、初代陛下かよ。」

「殿下を “あやからせたい” っていう想いが強すぎないか?陛下。」

「こりゃ、驚いた。貴族共が騒ぐぞぉ!」

「はぁ、まったく。どうなることやらだなぁ。お前らもそう思うだろ?」

「そうだな。」

「騒ぎは、起きるだろ。貴族は皆信じているからな、初代陛下が勇者説。冒険者たち、つーか、冒険者ギルドもだけどな。」

「だよなぁ。」

「俺は、何らかの神託があったと見る。昨日の夜遅くに、大聖堂の方が騒いでいたし、大聖堂から王城に向かって、けっこう豪華な馬車が出て行ってるのを見かけたからな。」

「ほぉう、成る程。まさか、第一王子殿下は初代陛下並みの逸材か?」

「こりゃ、王国もしばらくは、安泰か?」

「「「「「「ははははは・・・・・・・・・」」」」」」
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5,ベイルマート王国近衛騎士団の場合

「第一王子殿下が、お産まれになったそうだ。アンリエッタ様付きの者たちとサーシャ様付きの者たちから報告があった。」

「何でも、アンリエッタ様似の可愛らしい方だとか。」

「昨夜の神託は覚えているか?」

「神託の内容からも殿下である可能性は、かなり高いですからね。」

『王家ニ新シク生マレシ男児、神ノ祝福ヲ受ケシ者ナリ。ソノ者、望マズシテ王位ニ就クコト無カレ。ソノ男児、新タナル英雄成リ得ル器ナリト。強キ力ヲ、世界ノ為ニ貸スコト有レド、滅ボス為ニアラズ。』

「でしたか。 “王家に新しく生まれし男児” ですから、殿下の可能性は高いでしょう。」

『ベイルマート王国第一王子を “フィルシールド” と命名したことを、ここに宣言する。』

「!へ、陛下!」

「これは、確定でしょう。陛下は、神託にあった男児を “第一王子殿下である” とみたのでしょう。」

「そうとしか考えることは出来ん。」

「・・・・・・・・・騒乱が起こりそうですね。」

「我等、近衛騎士団は王族の剣となり盾となるのが使命だ。分かっているな!」

「「「「「当然です!!!」」」」」
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