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2.計画実行と兄妹登場
2-006
しおりを挟むどうしましょう。
ソルト兄様が本当にいますわ。
違っていて欲しかったのですが、このようなときは、いったい、どうすれば・・・・・・・・・。
エル姉様やナード兄様なら・・・・・・・・・ですが、ラティ姉様は不在ですし・・・・・・・・・それに、ルー姉様はお忙しいのでは?・・・・・・・・・ですが、リット兄様は優しすぎますので・・・・・・・・・。
「あーううぅ?」
今のは、フィル、でしょうか?
もう、喋れるのですか。
素晴らしいですわ。これなら、歌や芝居を教えることもできますわね。
近日中にでも、頼んでみましょうか。
ええ、現実逃避だなんて、仰らないでくださいませ。だってこんな事象、私一人では抱えきれませんわ。
ハッ!
私、ソルト兄様のことに気を取られすぎて、フィルに自己紹介をしていませんでしたわ。
危なかったですわね。
フフフ、忘れたままですと、リーナに怒られてしまいますから。
それに、喋ることができるなら、ある程度の言葉は理解しているのかもしれませんわ。
確か、『神童』でしたか?
彼にソルト兄様を任せるのも、また一興。
・・・・・・・・・いえ、 “頼みます” でしたわ。
世界の命運は、もう、貴方にかかっていることでしょう。
なんとも、情けないばかりではありますが、貴方に期待していますわ。
_____________________
「あら、ふふふ。初めまして、フィル。私は、ソルト兄様・・・・・・・・・貴方の父親の異母妹の一人ですわ。ティファニア・フォン・ベイルマートと言いますの。よろしくお願いいたしますわ。」
ティファニアさんから自己紹介をされた。
さっきまでの、悩みこんでいるような雰囲気が一瞬で霧散して、まるで別人だ。
これは本当に、「凄い」としか言いようが無い。
「今は、まだ13歳で、未成年ですが、成人後は楽団などで本格的に活動する予定です。フィルも招待しますから、必ず観に来てくださいね、待っていますから。ふふっ、それまでは、楽しみにしていてください。」
あっ、また、雰囲気が変わった。
『楽団』って、実は劇団みたいなものかな?
それとも、ミュージカルとか・・・・・・・・・まぁ、今はいいや。
「あーぅ、あううううぅ。」
「まぁ、ありがとうございます。」
どうやら、ティファニアさんとも会話が成り立つらしい。この世界は、赤ちゃん言葉でも通じるのがデフォルトなのだろうか。
だとすると、僕にはハードルが高すぎる。早急に、役立ちそうなスキルを獲得しないと。
「--グスン、グスンッ--。」
「おい、そんな所で泣くな。周りに迷惑だぞ。泣くなら自室で泣け。」
「………サーシャが付き添ってくれるなら動かなくもない。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「--グスン、グスンッ--。」
「あぁもう、わかったからさっさと立て!」
・・・・・・・・・弟か妹ができるのも、時間の問題だろうからね。
お父さん、一瞬顔が見えたけど、泣いてなかったなぁ。若干笑ってた、間違いなく。あれは、嘘泣きだったかぁ。
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