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2.計画実行と兄妹登場

2-015

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「ラティ姉様が持ち込む可能性が高い “案件” 、ですか?となると、戦争、とかでしょうか?いえ、わざわざフィルに先触れを出す、と言うことは、別物、しかも、私は聞い覚えが無いと言うことは、かなり新しい話題、でしょうか。国外から入ってくる話、外交系などで心当たりは、………。」

  せ、 “戦争” !?
  いや、流石にそんな話は、僕に持ってこられたって、どうにかすることは出来ないからね!
  って、それで、先触れをする必要があるような話って何だろう?僕にするくらいだから、間違いなく、僕に関わること、だよね。

「いえ、戦争などではありません。それよりも、もっと深刻な話になります。それは………」

「それは………?」

  ゴクンっ。
  き、緊張する。戦争よりも深刻な話。
  うぅー、そんなに長く溜めないで、速く言ってください!

「それは、………。フィル君への婚約の申し込み、です。」

「なっ!」

  な、何だってぇ~~~!!!

「何ですか!それはぁ。いくら何でも、速すぎませんか!?国際結婚に関する婚約は、最低でも、婚約する当事者が知り合ってから5年以上経った上で、お互いに成人してから、結ぶことが常識ですわよ!?」

「まぁまぁ、落ち着いてください、ティニー。まだ、申し込み、だけですからね。フィル君は、大国ベイルマートの第一王子ですからね。元々、打診だけでもしようと考えていた者は多いみたいなんだそうです。とはいえ、兄様が産まれた時は、本当に打診までだったらしいので、フィル君の場合は、命名効果も上乗せされているのでしょう。」

  な、なんてことだ。

  王子に産まれたと言うことは、政略結婚するなんてこともざらにある、っていうことをすっかり忘れてた。
  だって、お父さんもお母さんもサーシャさんも、恋愛 (?) 結婚に見えるから、その可能性を忘れていた、もとい、頭の隅から消していたんだよね。

  前世の異世界モノでは、産まれたて~成人までの間に政略結婚のフラグが立つんだよね。政略結婚のフラグは、できるだけ全部へし折って、恋愛結婚を目指します、僕は。
  でも、今回のこればかりは、逃れることも簡単ではないからなぁ。だから、ティファニアさんの言っている、国際結婚に関する婚約の常識で、どうにかなってくれるといいなぁ。

「まぁ、今日はまだ、リオンの12日ですので、ラティ姉様の王都セルシュバード帰還予定日である陽終ようおわりまでは、少々日があります。ですので、安心してください。」

  ようおわり?って、何かなぁ。
  えっと、 “リオン” は確か、月の名前、みたいなのだったよね。

「そうですね。………!  そうですわ、フィル。私、貴方を来月の公演に招待したくて、訪ねようと思っていましたの。これは、31日の王都セルシュバード公演の招待状ですわ。この日は祝日ですので、誰かに頼めば、きっと、連れて行ってくれるはずですわ。」
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